双子妊娠の確率やリスクは?一卵性と二卵性でリスクに違いはある?

双子の赤ちゃん

妊娠が分かっただけでも嬉しいのに、それが双子だとしたら、喜びも幸せも2倍に感じますよね。お揃いの服を着せたり、同じポーズで写真を撮ったり……そんな楽しみを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

その一方で、「妊娠中はどれくらい大変なのか」「リスクは高いのか」と不安になることもあると思います。

この記事では、双子妊娠の膜性の違いや妊娠中に起こりやすいトラブル、双子が産まれる確率など、双子妊娠に関するさまざまな疑問をわかりやすく解説します。

双子を妊娠したときに、まず知っておきたいポイントをまとめています。不安を少しでも減らしながら、出産準備を進める参考にしてくださいね。

一卵性と二卵性の違い

一卵性双生児と二卵性性双生児の違い

一卵性と二卵性の違いは、「受精卵が1つか、2つか」にあります。

主な違いを比較表にまとめました。

項目一卵性双生児二卵性双生児
受精の仕組み1つの卵子と1つの精子が受精し、後から2つに分裂2つの卵子に、それぞれ別の精子が受精
遺伝子ほぼ100%同じ約50%同じ(普通の兄弟と同じ)
性別・血液型原則として一致する異なる場合も多い
顔立ち・容姿非常によく似ている似ないこともある
胎盤1つを共有する場合が多い2つある(独立している)
妊娠中のリスク特有の合併症がある(TTTSなど)一卵性に比べるとやや少ない傾向

なぜ双子になるのか?

一卵性双生児

一卵性になる理由:1つの受精卵が分裂したから(原因はほぼ偶然)

1つの受精卵が、細胞分裂の初期段階(受精後数日〜10日程度)で偶然2つに分裂することで一卵性になります。原因は完全には解明されておらず、遺伝や人種、年齢などは関係なく、誰にでも起こりうるとされています。

二卵性になる理由:2つ排卵されたから(体質や条件が関係)

通常、排卵は1回の周期に1つですが、何らかの理由で2つの卵子が同時に排卵され、それぞれ別の精子と受精することで二卵性双生児になります。

二卵性になる主な要因は以下の通りです。

  • 遺伝:母方の家系に双子が多い
  • 年齢:30代後半にかけて排卵数が増えることがある
  • 出産回数:経産婦さんはやや確率が上がる
  • 不妊治療:排卵誘発剤などの影響(※詳細はFAQ「不妊治療と双子の関係」へ)

双子の膜性による分類(妊娠管理に重要)

双子の種類(膜性による分類)

双子妊娠では「膜性(まくせい)」という分類がとても重要になります。1)

これは赤ちゃんが入る袋(羊膜)や胎盤を共有しているかどうかを示すものです。同じ双子でも膜性によって妊娠中の管理方法やリスクが変わってきます。

【双子の膜性の種類】

膜性の種類胎盤羊膜
(袋)
主なタイプ特徴
二絨毛膜二羊膜
(DD)
2つ2つ主に二卵性(一卵性のうち約25%)最も一般的で比較的リスクが低い
一絨毛膜二羊膜
(MD)
1つ2つ一卵性(一卵性のうち約75%)血流の影響を受けることがある(TTTSに注意)
一絨毛膜一羊膜
(MM)
1つ1つ一卵性(一卵性のうち約1%)へその緒が絡まるリスクがあり慎重な管理が必要

名前は少し難しく感じますが、「共有しているものが多いほど注意が必要」と考えるとイメージしやすいでしょう。

膜性によるリスクの違い

双子の膜性によるリスクの違い

胎盤と羊膜は、妊娠中のリスクに大きく関わります。まずは、それぞれの役割をイメージするとわかりやすいかもしれません。

胎盤:赤ちゃんに酸素や栄養を送る「命のパイプ」

胎盤を共有している場合、血管がつながることで血流バランスが崩れやすくなります。こうした特徴が、一絨毛膜双胎特有の合併症につながることがあります。

つまり、胎盤が1つのMD・MMでは、栄養ルートの取り合いが起こりやすい状態です。

羊膜(袋):赤ちゃんを包んで守る「お部屋」

同じ袋の中で過ごす場合、赤ちゃん同士の距離がとても近くなります。そのため、へその緒が絡まる、動きが制限されるといったリスクがでてきます。

羊膜が1つのMMでは、同じ空間に2人いることで、物理的なトラブルが起こりやすくなります。

双子が生まれる確率

二卵性双生児

日本で双子が産まれる確率は、出産全体の1%程度とされています。

2024年の人口動態調査では、分娩総件数が692,510件のうち、双子の分娩は8,758件でした2)。割合にすると、双子が生まれる確率は約1.3%になります。

【単産-複産別にみた分娩件数(2024年)】

単産-複産別にみた分娩件数(2024年)
*分娩件数とは出産(出生及び死産)をした母の総数である。
*総数には死産の単産、複産の別不詳を含む。
【参照元】
人口動態調査 / 人口動態統計 確定数 出生 / e-stat

一卵性双生児:全体の約0.3~0.4%3)

偶然起こるため、世界的に見ても発生率はほぼ一定です。

二卵性双生児:全体の約0.6~1%4)

遺伝が関係するため、人種にや地域よって傾向が異なります。アフリカ系では比較的多く、アジア系では少ない傾向があり、日本も少ないです。また、母親の年齢や出産経験なども影響します。

双子妊娠はいつわかる?

双子妊娠がわかる時期は、基本的に単胎妊娠と大きく変わりません

双子に限らず、妊娠は超音波検査によって以下の時期に確認されます。

  • 妊娠5〜6週ごろ:胎嚢(赤ちゃんが入っている袋)の確認
    • この時期に胎嚢が2つ確認できると双子の可能性が高い。ただし胎嚢が1つでも双子のことはある
  • 妊娠6〜7週ごろ:心拍の確認
    • 心拍が2つ確認されると双子妊娠と診断される

また、妊娠検査薬が早い時期から反応したり、判定ラインが濃く出る場合もあります。

単胎妊娠との妊娠初期症状の違い(傾向)

双子妊娠では、妊娠を維持するホルモン(hCG)の分泌量が多いため、つわりが重くなりやすいとされています。

吐き気や嘔吐が強く出たり、症状が長引いたりするケースもあります。強い眠気やだるさを感じやすい方もいます。

ただし、つわりには個人差が大きいためあくまでも傾向です。症状だけで双子かどうかを判断することはできません。

双子妊娠リスク

双子妊娠のイメージ

双子妊娠では、お母さんの体への負担が2倍以上になり、赤ちゃんも早く生まれやすくなります。

特に重要なポイントを3つに分けて整理します。

「早産」になりやすい

お腹が大きくなるスピードが早いため、予定日より数週間〜数ヶ月早く生まれるリスクが高くなります。

早産(37週未満)

厚生労働省の人口動態統計をもとにした集計では、単胎妊娠の早産率が約5%であるのに対し、双子を含む多胎妊娠では約半数が早産で産まれています。

低出生体重

早産に伴い、2,500g未満で生まれる割合も高くなります。

2019年の厚生労働省によるデータでは、単産で8.1%だったのに対し、双子を含む複産では71.4%にのぼっています。5)

体が未熟な状態で産まれるため、NICU(新生児集中治療室)でのケアが必要になることもあります。

周産期死亡

早産による合併症などが原因で、出産前後に命を落とすリスクは単胎児より高くなります。

2024年のデータでは、双子出産でどちらか、または両方が亡くなる割合は5.38%で、全体の死産率(1.97%)より高いことが示されています2)

お母さんの合併症が増える

妊娠末期では、お母さんの循環血液量は妊娠前の約1.5倍に増え6)、大きくなった子宮が血管や臓器を圧迫することで、さまざまな合併症が起こりやすくなります。

妊娠高血圧症候群

初期は自覚症状がないこともありますが、高血圧が続くと頭痛や耳鳴りのほか、けいれん発作、肝機能や腎機能の障害につながる可能性があります。

血栓症・浮腫・静脈瘤

子宮が大きくなることで血流が滞りやすくなり、むくみや静脈瘤、血栓症のリスクが高まります。

赤ちゃんの発育のトラブルが増える

限られたスペースや栄養を2人で分け合うため、成長に差が出たり、双子特有のトラブルが起こったりしやすくなります。

胎児発育不全(FGR)

栄養が十分に行き渡らず、在胎週数に対して発育が遅れやすくなります。

双胎間輸血症候群(TTTS)

胎盤を共有する一絨毛膜双胎で、血液が片方の赤ちゃんに偏ることで起こります。

血流が多い側では心不全や羊水過多、胎児水腫などが起こりやすく、少ない側では発育不全や羊水過少などがみられます。

一絨毛膜二羊膜双胎(MD)のおよそ10~15%に起こるとされ7)、重症例では胎児死亡につながる可能性があるため、早期発見と適切な管理が重要です。

バニシングツイン

双子のうち一方の発育が妊娠初期に止まり、自然に吸収される現象です。

双胎妊娠の約15〜36%8)でみられ、多くの場合、残された赤ちゃんはそのまま順調に成長します。

先天異常

単胎児よりも発生頻度が高くなるのは、主に「体の形に関する異常(形態異常)」で、特に一卵性双生児においてそのリスクが高まる傾向にあります。

具体的には、心臓奇形、神経管閉鎖障害、消化器系の異常、口唇口蓋裂、四肢異常、泌尿器異常などです。

単胎の場合、先天異常は3~5%の頻度でおこりますが、双胎ではその2倍ともいわれています9)

なお、染色体異常の発生頻度は単胎児と変わりません。

双子妊娠で起こりやすい体の変化と生活上の負担

双子妊娠では、お母さんの体にかかる負荷がより急激で大きくなります。

お腹が大きくなるスピードも早く、体力的にも精神的にも余裕がなくなると感じる方もいます。また、健診回数や安静指示が増えることで、仕事や家事との両立に悩む場面も出てくるかもしません。

身体的負担の増加

双子妊娠ではお腹が急速に大きくなるため、日常生活での動きづらさや身体的負担を感じやすくなります。

動作の制限

妊娠中期(6ヶ月頃)には単胎の臨月並みになるため、靴下を履く、階段を上る、寝返りを打つといった動作が大変になります。

腰痛・関節痛

急激な体重増加や重心の変化によって、腰や股関節、恥骨への負担が強くなります。

息切れ・圧迫感

大きくなった子宮が肺や胃を圧迫するため、少し動くだけで息切れしたり、一度にたくさん食べられなくなったりします。

マイナートラブルの増加

2人分の妊娠を維持することで起こる、生理的な不調です。

深刻な貧血・むくみ

血液量が単胎の約1.5倍に増えるため、鉄分不足による立ちくらみや、足がパンパンに腫れるほどのむくみが出やすくなります。

睡眠不足

頻尿やお腹の重みによる寝苦しさから、熟睡しづらくなることがあります。

健診頻度の増加

リスクを早期に見つけるため、単胎妊娠より健診回数が多くなります。

赤ちゃんそれぞれの発育や羊水量、母体の状態を細かく確認する必要があり、妊娠中期以降は2週間ごと、場合によってはそれ以上の頻度で通院することもあります。

負担に感じることもありますが、その分しっかり見守られている安心感にもつながります。

早めの産休・管理入院の可能性

双子妊娠では早産リスクが高いため、母子の安全を優先して、早めの休養や入院管理が必要になる場合があります。

産休の早期開始

法律上、双子以上の場合は「出産予定日の14週間前」から産前休業を取得できます。単胎の6週間前よりかなり早く、仕事を休む必要があります。

管理入院

異常がなくても、早産予防や24時間のモニター管理を目的に、数週間〜1ヶ月以上入院するケースがあります。

双子の出産

双子の分娩方法には、「帝王切開」と「経膣分娩(自然分娩)」があります。

現在は母子の安全を優先し、双子出産の約70%が帝王切開です10)

どちらになるかは、赤ちゃんの向きや病院の方針などによって決まります。

帝王切開になる主なケース

双子では、リスク管理のためにあらかじめ手術日を決める「予定帝王切開」が一般的です。

  • 赤ちゃんの向き(逆子):1人目(出口側)が逆子の場合、ほぼ帝王切開になります。
  • 膜性の違い:胎盤や部屋を共有しているタイプ(特にMM双胎)は、へその緒が絡まる危険があるため帝王切開が推奨されます。
  • 合併症のリスク:妊娠高血圧症候群や、2人の体重差が大きい場合など
  • 前回の出産:以前に帝王切開を経験している場合

経膣分娩(自然分娩)が検討できる条件

病院の体制が整っている場合は、以下の条件を満たすことで経膣分娩が検討されることもあります。

  • 2人とも頭位(頭が下)であること(特に1人目が頭位であることが重要)
  • 母子ともに合併症がなく、赤ちゃんが十分に育っていること。
  • 緊急時にすぐ帝王切開へ切り替えられる医療体制があること

なお、1人目は自然分娩で生まれても、2人目の向きが変わったり、胎盤が先に剥がれたりして、2人目のみ緊急帝王切開になる「混合分娩」となる可能性もあります。

双子出産の費用

出産費用について考える夫婦

双子の出産費用は、単純計算では単胎の約1.5〜2倍かかるのが一般的です。ただし、受け取れる給付も多くなります。

双子の出産では、帝王切開や管理入院には健康保険が適用され、自己負担は3割になります。

また、出産育児一時金として100万円(50万円×2人分)が支給されるため、これで分娩費用の大部分がカバーできます。

そのため、加入している保険や出産方法によっては、自己負担額が単胎妊娠よりも安くなる場合もあります。

【単胎と双子出産の実質負担費用比較】

項目単胎児(正常分娩)双子(経膣分娩)双子(帝王切開)
窓口での総額目安約50万〜60万円約70万〜90万円約90万〜120万円
出産育児一時金+50万円 +100万円 +100万円
健康保険の適用原則なし(全額自己負担)一部あり(3割負担)あり(3割負担)
高額療養費制度対象外対象になることが多い対象(上限あり)
民間医療保険対象外基本対象外対象(給付金あり)
実質的な自己負担0〜10万円プラス~10万円プラス~15万円

出産にかかる費用については、「コラム:妊娠から出産までにかかる費用って?」もご参考にしてください。

双子の妊娠に関するよくある疑問

ここでは双子の妊娠に関するよくある質問をまとめました。

意図的に双子を妊娠できる?

不妊治療で排卵誘発剤を使用した結果、意図せず双子を授かるケースはあります。ただ、自然な状態で、医学的根拠のある確実な方法はありません

一卵性双生児は受精卵が偶然分裂して生まれるため、年齢や体質に関係なく予測や調整は難しいとされています。

二卵性双生児は遺伝や年齢、不妊治療などの影響を受けることがありますが、それでも意図的にコントロールすることはできません。

インターネット上には「双子ができやすい方法」が紹介されていることもありますが、医学的根拠はないため、過度に期待しすぎないことが大切です。

不妊治療と双子の関係

以前は、体外受精で複数の受精卵を戻す「複数胚移植」により、双子妊娠が増えていました。

現在は原則として1つだけ戻す方法が取られています。

一方で、今でも双子妊娠の主な要因として挙げられるのが排卵誘発剤です。狙い通りに1つだけ排卵させることが難しく、結果として複数排卵が起こる場合があります。

2022年の日本産科婦人科学会データでは、不妊治療で妊娠した人のうち約3%が多胎妊娠11)で、自然妊娠の約3倍とされています。

まとめ

笑顔の双子の赤ちゃん

双子妊娠では、胎盤や羊膜をどのように共有しているかを示す「膜性」が、妊娠中のリスクに大きく関わります。共有しているものが多いほど、慎重な管理が必要になります。

また、双子妊娠では早産や低出生体重になりやすく、膜性によっては血流バランスが崩れることで、重い合併症につながることもあります。適切な治療が行われなければ、命に関わるケースもあります。

身体的な負担や生活面での制限も大きくなるため、無理をせず、医師と連携しながら妊娠経過を見守っていくことが大切です。援が受けられることもありますので、詳しくはお住まいの地域の自治体でご相談してみてください。


【参考】

1)日本産科婦人科学会.第71回日本産科婦人科学会学術講演会 一般演題プログラム.http://www.congre.co.jp/jsog2019/dl/program/senkou_2_1.pdf(参照 2026-05-08)

2)政府統計の総合窓口(e-Stat).人口動態調査 人口動態統計 確定数 出生.https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003411625(参照 2026-05-08)

3)聖隷浜松病院.双胎妊娠について.https://www.seirei.or.jp/hamamatsu/media/20190611-172626-2821.pdf(参照 2026-05-08)

4)大阪大学大学院医学系研究科.双子が生まれる確率.https://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/twin/futago_research/probability/(参照 2026-05-08)

5)厚生労働省.平成19年度出生に関する統計の概況.https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/syussyo07/dl/gaikyou.pdf(参照 2026-05-08)

6)日本医科大学多摩永山病院 女性診療科・産科.双胎妊娠の基礎知識.https://nms-obgyn-nagayama.jp/manual_site/sign1_1_4.html(参照 2026-05-08)

7)International Society of Ultrasound in Obstetrics and Gynecology (ISUOG).Twin-to-twin transfusion syndrome.https://www.isuog.org/education/visuog/obstetrics/multiple-pregnancy/twin-twin-transfusion-syndrome.html(参照 2026-05-08)

8)Batsry L, Rottenstreich A.The vanishing twin: Diagnosis and implications.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35450773/(参照 2026-05-08)

9)Dawson AL, Tinker SC, Jamieson DJ, et al..Twinning and major birth defects, National Birth Defects Prevention Study, 1997–2007.https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5299593(参照 2026-05-08)

10)一般社団法人日本多胎支援協会.ふたごナビ.https://jamba.or.jp/wp-renewal/wp-content/uploads/2021/01/futago_navi.pdf(参照 2026-05-08)

11)Katagiri Y, Aoki S, Funabiki M, et al..Assisted reproductive technology in Japan: A summary report for 2022 by the Ethics Committee of the Japan Society of Obstetrics and Gynecology.https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11646354/(参照 2026-05-08)


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