妊娠が判明したら喜びいっぱいなのと同時に、妊娠・出産にいったいどれくらいの費用がかかるのか、お金の不安は増すばかりですよね。
妊娠中にかかる費用をできるだけ安く抑える方法はないのか?
出産にはどれくらいのお金がかかるのか?
特に初めての出産では疑問に思うことばかりだと思います。
今回は妊娠から出産までにかかる費用についてご紹介していきます!
妊娠から出産までにかかる費用
妊娠から出産までには何かとお金がかかりますが、いったいどれくらいの費用がかかるのでしょうか?
妊娠から出産までにかかる大きな費用としては次のようなものがあります。
【妊娠から出産までにかかる大きな費用】
妊婦健診 | 7~8万円 |
入院・分娩 | 平均54万5,797円 |
出産育児一時金 | -50万円 |
その他、人によって出産準備にかかる金額に大きな差が出る項目としては次のようなものがあります。
- マタニティウェア
- ベビーグッズ
- 妊娠・出産時のトラブル
- 里帰り出産
など(後述します)
妊婦健診にかかる費用は自治体の助成制度がありますので、助成制度を利用すると自己負担額は妊娠期間を通して7万円~8万円程度になります。
ただし、自己負担額は自治体によって異なります。
毎回の基本的な自己負担がないというところもあれば、毎回3,000円~5,000円程度かかるというところもあるようです。
また、通常の検診に加えて子宮頸がん検診やエコー検査は助成の対象外という自治体もあります。
入院・分娩にかかる費用については出産をする施設や分娩方法などによりことなりますが、正常分娩での自己負担額の合計の全国平均は、「54万5,797円(令和4年度)」です。(厚生労働省 保険局保険課)
出ていく金額は大きいですが、「出産育児一時金」として50万円がもらえるのは大きいですね。
妊娠・出産時に妊娠高血圧症候群などの合併症や緊急帝王切開などのトラブルがあれば費用が別途かかってきます。
出産費用の内訳
出産費用として入院・分娩にかかる費用については出産する施設が病院なのか診療所なのか助産所なのかによって異なります。
さらに自然分娩か帝王切開か、またお住まいの地域などの条件にもよるため一概にいくらとはいえません。
正常分娩でのすべての出産施設においての自己負担額の合計の全国平均は、「54万5,797円(令和4年度)」で、その内訳は次のようになります。
【正常分娩にかかる出産費用の全国平均(令和4年度)】
項目 | 平均値 |
---|---|
入院料 | 11万8,326円 |
室料差額 | 1万7,441円 |
分娩料 | 28万2,424円 |
新生児管理保育料 | 5万52円 |
検査・薬剤料 | 1万4,739円 |
処置・手当料 | 1万6,753円 |
産科医療補償制度 | 1万1,820円 |
その他 | 3万4,242円 |
これらの費用は妊娠の経過が順調な場合のため、帝王切開であったり、個室等のオプションを利用するとさらに高額になります。
出産場所によっても変わる費用
出産場所によって費用の相場は変わってきます。
費用が高い順に並べると、このようになります。
①個人病院 > ②総合病院 > ③大学病院 > ④助産院 |
個人病院は豪華なお祝いディナーがあったり独自のサービスが充実していることが多く、その分費用は高額になりがちです。
総合病院や大学病院は設備が整っているため、分娩時のトラブルに対してより高度な対応が可能です。
助産院では助産師さんが分娩の補助をしてくれますが、医療行為ができませんのでハイリスクの妊婦さんの出産には向きません。
助産院の多くは小規模で、アットホームなことが多いようです。
妊娠中の食事や生活の指導、育児相談など細やかなサポートをしてくれます。
どこの施設も平均金額は50万円前後ですが、分娩方法やオプションの選択によっては100万円以上かかることもありますので、必要なサービスに応じて出産場所を決めることが大切です。
都道府県別の出産費用ランキングトップ5
出産にかかる費用は、出産する都道府県によっても相場が異なります。
正常分娩での全施設の出産費用について、令和4年度の全国平均は48万2,294円でした。
(室料差額等を除く)
全国で一番出産費用が高額なのは、東京都の60万5,261円でした。
反対に全国で一番出産費用が安いのは、熊本県の36万1,184円でした。
その差が24万円以上もあるのは驚きですね。
【出産費用全国高額ランキング(令和4年度)】
順位 | 都道府県 | 出産費用 |
---|---|---|
1 | 東京都 | 60万5,261円 |
2 | 神奈川県 | 55万864円 |
3 | 宮城県 | 51万3,681円 |
4 | 茨城県 | 50万3,927円 |
5 | 埼玉県 | 49万8,285円 |
【出産費用低額ランキング(令和4年度)】
順位 | 都道府県 | 平均値 |
---|---|---|
1 | 熊本県 | 36万1,184円 |
2 | 鳥取県 | 38万2,584円 |
3 | 沖縄県 | 37万4,001円 |
4 | 青森県 | 39万4,927円 |
5 | 宮崎県 | 39万7,518円 |
出産でもらえるお金・助成金
出産に関連してもらえる給付金や助成金の制度は色々ありますので、フル活用したいですね。
基本的に健康保険は適用外ですが、入っている健康保険の種類や就業状況などによって使える制度が違ってきます。
【妊娠・出産で使える助成金・給付金制度】
- 出産育児一時金
- 医療費控除
- 高額療養費
- 出産手当金
- 傷病手当金
出産育児一時金については、健康保険に加入していれば子ども1人につき「50万円」もらえます。
その他の助成金や給付金制度については、妊娠中のトラブルなどによる診療状況や入っている健康保険の種類や今後の働き方などによって異なりますので、詳しくはお勤め先やお住まいの地域の自治体にご相談してみてください。
出産育児一時金
出産育児一時金とは、入院・分娩にかかる高額な費用をまかなえるように加入している健康保険から50万円が受け取れる制度です。
今までは1児につき42万円でしたが、令和5年4月1日以降の出産から支給額が引き上げられました。
支給を受けられる条件は、健康保険の加入者(被保険者)またはその家族(被扶養者)で、妊娠4ヶ月(85日)以上で出産したママであるということです。
子ども1人につき50万円がもらえますので、多胎出産の場合は人数分もらうことができます。
もらい方にはいくつかパターンがありますが、ほとんどの場合は健康保険から病院へ直接お金が支払われる「直接支払制度」を利用します。
出産後に50万円を超えた差額分だけを支払います。
医療費控除
確定申告で返ってくるお金があるかもしれません。
妊娠・出産では何かと医療費がかかります。
1年間の家族全員の医療費が10万円を超えた場合、確定申告をすると払い過ぎた税金が戻るかもしれません。
医療費控除の対象となる費用は、妊婦健診の費用や通院のための交通費、入院費、分娩費、公共交通機関の使用が困難な場合のタクシー利用などがあります。
一方で、里帰り出産のための帰省にかかる交通費は医療費控除の対象となりませんので注意が必要です。
交通費など基本的に領収書のないものもありますが、あとでわかるように家計簿などに内容を記録しておきましょう。
高額療養費
妊娠・出産では基本的に健康保険は適用されませんが、重症妊娠悪阻や切迫流産などによる治療には健康保険が適用されます。
健康保険が適用される治療費が、1ヶ月の自己負担限度額を超えた場合は高額療養費の対象となり、医療費の助成を受けることができます。
自己負担限度額は所得によって異なります。
出産手当金
働いている妊婦さんをサポートするために、産休中の給料の代わりとして出産手当金があります。
勤務先の健康保険に加入していて、産後も仕事を続ける人が対象となりますが、健康保険の種類によってはもらえない場合もあります。
もらえる金額は、お給料(日給)の3分の2×日数分が目安です。
つまり、産休中にお給料の6割程度がもらえるということになります。
傷病手当金
働いている妊婦さんは、妊娠悪阻や切迫流産・切迫早産などの妊娠中のトラブルにより急遽入院などで仕事を休まざるを得ないことがあります。
連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかった場合に、4日目以降から日給の3分の2がもらえます。
これは妊娠中に限らず、病気やケガで会社を休んだときに受けられる制度です。
出産までにはこんなことにも費用がかかる!
妊娠・出産にかかる費用のうち、人によって大きく金額に差が出る項目としては次のようなものがあります。
- マタニティウェアなどのグッズ
- ベビーグッズ
- 妊娠・出産時のトラブル
- 里帰り出産
など
マタニティウェアやインナーは、妊娠によって変化する女性の身体をやさしく守り快適に過ごすために必要なアイテムです。
マタニティインナーは3~4セットはあると便利です。
マタニティウェアについてはこだわると金額はキリがありませんが、知合いからおさがりをもらったりメルカリなどを上手く利用することで費用は抑えることができます。
ベビーグッズも見ているとあれもこれも欲しくなると思いますが、予算を決めて購入するとよいでしょう。
妊娠・出産では妊娠悪阻や切迫早産による入院など、非妊娠時と比べるとトラブルが起こりやすくなりますので、思わぬ費用がかかることがあります。
里帰り出産をする場合はバカにならないのが交通費です。
後からパパが駆けつける場合はその分の交通費も考慮しておきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
思わぬトラブルによる緊急の出費については多めに考えておくべきですが、ウェアやベビーグッズなど抑えることができる費用については予算を決めておくなどすると、コントロールができますね。
妊娠・出産にはさまざまな出費がありますが、助成金や給付金などのもらえるお金もありますので、上手に活用して元気な赤ちゃんを迎えてください。