切迫早産とはどんな状態?早産との違い、原因や症状など徹底解説!

低出生体重児

妊娠中はさまざまなトラブルが起こる可能性があり、比較的順調に過ごしてきた方でも、切迫早産や早産と無縁とはいえません。

妊娠初期の流産に比べ、早産の頻度は少ないとも言われますが、それでも無事出産の日を迎えるまでは気が抜けませんね。

ここでは早産と切迫早産との違いや、その原因や症状、入院が必要なのかといった情報をまとめていますので、参考にしてみてください。

切迫早産とは?

切迫早産とは、「早産になりかけている」状態のことをいいます。

お腹の張りや痛み、出血があったり、子宮口が開きかけていて場合によっては破水しているなど、通常より早い段階で赤ちゃんが出てきてしまいそうな状態のことです。

早期治療でおさまる軽度の場合から、早産が避けられない重度の場合まであります。

「切迫」とは、さしせまること、緊張した状態になることをいいます。

早産とは?

では早産とはどのような状態でしょうか?

妊娠の経過が順調で、いわゆる「出産予定日」頃の出産のことを「正期産」といい、妊娠37週0日~41週6日までの出産のことをさします。妊娠10ヶ月頃です。

対して、「早産」とは正期産より前の出産のことで、妊娠22週0日~36週6日までの出産をさします。妊娠6ヶ月~9か月頃です。

これは赤ちゃんがお母さんのお腹の外に出ても生きていけるぎりぎりのところです。

早産で産まれた子を「早産児」「未熟児」「低出生体重児」と呼んだりもします。

日本で早産となる人は、全妊婦さんのうち5%程度です。

これは世界的にみても少なく、日本の周産期医療が進んでいることがうかがえます。

早産は人為的に行なう人工早産と自然早産に分けられます。

人工早産とは?

早産のうち、お母さんや赤ちゃんになんらかの問題が発生し妊娠継続が困難となり、命を守るために人為的に出産させる方法を「人工早産」といいます。

自然早産とは?

なんらかの理由により通常より早いタイミング(妊娠37週未満)で自然に陣痛がきてしまい出産する場合を「自然早産」といい、早産のうち、約75%は自然早産です。

妊娠22週未満での出産は流産とよびます。

早産児・未熟児・低出生体重児の違いについて

妊娠37週未満で生まれた子を「早産児」ともいいますが、予定より早く生まれた赤ちゃんのことは「未熟児」や「低出生体重児」の方が聞き覚えがあるのではないかと思います。

未熟児とは読んで字のごとく、小さく生まれたために身体の成長が未熟ですよということでかつてはそのように呼ばれていましたが、小さく生まれたからといって身体の機能に問題があるとは限らず、その言葉の曖昧さから現在では徐々に使われなくなってきています。

赤ちゃんの生まれた時の体重を基準とする場合は、以下のように分類されます。

【出生時の体重による分類】
低出生体重児 :2,500g未満
極低出生体重児:1,500g未満
超低出生体重児:1,000g未満

低出生体重児として生まれる割合は、お母さんの年齢が若年(20歳未満)と高齢(40歳以上)の場合において高くなる傾向があります。

母親の年齢階級別2,500g未満児の割合:2017年人口動態統計

母親の年齢階級別2,500g未満児の割合

参考:低出生体重児保健指導マニュアル/厚生労働省(外部サイトへ移動します)

早産・切迫早産の原因とは?

妊娠高血圧症候群

早産・切迫早産の原因には、赤ちゃん側とお母さん側それぞれの理由が相互に関係しています。

感染症(子宮内感染、性感染症)
早産の原因として最も多いのは子宮内感染で、8割程度を占めています。
子宮内感染は、何らかの原因で膣から子宮へ細菌が入ることで起こります。
細菌の感染により子宮内膜に炎症が起こる子宮内膜炎になると、内膜が弱くなり破水や子宮の収縮(陣痛)を誘発する可能性があります。

クラミジア感染症などの性感染症も、切迫早産や前期破水の原因になります。

多胎妊娠
双子などの多胎妊娠では、子宮がより大きくなるため早い段階からお腹が張りやすく、早産の可能性が高くなります。
近年では、不妊治療など生殖医療の進歩に伴い多胎妊娠が増えています。

高齢出産
晩婚化の影響などから増えている高齢出産(35歳以上での出産)では、早産になる確率が高くなります。
高齢出産については、コラム:高齢出産・高齢妊娠のリスクとは?もご参考にしてください。

子宮頸管無力症
子宮頸管とは赤ちゃんが出てくるところで、通常は陣痛が始まってから開きますが、痛みが無く開いてしまう症状のことをいいます。
子宮口が開くと赤ちゃんが出てきてしまいます。

子宮の病気や異常
子宮筋腫や子宮の形の異常などがあると、早産の可能性が高くなります。
また、前置胎盤(胎盤が子宮の出口をふさいでいる状態)や、常位胎盤早期剥離(胎盤が子宮の壁からはがれる)の場合は、人工早産を選択する可能性が高くなります。

ライフスタイルの乱れ
無理なダイエットによる痩せすぎや妊娠中の喫煙などにより、赤ちゃんに十分な栄養が行き渡らず胎児発育不全になる可能性があります。
胎児発育不全では羊水過少になりやすく、陣痛が来る前に破水する「前期破水」を起こしやすくなります。
また、赤ちゃんの元気がないと人工早産を選択する可能性も出てきます。

妊娠高血圧症候群
妊娠高血圧症候群などの合併症が悪化すると人工早産を選択する可能性があります。
また、羊水過多になりやすく破水や陣痛を誘発します。

早産・切迫早産の兆候は?

早産・切迫早産のわかりやすい自覚症状は次の通りです。
症状は軽いものから深刻なものまでさまざまあります。

出血
最も気づきやすい症状です。
37週以降なら、いわゆる「おしるし」の可能性が高いのですが、それ以前であれば、早産の兆候かもしれません。
ピンク色のおりもの程度のものから、血の塊のようなもの、真っ赤な血が大量に出る場合など量も程度もさまざまです。

下腹部の張り感や痛み
妊娠後期になるにつれてほぼ全員の妊婦さんが感じるお腹の張りですが、普通はしばらく安静にしていれば治まります。
しかし横になって休んでも張りが続く、規則的にお腹が張る、張りが痛みに変わる場合などは早めに受診しましょう。

おりものの変化
本来、おりものは乳白色や透明な色をしています。
しかし、細菌感染などにより、黄色や緑がかった色になる場合があります。
黄色や緑っぽい場合は淋菌感染、チーズのようにポロポロしている場合はカンジダ菌感染の可能性があります。
進行すれば子宮内感染を引き起こし、早産につながることがあります。

破水
陣痛開始前に羊水が流れ出てしまう「前期破水」の場合、量が少なく尿漏れと区別できないこともあります。
いつもと違う違和感を感じたら、迷わずお医者さんに相談してください。

切迫早産の段階であればまだ対処ができます。
早期発見・早期治療が大切ですので、「おかしいな?」と思ったらすぐに受診してください。

早産・切迫早産の予防法

早産・切迫早産にならないためにできることはあるのでしょうか?
リスクが上がる要因としては、次のことが考えられます。

喫煙の習慣がある
母子ともに良いことはありません。妊娠が分かった時点で禁煙しましょう。

ストレスや心身の過労
長時間の労働や、心身に負担がかかることはできる限り避けましょう。

妊娠高血圧症候群
規則正しい生活と十分な休養、また太り過ぎないことを心掛けましょう。

細菌感染
妊娠中にコンドームを使用しないセックスをすると、細菌感染の可能性があります。
必ずコンドームを使用しましょう。

痩せすぎ
太りたくない気持ちは分かりますが、お母さんが痩せすぎているとお腹の赤ちゃんに十分な栄養が行き渡りません。
バランスの良い食事を心掛けましょう。

生活環境や人間関係などによって難しいこともあるでしょうが、リスクは一つでも減らしておきたいものです。
周囲の協力も得ながら、出来ることを探してみましょう。

切迫早産の治療

ベッドで横になる妊婦

赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいる期間が短くなればなるほど、生存率や予後に悪影響を及ぼします。
切迫早産になった場合、出来る限りお腹の中で成長できる期間を延ばすことが大切です。

切迫早産の治療は第一に安静にすることで、状況に応じて投薬を行ないます。
軽症の場合は自宅安静で様子を見ますが、症状が重ければ入院が必要です。

【軽症の場合】
お腹に力を入れたり圧力がかかったりしないよう、安静に過ごします。
重いものを持つことや長時間の移動は避けましょう。
家事なども様子をみて休息しながら極力負担がかからないようにしましょう。
張り止めの薬を処方されることもあります。
また、感染症で炎症を起こしている場合は抗生剤も併用します。

【重症の場合】
症状が重い場合は入院が必要です。
安静を保ちつつ子宮収縮抑制薬などによる処置を行ないますが、早産が避けられないと判断した場合は、新生児集中治療室がある専門の設備が整った病院へ救急搬送されることもあります。

妊娠週数による胎児の生存率

早産の場合、在胎週数が短いほど(早く生まれるほど)身体の発達が未熟なため生存率にも大きく影響します。

在胎週別でみると、在胎週数が長くなるほど生存率は上がり、22~23週では約66%の生存率なのに対して、28週以降は約98%となっており、生存率はおよそ1.5倍上がります。

在胎週数別の胎児生存率

在胎週数22~23週24~25週26~27週28~29週30~31週
生存率66.1%86.5%94.0%96.7%97.5%

また体重別、特に1,500g以下で生まれた「極低出生体重児」と「超低出生体重児」の生存率をみてみると、こちらもより大きく生まれた方が生存率が高いことが分かります。

出生体重別生存率

在胎週数500g未満501~750g751~1000g1001~1250g1251g~1500g
生存率60.2%84.6%94.7%96.6%97.1%

参考:低出生体重児保健指導マニュアル/厚生労働省(外部サイトへ移動します)(平成30年度子ども・子育て支援推進調査研究事業)

早産で生まれた子の健康上の問題

早産で生まれた場合、身体が未熟で十分に発達してませんので、しっかりとしたケアが必要になることが多く、また生まれた週数によっては、発達の遅れや障がい、大人になった後も続く健康上のリスクが考えられます。

生まれた直後は、体温管理などができ集中的に治療を行なえる新生児集中治療室(NICU)がある施設でケアをします。

妊娠34週日~36週6日に生まれた後期早産児でも、正期産に近いとはいえ、呼吸障害や哺乳不良、黄疸などが起こり、発達の遅れも多くみられます。

特に、妊娠34週未満で生まれた場合は、これらのリスクがより重症化しやすく、感染症にかかりやすかったり出血傾向があったりします。

早産で生まれると発達に影響があるのか

早産で生まれた全ての赤ちゃんに、病気や発達のリスクがあるわけではありません。

出生時体重が2,000g以上ある場合、新生児集中治療室(NICU)に入るほどではなかったり、特別な医療的処置が不要の場合もあります。

一方、妊娠34週未満で生まれた場合は、NICUで治療して成長を促すことが多くあります。
特に呼吸機能の発達においては34週が別れ目になる、ともいわれています。
肺の機能が未発達な状態で生まれた場合、自分の力だけでは呼吸がうまくできずに、生まれた直後から未熟児無呼吸発作などを起こしやすくなります。
そのような場合は、人工呼吸器でサポートする必要があります。

やはり、おなかの中にいる期間が短く身体が小さいほど、より重症化しやすい傾向にあります。

その他、次のようなリスクが考えられます。

  • 脳性麻痺
  • 視覚障害(重症だと失明)
  • 難聴
  • 運動機能や言葉の遅れ
  • 慢性肺疾患や心疾患などの合併症が起こりやすい
  • 知的能力障害や自閉症、注意欠如・多動症(ADHD)が起こりやすい
  • 感染症にかかりやすく重症化しやすい

まとめ

妊婦とお腹に添えた夫の手

切迫早産になった場合、できるだけ長くお腹の中で成長できるようにすることが大切ですが、しかしそれでも早産になることはあります。

早産で生まれたからと言って、すべての赤ちゃんに問題が起こるとは限りません。
生まれた時は小さく成長がゆっくりであっても、少しずつ同級生の成長に追いつくことも多くあります。
もし早産になった場合でもご自身を責めず、可愛い我が子の成長をゆっくり見守ってあげましょう。

妊娠中は切迫早産・早産の予防に努めることが大切ですが、気負い過ぎず無理のないようゆったりと出産までの日々を過ごしてくださいね。


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