赤ちゃんが欲しいと思ったときに、「男の子がいいな」「女の子がいいな」と思い描きますよね。
実は赤ちゃんを、希望する性別に産み分ける”コツ”があるのをご存じでしょうか。
近年少子化の時代となり、女性が出産する赤ちゃんの人数は、多くが一人または二人となったことから、産み分けを希望する方も増えています。
赤ちゃんは天からの授かりものとも言われるものの、もし”コツ”によって産み分けが可能なら試してみる価値はありますよね。
また妊娠したときにも、赤ちゃんの性別がどちらか早く知りたいですよね。
「女の子だったら、名前は〇〇にしたい」とワクワク考えてしまい、妊娠中のいつごろに性別を確認できるか気になるところかと思います。
そこで今回は、男女産み分けのコツと、妊娠中の性別判定の方法についてご紹介します。
赤ちゃんの男女産み分けは可能?基本的な考え方
結論から言うと、技術的に男女を産み分けることは、100%ではないものの可能です。
実際に産み分け指導を行っているクリニックもあり、成功する確率は70~80%だそうです。
しかし一方で、男女の産み分けは“命の選別”につながり、倫理的に問題があるとの意見もあります。
つまりたとえば、男の子がほしくて産み分け指導を受けた人が、妊娠後に女の子と分かったため中絶を希望されてしまうケースが考えられます。
男の子であっても女の子であっても、大切な命には変わりありません。
産み分けを希望される方は、「できれば男の子がいいな」と少し期待するぐらいの考え方をもって、検討するようにしましょう。
産み分けの原理
男女の性別は、セックス後に卵子と出会う精子が“X染色体”と“Y染色体”のどちらであるかで決まります。
ヒトの「染色体」という遺伝情報は46本(23対)あり、卵子と精子が23本ずつ持ってくることで赤ちゃんに受け継がれます。
それぞれが持ってくる23本の染色体のうちの1本に、「性染色体」があります。
性染色体とはヒトの性別を決めるもので、男性はX染色体とY染色体、女性はX染色体とX染色体の組み合わせと決まっています。
つまり、女性の卵子がもつ性染色体は必ずX染色体であり、性交後に出会う精子がY染色体(Y精子)であれば男の子が生まれ、X染色体(X精子)であれば女の子が生まれるということです。
実はこのX精子とY精子はそれぞれ異なる特徴があり、特徴の違いを利用して産み分けが行われます。
染色体については、「コラム:染色体とは?」もご参考にしてください。
男の子を産み分けるコツ
Y精子と卵子が出会えるようにするためには、セックスを排卵日におこない、膣内をアルカリ性にしておくことが重要です。
男の子を生むために必要なY精子には、X精子と比べて以下のような特徴があります。
- アルカリ性の環境で生き残りやすい
- 数は多いが、寿命は約1日と短い
(※卵子の寿命も約1日)
女性の膣内の酸性度は、通常は外からの雑菌を防ぐため酸性です。
しかし排卵日に近づくにつれてアルカリ性になることが知られています。
また、寿命が精子も卵子も約1日であることからも、排卵日にセックスするのが大切です。
さらに膣内のアルカリ性を高めるために、次の2つの方法が取り入れられます。
1つは、“グリーンゼリー”というアルカリ性のゼリーを、セックス時に膣内に挿入する方法です。
もう1つは、セックス時に女性がオーガズム(快感の絶頂)に達するように、男性側も前戯を頑張るという方法です。
オーガズムになると、女性の子宮頸管からアルカリ性の粘液が分泌するためです。
他にも、リンカルというお薬をセックスするまでの2ヵ月間飲み続けるという方法も行われます。
リン酸カルシウムという成分のお薬で、このお薬を飲んだ人はなぜか男の子ばかり産まれるというデータのもと使われていますが、その機序は解明されていません。
排卵日については、「コラム:妊娠したかも?基礎体温の変化」もご参考にしてください。
女の子を産み分けるコツ
X精子と卵子が出会えるようにするためには、セックスを排卵日の2~3日前におこない、膣内を酸性にしておくことが重要です。
女の子を産むために必要なX精子には、Y精子と比べて以下のような特徴があります。
- 酸性の環境で生き残りやすい
- 数は少ないが、寿命は長い(約2~3日)
女性の膣内は、排卵日に近づくにつれて酸性からアルカリ性になります。
ただし精子の寿命は長いため、排卵日の2日前にセックスすることが理想といえます。
さらに膣内の酸性を高めるために、女の子では“ピンクゼリー”という酸性のゼリーを、セックス時に膣内に挿入する方法が取り入れられています。
また、女の子を生みたい場合は、オーガズム(快感の絶頂)に達しないようにしましょう。
オーガズムによるアルカリ性の粘液分泌を防ぐために、興奮せずあっさりしたセックスを心がけましょう。
産み分け法の実践が難しい人とは
以下のような方は、産み分け法をおすすめできないので注意しましょう。
- 初めての妊娠
- 40歳以上の高齢出産
- 授乳中である
- 不妊治療に通っている
- 生理不順がある
- 夫婦の意見が一致していない
- 希望しない性別の子供を出産する意思がない
男女の産み分けは妊娠率が下がることから、もともと年齢や状況から妊娠が難しい方にはおすすめされません。
妊娠率を下げる理由としては、セックス時に人為的に酸性度を調節することで、精子のうちのX精子とY精子のどちらかは活動しにくい状態になっているためです。
また、産み分けにはご主人の協力も必要となりますし、倫理的な問題がかかわってきます。
産み分けに対するそのあたりの理解がない方にも、おすすめできないでしょう。
赤ちゃんの性別はいつ決まるの?
赤ちゃんの性別が決まるのは、先述したとおり精子が卵子と出会った時にすでに決まっています。
精子と卵子が出会う受精のタイミングは、セックス後1~3日後以内とされています。
つまり妊娠が分かったタイミングでは、すでに性別は決まっていますし、もっと言うと、セックスの数日後には決まっているということです。
赤ちゃんの性別判定の方法
超音波検査で得られた画像から、赤ちゃんの外性器を見て判定されます。
赤ちゃんの性別の違いは、外性器の形の違いです。
ピーナッツのような突起物があるのが男の子、木の葉のような形の割れ目があると女の子と判定できます。
この違いは、妊婦検診の超音波検査(エコー検査)を用いて、赤ちゃんのお股のあたりの画像をうつすことで確認します。
エコーによる画像は、テレビと比べると白黒でザラザラしていて分かりづらいため、特に初産の妊婦さんでは、男女を見分けるのは難しいかもしれません。
しかし最近はエコー検査も進化しています。
3Dエコー検査では立体的な画像をうつすことができ、赤ちゃんの形状や表情まで確認できます。
さらに4Dエコー検査では立体的な赤ちゃんを動画で確認できます。
赤ちゃんの性別判定はいつ分かる?
妊娠12週から23週の間に分かることが多いです。
妊娠12週に、性別を判定するための外性器が完成し、妊娠23週目ごろには外性器の形の違いも、よりはっきりしてくるためです。
妊娠週数に応じて、以下のように妊婦さんの体は変化し、赤ちゃんが発育しています。
エコー検査の画像を見るときの、ぜひ参考にしてください。
妊娠8~11週(3ヵ月)
妊婦さんにとってつわりが辛い時期。
赤ちゃんは頭、胴、手足ができているが、外性器は男女で全く同じ状態。
妊娠12~15週(4ヵ月)
おなかのふくらみが外から分かる時期。
赤ちゃんは内臓が完成し、ここで外性器も完成する。
妊娠16~19週(5ヵ月)
おなかのふくらみが目立ち始める。
赤ちゃんは骨や筋肉が発達する。
妊娠20~23週(6ヵ月)
妊婦さんが胎動を感じる時期。
男女の外性器の違いがはっきりしてくる。
ただし、外性器が見えづらいために、性別の判定が難しいケースもあります。
- 赤ちゃんがふとももをピッタリ閉じたり、背中を向けた姿勢、へその緒が邪魔して赤ちゃんのお股が見えづらい場合など
- 女の子の場合は、男の子と比べて外性器の形がはっきりとしていないため、判定が遅くなることが多い
(男の子は妊娠14~15週、女の子は妊娠17~18週に判定されることが多い) - 双胎妊娠の場合は、どちらかがお股が見えづらい姿勢になってしまうことが多い
赤ちゃんの性別告知の考え方
赤ちゃんの性別を早く知れるのは親にとって嬉しいことだと思いますが、一方で日本産婦人科学会は「赤ちゃんの性別は、産まれる前に安易に教えるべきではない」という考えを示しています。
日本産婦人科学会は、WEB上に次のような見解を示しており、“診断”がエコー検査に該当します。
“赤ちゃんの性別告知については出生前に行われる遺伝学的検査および診断として取り扱う場合は個別の症例ごとに慎重に判断する”
つまり、エコー検査により分かった性別を親に伝えるか、医師は慎重に判断すべきと書かれています。
慎重に判断するのは、「男の子だったら産む、女の子だったら産まない」という命を選別するリスクにつなげないためです。
こうした見解があるため、医師の中には「赤ちゃんが産まれるまで性別は教えない」という考えの方もいます。
赤ちゃんの性別を教えてほしい
赤ちゃんの性別は、医師側の気持ちに配慮して聞くようにしましょう。
性別を調べたり教えたりすることに抵抗を感じる医師もいるためです。
医師は超音波検査を行う際、妊婦の身体や赤ちゃんの発育に異常がないかを細かくチェックしています。
そのため性別を判定するために時間やエネルギーを割けないことがあります。
また、超音波検査で100%性別が分かるわけではありません。
細心の注意を払って医師も男女の違いを確認しますが、プレッシャーを感じて伝えられない場合もあるでしょう。
そのため医師の気持ちも配慮した上で、「性別は分かりますか」と聞くようにして、もし分からないと言われたら、「分かったら教えてください」と伝えておくようにしましょう。
または、検査中ではなく事前に「赤ちゃんの性別が分かり次第教えてほしい」と相談しておくこともおすすめです。
赤ちゃんの性別を教えてほしくない
早めに「生まれるまで性別を知りたくない」と医師へ伝えておきましょう。
最近は事前に性別を知りたい人も多いため、医師もサービスのつもりで、性別を聞かれる前に伝えてしまうことがあります。
性別が分かる妊娠12週より前に、はっきりと意思表示をしておくのがよいでしょう。
まとめ
今回は、男女の産み分けのコツと、妊娠中の性別判定の方法についてご紹介しました。
「男の子がいいな」「女の子がいいな」と希望がある方は、産み分け指導を行っているクリニックに一度相談してみるとよいでしょう。
ただし、産まれてくる赤ちゃんが男の子でも、女の子でも、大切な命です。どちらであっても我が子は本当に可愛いものでしょう。
赤ちゃんの性別ももちろん大切ですが、やはり無事に生まれてくれるのを一番に願いたいですね。
妊娠初期にお腹の赤ちゃんのダウン症など、染色体異常について調べる検査はこちらをご参考にしてください。