双子が生まれる確率は?双子妊娠によるリスクやバニシングツインについて

双子の赤ちゃん

妊娠が分かっただけでも嬉しいうえに、それが双子だったとしたら喜びも幸せも2倍に感じて、お揃いの服を着させて同じポーズで写真を撮って。。。なんて夢がふくらみますね。

一方で、双子の妊娠のリスクについてはあまり知られていないのではないでしょうか。

妊娠中に双子のうち片方が亡くなり消えたように見える「バニシングツイン」という現象もあり、双子の妊娠では一人の場合と比べてより厳重に管理する必要があります。

双子が生まれる確率はおよそ1%程度ですので、100件の分娩に対して1件は双子が生まれています

なぜ双子になるのでしょうか?

また、意図的に双子を妊娠する方法はあるのでしょうか?

今回は双子に関するさまざまな疑問についてご紹介いたします。

なぜ双子になるのか?

なぜ、いつの段階で双子になるのでしょうか?

二人の赤ちゃんを同時に妊娠した場合を「双胎妊娠(そうたいにんしん)」、三つ子や四つ子なども含めて二人以上を同時に妊娠した場合を「多胎妊娠(たたいにんしん)」といいます。

1人の赤ちゃんを妊娠した場合は「単胎妊娠(たんたいにんしん)」といいます。

双子の場合は受精卵の数によって「一卵性」と「二卵性」に分けられます。

一卵性双生児

一卵性

一卵性とは、一つの卵子と一つの精子が出会い一つの受精卵となったものの、何らかの理由ですぐに二つに分かれたために双子となった状態です。

なぜ受精卵が二つに分かれてしまうのかはっきりとした原因は分かっていません。

「一卵性双生児(いちらんせいそうせいじ)」とは、一卵性で生まれた双子のことをいい、胎児の段階では「一卵性双胎」といいます。

一卵性双生児

もとは一つの受精卵ですので遺伝子情報は同じです。

見た目がそっくりであり、性別や血液型も同じです。

二卵性双生児

二卵性

二卵性とは、二つの卵子と二つの精子がそれぞれ出会い受精卵となり、二つの受精卵から同時に胎児が成長するため双子となった状態です。

排卵では基本的に一つの卵子が排出されますが、何らかの理由で二つの卵子が排出されることがあります。

二つの卵子が同時に排卵される理由としては、不妊治療により排卵誘発剤を用いた場合やママがそういう体質だった場合、ママの年齢や人種によるなりやすさなどがあります。

不妊治療で二つ以上の受精卵を子宮に移植した場合も双子を妊娠しやすくなります。

「二卵性双生児(にらんせいそうせいじ)」とは、二卵性で生まれた双子のことをいい、胎児の段階では「二卵性双胎」といいます。

二卵性双生児

もとは二つの別の受精卵ですので遺伝情報は異なります。

見た目はきょうだい程度に似ており、性別や血液型は同じとは限りません。

性別は女の子と男の子の場合もあります。

双子とはいっても、きょうだいが一緒に生まれてきたと考える方がわかりやすいでしょう。

双子の「膜性」による分類

双子は一卵性か二卵性か以外にも、ママの胎内でどのように分かれているかで3種類に分けられます。

双子の妊娠・出産によるリスクはこの「膜性」による分かれ方で大きく変わってきます。

【双子の膜性による分類】

  • 二絨毛膜二羊膜双胎
  • 一絨毛膜二羊膜双胎
  • 一絨毛膜一羊膜双胎
双子の膜性による分類

赤ちゃんが入っている袋である胎嚢(たいのう)は絨毛膜によって構成されています。

そして、胎盤の胎児側の部分は絨毛膜が分化してできていますので、絨毛膜の数=胎盤の数と考えます。

胎盤はおなかの赤ちゃんに栄養や酸素を送ったり老廃物を受け取ったりする、赤ちゃんの生命維持と成長に重要な臓器ですので、これを共有しているか否かは大きなポイントとなります。

羊膜とは赤ちゃんを包んでいる膜のことで、中は羊水で満たされています。

羊膜=赤ちゃんの部屋といえますので、1人に1部屋あるか否かが大きなポイントとなります。

胎盤については、「コラム:胎盤の重要な役割と前置胎盤などのトラブル」もご参考にしてください。

絨毛膜2つで羊膜2つ

胎盤が二つで羊膜も二つの双子を「二絨毛膜二羊膜双胎(DD双胎)」といいます。

双子の妊娠で最も多いのがこのタイプで、二卵性はこれに当たります。

一卵性の約25%もこれに当たります。

胎盤も羊膜もそれぞれの赤ちゃんにありお互いの血流が影響しあうこともありませんので、双胎妊娠の中では一番リスクが低いといえます。

絨毛膜1つで羊膜2つ

胎盤は一つだが羊膜は二つの双子を「一絨毛膜二羊膜双胎(MD双胎)」といいます。

一卵性で最も多いのがこのタイプで約75%を占めます。

赤ちゃんにはそれぞれ別の部屋がありますが、胎盤を共有しているためお互いの血流は影響しあいます。

絨毛膜1つで羊膜1つ

胎盤も羊膜も一つを共有している双子を「一絨毛膜一羊膜双胎(MM双胎)」といいます。

一卵性の1%未満に当たりとても珍しいタイプです。

赤ちゃんは同じ部屋にいますので、へその緒が絡んでしまうなど双胎の中でも一番リスクが高くなります。

双子はいつわかるの?

おなかの赤ちゃんが双子だということはいつ分かるのでしょうか?

双子に限らず妊娠の確認は、超音波検査(エコー検査)により胎児の心拍と胎嚢(たいのう:赤ちゃんが入っている袋)を確認することで行います。

妊娠週数でいうと妊娠5~6週頃になります。

双子の診断も同じようにエコー検査で行います。

胎嚢が二つ確認できれば「二絨毛膜二羊膜双胎」だとわかります。

一卵性に多い「一絨毛膜」の場合は胎嚢は一つしかありませんが、心拍が二つありますので双子だとわかります。

なお妊娠を確認する際に妊娠検査薬を使うと思いますが、妊娠検査薬では双子かどうか調べることはできません。

双子が生まれる確率

双子はどのくらいの確率で生まれるのでしょうか?

2019年の人口動態調査によると、分娩総件数が875,470件のうち双子の分娩は8,937件でしたので、双子が生まれる確率はおよそ1%ということになります。

【単産-複産別にみた分娩件数】

単産-複産別にみた分娩件数2019年
*分娩件数とは出産(出生及び死産)をした母の総数である。
*総数には死産の単産、複産の別不詳を含む。
【参照元】人口動態調査/厚生労働省(外部サイトへ移動します)

二卵性双生児が生まれる確率は人種や遺伝性、環境による影響があるとされており、日本人は少ないようです。

また、生殖補助医療を受けている場合も二卵性双生児が生まれる確率が上がります。

これは、人工授精の際に複数の胚移植をするために双子などの多胎妊娠の確率が高まるためですが、現在では移植する胚は原則として一個とされています。

一卵性双生児が生まれる確率は、人種や遺伝性、環境による影響はないとされており、なぜ一卵性双胎になるかは分かっていません。

双子妊娠によるリスク

双子妊娠のイメージ

双子の妊娠・出産によるリスクはどのようなものがあるのでしょうか?

二人分の負担がママにもおなかの赤ちゃんにも掛かるため、当然リスクも大きくなります。

【双子の妊娠・出産による赤ちゃん側のリスク】

  • 早産
  • 低出生体重児
  • 胎児発育不全
  • 胎児先天異常
  • 胎児死亡
  • 双胎間輸血症候群

【双子の妊娠・出産によるママ側のリスク】

  • 妊娠高血圧症候群
  • 妊娠糖尿病
  • 血栓症、浮腫、静脈瘤

妊娠初期ではママのおなかの大きさは単胎妊娠とそれほど変わりませんが、妊娠中期頃に急激に大きくなります。

そのためおなかが張りやすく、むくみや腰痛、貧血などがひどくなりやすい傾向にあります。

早産

早産とは、妊娠22週0日~36週6日までの出産をいいます。

妊娠22週というのは赤ちゃんがママのおなかの外に出ても生きていける可能性があります。

早産で産まれた子を「早産児」「未熟児」「低出生体重児」と呼んだりもします。

【妊娠期間の一覧】

妊娠期間一覧(流産、早産)

2017年に早産で産まれた割合は、単胎が4.7%に対して双子を含む多胎は50.8%と非常に多く、多胎妊娠の約半分は早産になっていることが分かります。

早産は在胎期間が短く早く生まれるほど、体の発達が未熟なため生存率や出生後に障害が残る可能性に大きく影響するため、出来る限り正期産に近い妊娠週数までママのおなかで過ごせるようにすることが大切です。

早産については、「コラム:切迫早産とはどんな状態?早産との違い、原因や症状など徹底解説!」もご参考にしてください。

低出生体重児

低出生体重児とは、2,500g未満で生まれた赤ちゃんのことをいいます。

一人で生まれた場合よりも低出生体重児で生まれる割合が非常に高く、単胎が8.17%に対して双子を含む多胎児は71.65%(2017年)とその多くが低出生体重児で生まれていることが分かります。

ただし多胎児で低出生体重児として小さく生まれたとしても、3~6歳ごろには平均値に追いつく傾向があり、出生後の発達についても大きな差はありません。

胎児発育不全

胎児発育不全とは、在胎週数に対して平均と比べて発育が遅れている状態をいいます。

双子妊娠の場合、二人にバランスよく栄養が行き届くとは限らず、特に一卵性双胎は胎盤を分け合っているため栄養供給バランスに偏りが生じやすくなります。

先天異常

単胎妊娠よりも双胎妊娠の方が先天異常(先天疾患)がおこる頻度が高いことが知られています。

先天異常とは、体のかたちや体の機能にうまれつき異常のある場合をいいます。

単胎の場合、先天異常は3~5%の頻度でおこりますが双胎ではその2倍ともいわれています。

また二卵性双胎よりも一卵性双胎のほうが先天異常がおこる頻度は高くなります。

ただし、一卵性双胎であっても遺伝子変異は同じわけではなく一人に先天異常があるからといって必ずしももう一人もそうだとは限りません。

胎児死亡

単胎に比べて、双胎では流産率、子宮内胎児死亡率、周産期死亡率、新生児死亡率が高くなります。

【単産-複産別にみた分娩件数】

単産-複産別にみた分娩件数2019年

2019年のデータでは、双子出産においてどちらかもしくは両方亡くなる割合は6.02%と、全体での死産率(2.25%)よりも高いことが分かります。

双胎間輸血症候群

双胎間輸血症候群とは一つの胎盤を共有している一絨毛膜性の場合、どちらかに多く血液が送られるなど血流のバランスが崩れることでおこる病態のことです。

血液を多くもらう方は高血圧や心不全、多尿や羊水過多、胎児水腫などをひきおこします。

血液を送り血流が少なくなる方は分血や低血圧、乏尿や羊水過少、胎児発育不全などをひきおこします。

一絨毛膜二羊膜双胎のおよそ10%におこるといわれており、治療をしなければ二人とも亡くなってしまう可能性が高くなります。

妊娠高血圧症候群

妊娠高血圧症候群とは、妊娠前は正常な血圧だった人が、妊娠をきっかけに高血圧となってしまう病態です。

双子妊娠の場合、一人の妊娠よりも循環血液量が増えるため妊娠高血圧症候群になりやすくなります。

初期の段階では自覚症状はありませんが、血圧が高い状態が続くと頭痛や耳鳴りのほか、けいれん発作や肝臓や腎臓の機能障害などを引き起こす可能性があります。

妊娠高血圧症候群については、「コラム:妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)とは?症状や予防法について徹底解説!」もご参考にしてください。

妊娠糖尿病

妊娠糖尿病とは、妊娠前には糖尿病でなかった人が、糖尿病にはいたっていないものの、妊娠中に初めて指摘された糖代謝異常のことをいいます。

双子の妊娠では妊娠糖尿病になりやすく、放置すると流産や早産などのリスクが高くなります。

妊娠糖尿病は自覚症状がないため、早期発見のために妊婦健診での定期的な検査が大切です。

妊娠糖尿病については、「コラム:妊娠糖尿病になりやすい人の特徴とは?」もご参考にしてください。

血栓症、浮腫、静脈瘤

双子の妊娠では一人の場合と比べて子宮が大きくなるため圧迫されて下肢がむくみやすく、静脈瘤や血栓症ができやすくなります。

双子分娩は帝王切開?

双子の出産は帝王切開というイメージがありますが、必ずしもそうではありません。

母子ともに状態が良く妊娠の経過が順調で、先に生まれそうな赤ちゃんが頭を下にしている状態であれば経腟分娩が可能なこともあります。

ですが、分娩途中で何かトラブルがあれば帝王切開に切り替える可能性があります。

病院の方針や診療体制などによっては経腟分娩が可能な状態でも双子なら必ず帝王切開とすることもありますので、希望を伝えてみるとよいでしょう。

帝王切開については、「コラム:どういうときに帝王切開になる?費用やキズのケアなど徹底解説!」もご参考にしてください。

双子は出産費用が高い?!

出産費用について考える夫婦

双子の妊娠の場合、出産にかかる費用も2倍になるのでしょうか?

出産のための入院・分娩にかかる費用については出産をする施設や地域、分娩方法などにより異なりますが、正常分娩での自己負担額の合計の全国平均は、「50万5,759円(平成28年度)」です。

そのほか大きくかかる費用としては、妊婦健診費用や妊娠中にトラブルがあった際の入院や検査費用、マタニティウェア代やベビーグッズ費用などがあります。

出産では出費が多いもののもらえるお金というのもあり、「出産育児一時金」が赤ちゃんひとりにつき42万円もらえます。

つまり、双子の出産では84万円がもらえます

これは大きいですね。

出産のための入院・分娩にかかる費用は経腟分娩の場合は自費診療になります。

一方で双子の出産の場合、管理入院をすることがほとんどで保険適用となるため3割負担ですみます。

こども一人を出産する場合、出産育児一時金でもらった42万円はほとんど残りませんが、双子の場合は84万円もらえる+保険適用されることが多く、さらに自分で保険に入っていた場合、管理入院や帝王切開は保険がおりるためもらえるお金が多くなります。

このように双子の妊娠の場合、出産までにかかる費用は抑えられるものの、生まれてからのベビーウェアやおむつ、ミルク代などは二人分必要になります。

もらえた給付金を賢く貯蓄して育児に備えたいですね。

出産にかかる費用については、「コラム:妊娠から出産までにかかる費用って?」もご参考にしてください。

双子を授かりたい!

双子がペアルックで写っている画像をみるととてもかわいらしく、「うちの子も双子だったら。。。」なんて想像するのも楽しいですよね。

双子を妊娠する方法はあるのでしょうか?

双子を妊娠しやすい人や条件というのはありますが、医学的根拠のある確実な方法というのは残念ながらありません。

双子を妊娠しやすい家系や、北欧やアフリカ系の人種の方が双子の確率が高いなどの差はあります。

また、高齢出産の方が双子になる確率は高くなります。

そのほか不妊治療によって双子を妊娠する確率は高くなりますが、どれも双子を妊娠するためにできることではありませんね。

バニシングツインとは?

双子妊娠の際におこる「バニシングツイン」という現象をご存知でしょうか。

バニシングツインとは、双子のうちの片方が妊娠初期の段階でママのおなかの中で亡くなり、子宮から消えたように見える現象のことです。

実際は消えたわけではなく、亡くなった赤ちゃんが母体へ吸収されることで消えたように見えています。

妊娠初期のエコー検査で胎嚢(たいのう)が二つ確認できれば双子だと診断できますが、その後の検査では片方の赤ちゃんがいない、といった場合がバニシングツインにあたります。

バニシングツインでは亡くなった片方の赤ちゃんは基本的に母体に吸収されますので、もう1人の赤ちゃんに影響はなく特別な治療や対応も必要ありません。

バニシングツインは双子妊娠のうちの10~15%にみられ、特に一卵性で多くなります

バニシングツインについては、「コラム:双子の妊娠で起こるバニシングツインとは?」もご参考にしてください。

まとめ

笑顔の双子の赤ちゃん

双子の妊娠にはさまざまなリスクがあるため、妊婦健診での定期的なチェックが重要になります。

双子の妊娠では喜びが2倍なのと同時に、二人を育てていく不安や経済的な不安などもあり、身体的・精神的な負担が大きいといわれています。

双子の出産では家族や周囲の方のサポートがかかせません。

自治体によっては特別な支援が受けられることもありますので、詳しくはお住まいの地域の自治体でご相談してみてください。

【参考】

人口動態総覧の年次推移 / 厚生労働省(外部サイトへ移動します)


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