妊娠糖尿病になりやすい人の特徴とは?

妊娠糖尿病

妊娠中に気をつけたいトラブルの一つとして、妊娠糖尿病があります。

「私は別に血糖値について指摘されたことはないから大丈夫」と思いがちかもしませんが、ちょっと待ってください。

妊娠糖尿病は約8人に1人の妊婦さんがなるといわれており、誰にでもその可能性があります。

妊娠糖尿病になると新生児低血糖や早産、子宮内胎児死亡などのリスクがありますが、早期発見により改善することができます。

ここでは、妊娠糖尿病の原因やその影響、治療方法や防ぐポイントについてご紹介いたします!

妊娠糖尿病とは

妊娠糖尿病とは、妊娠前には糖尿病でなかった女性が、「糖尿病にはいたっていないものの、妊娠中に初めて指摘された糖代謝異常」のことをいいます。

血糖値がやや高い状態です。

診断基準は以下のとおりです。

 空腹時血糖値 ≧ 92mg/dl
 食後1時間後血糖値 ≧ 180mg/dl
 食後2時間後血糖値 ≧ 153mg/dl

いずれか1つ以上を満たした場合に妊娠糖尿病だと診断されます。

妊娠糖尿病は多くの場合、出産後には自然と治ります。

もともと糖尿病だった人はこれには当てはまらず、「糖尿病合併妊娠」といいます。

また、妊娠時に初めて指摘された血糖値の異常でも値が高すぎる場合、もともと糖尿病だったが診断されていなかっただけ、という可能性があり、「糖尿病合併妊娠」と診断されることもあります。

妊娠糖尿病の原因

妊娠糖尿病の原因は何でしょうか?

妊娠中は、ホルモンの影響で誰でも血糖値が上がりやすい状態になります。

妊娠すると、胎盤で赤ちゃんを育てるためにさまざまなホルモンが分泌されますが、インスリン分解酵素もその一つです。

インスリンは血糖値を下げる働きをします。

特に胎盤が完成する妊娠16週以降は胎盤からつくられる物質の影響を受けてインスリンの分泌が間に合わず作用が不十分になり、血糖値が上がりやすくなります

血糖値が高い状態が続くとママの身体にもお腹の赤ちゃんにも悪影響がありますので、まずは早期発見することが大切です。

妊娠糖尿病による影響

妊婦健診

妊娠糖尿病による直接の症状はほとんどありませんが、母子ともにさまざまな合併症の可能性があります。

妊娠糖尿病は自覚症状がないため、気づかず放置してしまうと合併症が悪化し、最悪の場合流産の可能性もあります。

早期発見のために妊婦健診での検査が大切です。

妊娠糖尿病になると、母子ともにさまざまな影響が考えられます。

胎児への影響

妊娠糖尿病によるお腹の赤ちゃんへの影響は次のようなものが考えられます。

  • 大きく育ちすぎる
  • 子宮内胎児死亡
  • 先天奇形
  • 新生児低血糖

妊娠糖尿病で血糖値が高い状態が続くと、お腹の赤ちゃんの成長が促進されて大きく育ちすぎる可能性があります。

しかし身体の大きさに対して臓器が未発達になる傾向にあります。

4,000g以上の巨大児で出産に望む場合は帝王切開になる可能性が高くなります。

無事に生まれた後も、低血糖を起こしやすかったり、黄疸や電解質異常などを発症しやすくなります。

その他にも、将来肥満や糖尿病になりやすい可能性があります。

ママへの影響

妊娠糖尿病はママ自身の身体にも、妊娠を継続する力にも影響を及ぼします。

妊娠高血圧症候群も自覚症状はありませんが、赤ちゃんの発育が悪くなったり早産になる可能性があります。

また、妊娠糖尿病になると将来糖尿病になるリスクが高くなります。

妊娠糖尿病の治療方法

妊娠糖尿病の治療の基本は食事療法と適度な運動です。

まずは食生活を見直し、食事制限や食事内容の改善といった食事療法を行います。

体重管理のためには適度な運動も大切です。

適度な運動とは、軽いウォーキングやマタニティビクスなどの有酸素運動で、心地よく疲れる程度の動きのことです。

ストレスが多いと血糖値が上がりやすくなりますが、適度な運動によってストレスの解消も図れます。

ただし、体調がすぐれない場合や不安がある場合は無理に運動を行う必要はありません。

それでも改善しなければインスリンの投与により血糖値を下げてコントロールを行っていきます。

食事療法

妊娠糖尿病の食事療法

妊娠糖尿病の食事療法としては、摂取カロリーを抑えて体重をコントロールすることも大切ですが、栄養バランスの良い食事と、規則正しい食事を心掛けましょう。

おなかの赤ちゃんに必要な栄養が不足しないよう、高たんぱくで低カロリーな食事を基本とします。

炭水化物が大好きな人は糖質を摂り過ぎないよう注意しましょう。

一度にたくさん食べると血糖値が上がりやすいので、少量ずつゆっくり噛んで食べましょう。

薬物療法

妊娠糖尿病の薬物療法

食事療法と適度な運動を行っても血糖値が改善しない場合、インスリンによる薬物療法を行います。

妊娠中は経口血糖降下薬が使えませんので、インスリン注射で治療を行っていきます。

安全性がほぼ確立しているとはいえ、できるだけ薬物療法は行いたくない、という方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、血糖値が高い状態が続くことの方が胎児にとってもママにとってもリスクです。

不安に思うことがあれば、積極的にお医者さんに相談してみてください。

妊娠糖尿病になりやすい人の特徴

妊娠糖尿病になる可能性は誰にでもありますが、その中でもなりやすい人の特徴があります。

【妊娠糖尿病になりやすい人の特徴】

  • もともと肥満ぎみである
  • 35歳以上の高齢出産である
  • 家族に糖尿病の人がいる
  • おなかの赤ちゃんが大きいと指摘された
  • 以前に4,000g以上の巨大児を出産したことがある
  • ストレスが多い
  • 羊水が多いと指摘された

高齢出産の場合、血管が弱くなり始めるため負担が大きくなり、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群などのトラブルが起きやすくなります。

また、過食や肥満、運動不足といった生活習慣病につながる生活を送っている方は、妊娠糖尿病にも注意が必要です。

妊娠糖尿病を防ぐ6つのポイント!

妊娠糖尿病を防ぐポイント

妊娠糖尿病を防ぐポイントについてご紹介いたします!

【妊娠糖尿病を防ぐ6つのポイント】

  • 一度に食べ過ぎない
  • ゆっくり噛んで食べる
  • 高たんぱく低カロリーを心掛ける
  • 体重を毎日測る
  • 適度に動く
  • ストレスをためない

妊娠糖尿病を防ぐには、やはりまずは食生活の見直しです。

エネルギー過多を防ぐために、高たんぱく低カロリーのバランスのよい食事を心掛けましょう。

ゆっくり噛んで食べることで食べ過ぎを防ぎ、血糖値の急激な上昇も抑えられます。

また、一日に同じ量を食べるとしても、一度に食べるのと三食に分けて食べるのとでは、血糖値の上下動が違います。

ドカ食いに気をつけて、規則正しい食事を心掛けましょう。

急激な体重の増加を防ぐために、体重は定期的に測りましょう。

体調が悪くなければ、マタニティヨガやマタニティビクスなどの運動を取り入れて、運動不足解消とストレス解消を図るのもおすすめです。

出産後に気をつけること

妊娠糖尿病だと診断されたとしても、血糖値を適切にコントールすることができれば、合併症もなく通常どおり出産することができます。

妊娠糖尿病の原因は「妊娠中である」ということなので、出産すると血糖値も正常に戻ることがほとんどです。

しかし一度妊娠糖尿病になった女性は次の妊娠でもなりやすく、さらに20~30年後の将来に糖尿病になる頻度が約7倍になりますので、出産後も適切な食事と適度な運動を心掛けることが大切です。

母乳で育てるとママも赤ちゃんも将来、糖尿病になる頻度が減ることが知られていますので、可能であれば母乳栄養を行いましょう。

まとめ

幸せな妊婦

いかがでしたでしょうか。

妊娠糖尿病はママにもお腹の赤ちゃんにもさまざまな悪影響が及ぶ可能性があるため、早期発見とコントロールが大切です。

まずは妊娠糖尿病にならない生活習慣を心掛けることが大切ですが、妊婦健診で定期的にチェックをすることで合併症の悪化を防ぐことができます。

適切にコントロールをして、早く元気な赤ちゃんに会いたいですね!


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