クラインフェルター症候群(47,XXY)とは?特徴や原因、治療法について解説

クラインフェルター症候群
Klinefelter’s syndrome karyotype, Nondisjunction of sex chromosomes, XXY

クラインフェルター症候群(47,XXY)は、男性に起こる性染色体異常です。
認知度は低く、聞き慣れない病気ですが、比較的予後が良いために一般の人々と同じように社会生活を送ることができます。
今回は、クラインフェルター症候群の特徴や原因、検査方法、治療法などと併せて、予後についてもお伝えします。

クラインフェルター症候群(47,XXY)とは

クラインフェルター症候群は、性染色体の数の異常によって男性に起こる先天異常です。
生まれてくる男児の500人に1人の割合で発生するとされ、性染色体であるX染色体を普通の男性より多く持って生まれてきます。
生まれた後もクラインフェルター症候群だと気づかずに、通常の社会生活を送っている方も多くいます。

余分なX染色体の数が増えるほど知的障害と奇形の重症度が高くなりますが、症状には個人差があります。
不妊の原因になる可能性もあるので、将来的に子どもを望む場合には、検査や治療を受けることも考えられます。

クラインフェルター症候群の特徴

クラインフェルター症候群の特徴

クラインフェルター症候群の特徴は、主に以下の3つの特徴があります。

  • 平均身長よりも背が高い
  • 筋肉の緊張が弱い
  • 生殖能力の低下

クラインフェルター症候群の患者は、高身長であり、特に手足が長い傾向があります。
また、股関節部分の幅が広いこともあります。
そのほかは目立った身体的特徴はありません。

思春期は一般の人と同じ時期に訪れますが、精巣は成長しません。
そのため男性不妊の原因となります。
また、ひげの成長がまばらになることもあり、女性のように胸が少し膨らむことがあります。
また、ほかの男性に比べ、糖尿病や慢性肺疾患、静脈瘤、甲状腺機能低下症、乳がんなどを発症しやすいこともわかっています。

知能の発育は正常またはやや低めです。
話すことと読むことに障害がある場合が多く、計画を立てることが難しい場合もあります。
また、言語能力にも問題がみられ、洞察力や判断能力が低いために、トラブルに発展する事例も報告されています。

クラインフェルター症候群の原因

クラインフェルター症候群の原因は、性染色体であるX染色体を多く持って生まれてくることです。
中にはX染色体を3~5つほど多く持っているケースもあります。
過剰なX染色体は60%の症例で母親由来によるものです。
これは加齢などにより卵子が老化することで、対になっている性染色体がうまく分離しないことが原因です。

また残りの40%は父親の性染色体の分離が不十分であること、男性由来のX染色体が過剰になる、受精卵の細胞分裂の不具合などにより発症することがわかっています。

クラインフェルター症候群の検査方法

エコー検査を受ける女性

出生前診断において、クラインフェルター症候群の検査方法は、大きく分けると「非確定的検査」と「確定的検査」の2つに分けられます。
非確定的検査を実施した後、染色体異常の可能性がある場合のみ、確定的検査を実施するのが一般的です。

非確定的検査には、主に以下の4つがあります。

非確定的検査の検査費用は、検査をする施設によって異なりますが、最も安い超音波(エコー)検査が2万円程度、最も高い新型出生前診断(NIPT)が20万円程度と、幅があります。

それぞれの検査の特徴については、「出生前診断とは」のページをご覧ください。

クラインフェルター症候群の治療法

クラインフェルター症候群の治療法には、テストステロンの補充と、思春期発来直後のカウンセリングがあります。
それぞれを説明します。

テストステロンの補充

テストステロン療法

クラインフェルター症候群の男性には、思春期から男性ホルモンであるテストステロンの補充を行う場合があります。
このホルモンは、骨密度を高めて骨を強くするほか、男性的な見た目を促進することも可能です。
この治療は、行動面と発達面の問題を軽減させるのにも役立ちます。

加えて、乳房のふくらみなどの女性的な体形が気になることで起こる、精神的な負担も改善できる可能性もあります。

思春期発来直後のカウンセリング

クラインフェルター症候群を発症しており、将来パートナーとの間に子どもを希望する場合には、ご自身の生殖能力の温存に関するカウンセリングを受けておく必要があります。
クラインフェルター症候群の患者は年齢が進むと精子形成がなくなる傾向にあるので、精子が作られている思春期の間に精子を採取して保存することで、将来パートナーとの間に子どもを持つ可能性を残すことができます。

さまざまな選択ができるように、専門医のカウンセリングをおすすめします。

クラインフェルター症候群と診断された患者の予後

クラインフェルター症候群と診断された患者の寿命は、一般の男性とほとんど変わりません。
しかし、健康的な男性と比べて、以下の病気にかかりやすいことがわかっています。

糖尿病
インスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖が増えてしまう病気です。

慢性肺疾患
慢性肺疾患は酸素吸入を必要とするような呼吸窮迫症状が28日を超えて続く病気です。

静脈瘤
体の中を流れる静脈の一部にこぶができる病気です。

甲状腺機能低下症
血液中の甲状腺ホルモンが低下している状態で、疲労感やむくみ、体重増加などの症状を伴う病気です。

乳がん
乳がんは男性にも起こる、乳房にできる悪性腫瘍です。

これらの病気を防ぐためには普段から規則正しい生活を送り、ストレスをため過ぎないことが大切です。敵適度な運動を心掛け、睡眠不足にならないように十分に休養を取りましょう。

クラインフェルター症候群と向き合うために

クラインフェルター症候群と向き合うために遺伝カウンセリングがあります。
遺伝カウンセリングは、臨床遺伝専門医や遺伝カウンセラーが遺伝子や遺伝のメカニズムに関する情報提供を行い、今後どのような検査や治療を行えばよいかを中立の立場で相談に乗ってもらえます。

臨床遺伝専門医の認定資格を持つ医師などによるサポートにより、最善策を見出すことが大切です。

遺伝カウンセリングについてはこちらもご参考にしてください。

まとめ

ソファーで幸せそうにお腹をさする夫と妊婦

クラインフェルター症候群は男性に起こる性染色体の異常です。
X染色体の数により重症度が異なるため、病気に気付かずに社会生活を送っている方もいます。
しかし、この病気は男性不妊の原因になることもあるため、パートナーとの子どもを望む場合には、検査を受けた上でテストステロンの補充など治療を受けることをおすすめします。


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