染色体異常の種類一覧と先天性疾患の原因

染色体異常の一覧

染色体異常には有名なダウン症以外にもたくさんの種類があり、身体的機能や発育に様々な影響が及びます。

どのような疾患があって、どのような特徴があるのか?について、わかりやすく一覧表にまとめてみました。

染色体異常の種類一覧表

染色体異常には主に染色体の数に異常がある「数的異常」と、染色体の形状に異常がある「構造異常」があります。

【主な染色体異常の種類一覧表】

染色体異常特徴
常染色体21トリソミー成長障害、運動発達遅滞、知的障害、先天性心疾患
消化器疾患、症状の程度は個人差が大きい。
平均寿命は60歳を超える
18トリソミー重度の成長障害、運動発達遅滞、重度の知的障害
手足の異常、心奇形
胎児期から症状が重く生後1年での生存率は10-30%
13トリソミー成長障害、運動発達遅滞、重度の知的障害、多指
口唇口蓋裂、心疾患
胎児期から多数の合併症、生後1年生存率は5-10%
7トリソミーまれにモザイク出生例あり
8トリソミーごくまれに出生例あり
9トリソミーごくまれに出生例あり
10トリソミーまれにモザイク出生例あり
12トリソミーまれにモザイク出生例あり
14トリソミーまれにモザイク出生例あり
16トリソミーまれにモザイク出生例あり
20トリソミーまれにモザイク出生例あり
22トリソミーごくまれに出生例あり
性染色体ターナー症候群女性のみ。ほとんどが不妊症、卵巣機能不全、低身長
基本的に知的障害はなく疾患と言い難い
トリプルX症候群女性のみ。IQは正常範囲か少し低い、身長が高め
疾患と言い難い
クラインフェルター症候群男性のみ。ほとんどが不妊症、矮小精巣、女性化乳房
比較的高身長、男性不妊の原因の約3%を占める。
XYY症候群男性のみ。高身長、IQが家族と比較して10-15低い
学習障害、発達障害、自閉症のリスクが高い
微小欠失1p36欠失症候群精神発達遅滞、てんかん発作、先天性心疾患
歩行障害、言語障害
脳構造異常など全身の多部位に症状をきたす
4p欠失症候群
(Wolf-Hirschhorn症候群)
成長障害、重度の知的障害、精神発達遅滞
てんかん発作、心疾患
目、耳、脳の異常など全身の多部位に合併症を持つ
5p欠失症候群
(Cri-Du-chat Syndrome,

猫鳴き症候群)
猫のような甲高い啼泣、重度の知的障害
運動発達遅滞、筋緊張低下
小頭症、小顎症、目や耳など合併症は他領域にわたる
15q11.2欠失症候群
(Prader-Willi症候群)
満腹中枢の異常による過食と肥満、低身長
性腺機能不全、知的障害は軽度から中程度、異常行動
15q11.2欠失症候群
(Angelman症候群)
重度の知的障害、重度の言語障害、運動障害 てんかん発作、失調性歩行、容易に誘発される笑い
22q11.2欠失症候群
(DiGeorge症候群)
先天性心疾患、免疫不全、発達遅延
口蓋裂など全身の多部位に症状をきたす

染色体についての基本情報はこちらをご参考にしてください。

トリソミーとモノソミー

トリソミーとモノソミーの違い

染色体数的異常には染色体の数が3本になる「トリソミー」と、1本になる「モノソミー」に大別されます。

「トリソミー」はどの染色体にも起こりますが多くは致命的で流産や死産となるため、常染色体トリソミーで出生できるのは基本的に21トリソミー(ダウン症)、18トリソミー、13トリソミーの3種類のみです。

出生児の中で最も多い染色体異常が21トリソミー(53%)で、続いて18トリソミー(13%)、13トリソミー(5%)の順番で出生頻度が高く、この3種類で全体の7割を占めます。

その他の染色体については、「モザイク」と呼ばれる正常な細胞と異常な細胞の両方をあわせ持つ場合を含めて上記のように稀に出生例がありますが、生児出産の可能性は著しく低下し、ほとんどは妊娠のごく初期に流産となります。

「モノソミー」については、Xモノソミー以外は重症であるため出生まで至りません。

構造異常

染色体の重複(構造異常)

染色体の数は一見正常ですが、一部が欠失していたり、一部に重複が起こっていたり、他の番号の染色体の一部がくっついているなど、構造に何らかの異常がある場合を「構造異常」といいます。

たとえば、さきほどダウン症は「トリソミー」だとご紹介しましたが、その病因にはトリソミー以外にも、21番染色体に他の染色体がくっつくなどして構造異常が起こった「転座型」も存在します。

そのほか、染色体の非常に小さな領域の構造異常がある状態のことを「微小欠失症候群」といいます。

何番目の染色体のどの領域に欠失(や重複)が起こるかによって特徴的な症状は異なりますが、成長障害や発達遅延、学習障害や行動の問題、先天奇形などを伴いやすいのが特徴です。

染色体異常以外の先天性疾患の原因

染色体異常が起こる確率

生まれながらにして持っている病気や障害を「先天性疾患」といい、染色体異常もこれに含まれます。

出生児の3-5%は何らかの先天性疾患をもって生まれてきます。

先天性疾患が起こる原因は大きく以下の4種類に大別されます。

【先天性疾患の原因】

  • 染色体異常
  • 単一遺伝子疾患
  • 多因子性疾患
  • 環境・再奇形因子

単一遺伝子疾患

染色体とDNA
遺伝子とDNA、染色体の関係

一つの遺伝子が変異することで生じる遺伝性疾患を「単一遺伝子疾患」といいます。

染色体は遺伝情報がつまった遺伝子がぐるぐるに折りたたまれてできており、ここには数百~数千の遺伝子があります。

よく染色体と遺伝子の関係は本に例えられます。

染色体が一冊の本だとすると、遺伝子は文章、DNAは文字だと考えることができます。

つまり、染色体異常は本のページが一部分なかったり同じページが2枚ある状態なのに対して、単一遺伝子疾患は文章のおかしい箇所がある、という状態です。

優性遺伝(顕性遺伝)

常染色体優性遺伝形式

優性遺伝病は、両親から受け継いだ対の染色体の遺伝子のどちらか一方が正常であっても、片方に異常があれば発現します。

【優性遺伝病の例】

  • 筋強直性ジストロフィー
  • ハンチントン病
  • 四肢短縮症
  • 先天性白内障
  • 軟骨無形成症

なお、この「優性」というのは遺伝形式を示すものですが、言葉の響きから「優れている」「劣っている」と誤解が生じやすいため、現在では「優性遺伝=顕性遺伝」「劣性遺伝=潜性遺伝」と表現することが推奨されています。1)

1)優性遺伝と劣性遺伝に代わる推奨用語について(結果報告)/日本医学会

劣性遺伝(潜性遺伝)

常染色体劣性遺伝形式

劣性遺伝病は、両親から受け継いだ対の染色体の遺伝子の両方に異常がある場合にのみ発現します。

劣性形質の異常がある遺伝子を一つだけ持つ人は発症せず、保因者(キャリア)と呼ばれます。

保因者は自身に症状はなくても次世代に遺伝する可能性がありますので、遺伝カウンセリングなどで相談するのが望ましいでしょう。

【劣性遺伝病の例】

  • フェニルケトン尿症
  • 全色覚異常(全色盲)
  • 鎌状赤血球症
  • 脊髄性筋萎縮症

X連鎖遺伝

X連鎖性劣性遺伝形式

X連鎖遺伝病は、性染色体であるX染色体上の遺伝子の変異によって受け継がれます。

ヒトの性別は「XX」で女性、「XY」で男性となります。

X連鎖遺伝病は基本的に男性にのみ発現します。

なぜなら男性はX染色体を1本しか持っていないため、変異遺伝子を持つX染色体を受け継ぐと、健康な遺伝子でその効果を打ち消すことができないからです。

女性が変異したX染色体を持っていても、もう1本の正常なX染色体があるため(2本とも異常がある場合を除いて)、病気の症状が現れにくい、または軽度であることが多いです。

なおX連鎖遺伝には、父親が罹患者である場合、母親がキャリアである場合、父親が罹患者で母親もキャリアである場合などいくつかのパターンがあります。

【X連鎖遺伝病の例】

  • 血友病
  • 筋ジストロフィー(デュシェンヌ型)
  • 先天性腎性尿崩症
  • 家族性くる病
  • 赤緑色覚異常

多因子性疾患

複数の遺伝子の異常と環境要因が相互に作用しあって発症する疾患を「多因子性疾患」と呼びます。

【多因子性疾患の例】

  • 精神分裂症
  • てんかん
  • 心疾患
  • 糖尿病
  • 高血圧

これらの病気は、一つの遺伝子の変異によって引き起こされる単一遺伝性疾患や、特定の染色体異常による疾患とは異なり、遺伝的要因と環境要因が複合的に作用しあって発症するため、原因の特定は困難とされています。

たとえば、2型糖尿病は生活習慣に加え、複数の遺伝的要因が絡み合って発症することが知られています。

環境・催奇形因子

大気汚染、先天性疾患の原因の一つ

妊娠中に母体を通じて胎児に影響を与え、先天性疾患を引き起こす可能性のある物質や要因として「環境因子」「催奇形因子」があります。

【先天性疾患の原因となる環境因子や催奇形因子の例】

  • タバコ
  • アルコール
  • 大気汚染
  • 水質汚染
  • 農薬
  • 放射線
  • ウイルス
  • 薬物

妊娠中の喫煙は、多指症、無指症、小頭症などの先天奇形の増加や、ADHDなどの発達障害のリスクが高くなります。

飲酒により胎児性アルコール症候群になると、顔に異常が見られたり、発達障害や行動障害のリスクが高くなります。

風疹ウイルスやトキソプラズマなどの感染症も胎児に影響を与える可能性があります。

薬害事件として有名なサリドマイドは、手足や耳などに奇形を起こす催奇形性があったことで問題となりました。

まとめ

ヒトの遺伝子の変異イメージ

染色体異常にはたくさんの種類があり、主に染色体の数に異常がある「数的異常」と、染色体の形に異常がある「構造異常」に分類されます。

染色体はヒトを作る設計図の役割をしており、その設計図のどこに、つまり何番目の染色体のどの領域に異常があるかによって、身体的機能や発達などにどのような影響があるのかが分かってきています。

NIPT Japanで調べることができる染色体異常についてはこちらをご参考にしてください。


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