ターナー症候群(モノソミーX)とは?症状別の治療法について解説!

ターナー症候群
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ターナー症候群(モノソミーX)を聞いたことがありますか?
もし生まれてくる赤ちゃんがターナー症候群だった場合、どのような症状が出るのかなど、不安になるでしょう。
ターナー症候群の症状には個人差がありますが、適切に治療を行えば生命を脅かすような重篤な症状があるわけではありません。
今回は、ターナー症候群とはどのようなものか、症状とその治療法について解説していきます。

ターナー症候群(モノソミーX)とは

Turner syndrome karyotype

ターナー症候群(モノソミーX)とは、一部またはすべての細胞の2番目のX染色体が、部分的または完全に欠失した状態で生まれてくる性染色体異常です。
染色体の欠失により、低身長や首の後ろの皮膚のたるみ、学習障害などが見られることもあります。
また、卵巣の働きにも影響が出る可能性もあります。
さらに、心臓や腎臓の問題や自己免疫疾患、視力と聴力の喪失などさまざまな健康上の問題を抱えている可能性が高くなります。

ターナー症候群の人は、正常な知能レベルを持っていますが、特定の学習障害や発話などの言語遅延が起きることもあります。
これらの症状の出方には個人差があり、健康と発達の問題が深刻な場合もあれば、ほとんどわからない場合もあります。

ターナー症候群は、米国においては出生女児の約2,500人に1人の確率で発生しています。
しかし、この性染色体異常は受胎した時点では、はるかに高い確率で発生しており、そのような妊娠の99%が自然流産となっています。

染色体についてはコラム「染色体とは?基本から解説!」をご覧ください。

ターナー症候群の症状

低身長

ターナー症候群の女児には主に以下の6つの症状があります。

  • 低身長
  • 性腺異形成
  • 奇形徴候
  • 外性器異常
  • 自己免疫疾患
  • 知能障がい

ターナー症候群の症状の一部は出生時から明らかですが、症状によっては学齢期まで明らかにならないものもあります。
新生児にリンパ浮腫などがみられた場合はターナー症候群が疑われます。
一方、青年期に入っても低身長のままで、思春期の遅れがみられる場合にも、ターナー症候群が疑われる場合があります。

では、主な6つの症状について詳しく見ていきましょう。

低身長

正常な染色体型を持つ女児の出生時の平均身長は約49cm。
これに対して、ターナー症候群の女児の場合の出生時平均身長は約47cmであり、正常な染色体型を持つ女児と比較すると約2cmの差があります。

そして、多くのターナー症候群の女児は、その後の身長の伸びが小さく、3歳頃になると低身長が目立ち始めます。
思春期における身長の伸びも小さく、治療を行わなかった場合、成人した時の身長は約138cm前後と報告されています。

性腺異形成

性腺異形成の原因は、卵母細胞が通常より早く死滅することによるものです。
これを卵胞形成不全と言います。
思春期前に卵母細胞がすべて死滅した場合は、満18歳までに初経が来ない原発性無月経となります。
思春期を過ぎて40歳前にすべて死滅した場合は、最終月経から3か月以上月経が来ない続発性無月経となります。

ターナー症候群の約20%で、続発性無月経が確認されています。
結果としては不妊症になりますが、まれに妊娠・分娩した人もいます。

奇形徴候

腕の箇所で肘が外側に湾曲している外反肘や第4中手骨短縮などの骨格徴候、首の後ろの皮膚にたるみがある翼状頚や手足がむくむリンパ浮腫などの軟部組織での奇形徴候がみられます。
また、左右にある腎臓が一つになっている馬蹄腎や、大動脈の一部が狭くなった状態である大動脈縮窄などの内臓奇形もみられることがあります。

外性器異常

性腺の一部が精巣に変化し、外性器の男性化が起こることがあります。
これは、性染色体(X染色体)に基づき、卵巣が発育し、女性に特長的な外性器(身体の外側の性器)が作られるステップにおいて、トラブルが生じるため引き起こされるものです。

外性器の男性化においては、男性に近い型から女性に近い型まで、さまざまなタイプがみられます。

自己免疫疾患

ターナー症候群の人は、自己免疫疾患の発症率が増加します。
自己免疫疾患にはさまざまなものがありますが、特に多く見られるのはバセドウ病や関節リウマチ、1型糖尿病、橋本甲状腺炎、全身性エリテマトーデスなどです。

症状は、自己免疫疾患の種類などによって異なります。
例えば、関節リウマチの場合は、関節が腫れ、痛みが出て、関節が壊されていきます。

知能障がい

一般的には、ターナー症候群の人の知能レベルは正常であることがほとんどです。
しかし、一部の患者は、知能障がいを伴っています。
目で見た物の位置や向きを認識することが難しい患者や、算数が苦手な患者もいます。
体育が苦手なケースもありますが、これは個人差が大きく出ます。

また、言葉を理解したり、考えていることをうまく言葉に表現したりすることが苦手な患者もいます。
そのため、やや内向的性格も見られますが、これも個人差が大きく、性格はそれぞれです。

ターナー症候群の原因

ターナー症候群が発生するほとんどの場合は、両親から染色体が受け継がれる途中で偶発的に起こることが原因と考えられています。
多くの場合に両親の染色体に数や構造上の異常はありません。

最も多いのが、X染色体が1本ない場合です。
また、X染色体が2本あっても、1本の一部が欠けていたり、輪になっていたりすることもあります。
これらのほとんどが突然変異によるものです。

染色体についてはコラム「染色体とは?基本から解説!」をご覧ください。

ターナー症候群の検査方法

woman getting ultrasound diagnostic from doctor

ターナー症候群の出生前診断(検査方法)は大きく分けると「非確定的検査」と「確定的検査」の2つに分けられます。
非確定的検査を実施した後、染色体異常の可能性がある場合のみ、確定的検査を実施するのが一般的です。

非確定的検査には、以下の4つがあります。

  • 母体血清マーカー検査
  • コンバインド検査
  • 新型出生前診断(NIPT)
  • 超音波(エコー)検査

検査費用は検査をする施設によって異なりますが、最も安い超音波(エコー)検査が2万円程度、最も高い新型出生前診断(NIPT)が20万円程度と、幅があります。

それぞれの検査の特徴については、「出生前診断の種類」をご覧ください。

ターナー症候群の治療法

ターナー症候群の根治的な治療法はありませんが、ターナー症候群によって生じる症状や異常の一部は治療が可能です。
人によって状態が異なるため、治療法も変化します。
例えば、低身長の場合は、成長ホルモンの投与が有効です。
また、外性器異常の場合は、乳児期に外陰部形成術を行います。

このように、症状によって、薬剤の投与が必要なこともあれば、手術が必要なこともあり、治療法が大きく異なります。

では、主な6つの治療法について、詳しく見ていきましょう。

低身長の場合

低身長の場合には成長ホルモンの投与による治療が有効です。
まずは、低身長治療が可能かどうかの検査として、血液検査と手首の骨のレントゲン撮影による骨年齢の測定を実施します。
成長ホルモンの分泌が定められた基準を満たしていれば、成長ホルモンの投与を行います。

無治療の場合の成人平均身長は約138cmであるのに対し、成長ホルモンの投与を行った患者の平均身長は約147cmという結果が出ています。

性腺異形成の場合

性腺異形成に対しては、女性ホルモンの投与を行います。
10歳以降14歳までに開始し、段階的に投与量を増やしていきます。
2種類の薬の投与により、思春期以降の年齢になると、正常の染色体型の女性と同様に月1回の定期的な月経を導く治療が一般的です。

奇形徴候の場合

奇形の種類によって治療法が異なります。

外反肘の場合、手術を行い、肘にある神経が周辺の骨に圧迫されないようにします。
リンパ浮腫の場合、マッサージやサポート靴下などでケアします。
馬蹄腎の場合、無症状であれば経過を観察します。
合併症が頻発したり、症状が出たりする場合には、手術を行います。
手術では、一つになっている腎臓を切り離す頬部離断術や尿の通り道を修復する腎盂形成術が実施されます。
大動脈縮窄に対しては、通常外科的な修復が行われます。

外性器異常の場合

外性器異常がある場合、まず社会的に女児として生活していくかどうかを決めなければなりません。
女児として養育していく場合には、乳児期に陰茎短縮などの外陰部形成術を行います。
男児として養育する場合もあるため、まずは主治医に相談した上で、あなたとパートナーで子どもが社会で生活するためのより良い選択をしてください。

自己免疫疾患の場合

自己免疫疾患にはさまざまなものがあり、発症した疾患に応じた治療が必要となります。
ここでは、特に多くみられるバセドウ病と関節リウマチの治療法について説明します。

バセドウ病

治療には、薬物治療、アイソトープ(放射線ヨウ素)治療、手術の3つがあります。
まずは、薬物治療から開始することが多く、その後症状などに応じてほかの治療も検討します。

関節リウマチ

症状の進行によって、治療法が異なってきます。
関節の腫れや痛みを抑えるためには薬物療法を行います。
また、関節の可動域を広げ、血流を良くして、痛みやこわばりをとるために運動療法などのリハビリテーションも行います。
症状が悪化した場合は、破壊された関節を人工関節に置き換える手術が行われます。

知能障がいの場合

知能障害を直す根治的な治療法はないため、基本的には言語療法や感覚統合療法などの療育が中心になります。
症状には個人差があるため、それぞれの症状に合った療育が必要不可欠です。

療育の目的は、社会で自立した生活を送ることです。
そのために、コミュニケーション能力などの社会性を身に付けたり、言葉を学んで学習能力の向上を図ったりします。

知能障害に対しては、早期からのサポートが重要になりますが、さまざまな情報を得る場として、ターナー症候群の患者・家族の会などを活用するのも一つの手段でしょう。

ターナー症候群(モノソミーX)と向き合うために

妊婦とお腹に手を添える夫

出生前診断で赤ちゃんがターナー症候群(モノソミーX)だとわかった場合、あなたとパートナーは少なからず不安を抱くことと思います。
そのような時に、疾患と向き合う手段として遺伝カウンセリングが有効です。

遺伝カウンセリングとは、遺伝に関する悩みや不安を抱えた人を対象に、遺伝学の知識を持つ専門の医師などが科学的根拠を基に、正しい情報を伝え、疾患などに対する理解を深めるお手伝いをします。
その上で、十分に話を聞き、専門的な知識を活用して、問題解決のためにサポートします。

例えば、
・子どもがターナー症候群と診断されたが、家族にこのような疾患の人がいないのになぜ?
・ターナー症候群の赤ちゃんの予後が心配
などのさまざまな疑問に専門家が対応します。

遺伝学の専門家に話を聞き、理解することももちろん大切ですが、最も重要なことは、あなたとパートナーが、まずはしっかりと話し合うことです。

NIPT Japanでは、臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングを実施しています。
赤ちゃんがターナー症候群と診断された場合の相談はもちろんですが、新型出生前診断(NIPT)を受ける前にも遺伝カウンセリングを受けることをおすすめします。

遺伝カウンセリングについてはこちらもご参考にしてください。

まとめ

ターナー症候群の女児は、低身長や奇形などの健康上の問題を抱える可能性が高くあります。
生まれてくる赤ちゃんが、もしターナー症候群だったら…と心配な方も多いでしょう。
新型出生前診断(NIPT)を受ける前に、結果をどのように受け止め、その後どう行動するのかをあなたとパートナーで話し合うことが大切です。
その上で、遺伝カウンセリングを受け、専門家の意見も参考にしてください。


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先輩ママ100人の「出生前診断」で体験談を小冊子にしました。
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この小冊子が、出生前診断を受けるかどうかの参考になれば幸いです。
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