遺伝子疾患について
アンジェルマン症候群とは、多くの遺伝情報が詰まった染色体の異常によって起こる先天性の疾患です。
アンジェルマン症候群は、15番染色体に存在する、「UBE3A」という遺伝子の働きが失われることで発症します。
重度の精神遅滞を中心とする中枢神経機能障害が主な症状です。
詳しくは、当社のコラム
「アンジェルマン症候群とは?特徴や原因、治療法について解説」
をご参照ください。
4p欠失症候群は、4番染色体が欠けることで起こる染色体異常です。
4p欠失症候群のほとんどの個人は、ある程度の発達と知的遅延を有しており、軽度から重度の影響を受けています。
その他の考えられる健康上の懸念には、難聴、心臓、目、脳、骨格、尿路系の異常、および発作(一般的には年齢とともに消えます)が含まれます。
コラム「4pマイナス症候群の特徴と原因【染色体異常】」もご参考にしてください。
5p欠失症候群は染色体異常によって起こる小児慢性特定疾病の一つです。
猫のような甲高い泣き声をすることが特徴の一つで、以前は猫鳴き症候群とも呼ばれていました。
小頭症や小顎症など顔周辺に起こる異常のほか、重度の精神運動発達の遅れが主な症状です。
出生頻度は約1.5万~5万人に1人の確率だとされています。
重篤な心疾患などがあると約10%は乳児期に亡くなりますが、生命予後は良好です。
詳しくはコラム「5p欠失症候群とは?特徴と原因について」をご参考にしてください。
プラダー・ウィリー症候群は、15q11-q13の父性染色体微細欠失もしくは、15番染色体母性片親性ダイソミーによって起こる染色体異常です。
食欲中枢の異常により食欲が抑制されず、食べ続けてしまうという症状が見られます。
プラダー・ウィリー症候群は、重度の運動発達遅滞 や精神遅滞 、重度の言語 障害などを特徴とします。小頭症や痙攣発作も多い。
生後6か月頃に発育遅滞を初めて認められ、プラダー・ウィリー症候群に特有の臨床的徴候は1歳すぎるまで顕在化せず、正確な臨床診断に至るまでに数年を要することもあります。
コラム「プラダーウィリー症候群とは?特徴と治療法について」もご参考にしてください。
1番染色体の非常に小さな領域が欠失することで起こる染色体異常です。
精神発達遅滞/知的障害、難治性てんかん、言語障害、歩行障害、成長障害など多くの症状を引き起こす指定難病です。
まっすぐな眉、落ちくぼんだ眼、両目の間隔が狭い、尖った顎などの特徴的な顔立ちはほぼすべての患者に認められます。
症状の程度は個人差が大きく、比較的自立して生活できる人がいれば、一生涯サポートが必要な人もいます。
コラム「1p36欠失症候群の特徴と原因【染色体異常】」もご参考にしてください。
ディジョージ症候群(DiGeorge症候群)は22q11.2欠失症候群とも呼ばれ、小児慢性特定疾病に指定されている難病です。
先天性心疾患、免疫不全、発達遅延、口蓋裂、低カルシウム血症など、全身の多部位に症状をきたしうる複合疾患です。
ディジョージ症候群の死因の9割は心疾患によるものです。
コラム「ディジョージ症候群の特徴と原因【染色体異常】」もご参考にしてください。
XYY症候群は男性にのみ起こる染色体異常で、出生男児の約1,000人に1人の頻度だとされています。
身長が高い傾向にあり、特徴としては軽度の行動障害や学習障害のリスクが高いですが、臓器や生殖器を含む身体的問題はなく、ほとんどのXYY症候群の人は診断されていないと言われています。
詳しくはコラム「XYY症候群(ヤコブ症候群)とは?症状や特徴について解説」をご参考にしてください。
クラインフェルター症候群は男性に起こる性染色体異常の一つで、男性不妊の原因の約3%に当たります。
矮小精巣、女性化乳房、高身長、ほとんどは不妊症であるということが特徴です。
高齢出産により出生頻度が高くなります。
クラインフェルター症候群は出生男児の約500~1,000人に1人だとされていますが、診断されていないケースが相当数あると考えられており、実際はもっと多いと推測されています。
詳しくはコラム「クラインフェルター症候群の特徴と合併症」をご参考にしてください。
トリプルX症候群は染色体異常の一種で、男女の性別決定にかかわる性染色体であるX染色体の過剰によって起こります。
女性特有の疾患でIQは正常範囲か一般より少し低い程度で、平均よりも高身長なこと以外は特徴的な所見はありません。
トリプルX症候群は出生女児の約1,000人に1人の頻度だとされていますが、特徴的な所見はほとんどないため大半は診断されておらず、実際はもっと多いと推測されています。
詳しくはコラム「トリプルX症候群(トリソミーX)とは?特徴や症状についても解説!」をご参考にしてください。
ターナー症候群は染色体異常の一種で、男女の性別決定にかかわる性染色体であるX染色体の異常によって起こります。
女性特有の疾患で基本的に知的障害はなく、身長が低いこと、卵巣が機能しにくいこと、ほとんどは不妊症であるということ以外は一般の人と変わらず、多くの人は進学や就職をして普通に生活しています。
ターナー症候群は出生女児の約2,500人に1人の頻度でみられます。
詳しくはコラム「女性におこるターナー症候群とは?」をご参考にしてください。