妊娠を希望している女性なら、ご自身の生理周期や基礎体温の周期を把握していて、「あれ?生理が遅れているな。。。」「基礎体温が高いままだな。。。」といった変化により「もしかして妊娠したかも?!」と気づくことでしょう。
一刻も早く妊娠したか調べたいところですが、妊娠検査薬が反応するのはいつからなのでしょうか?
ここでは、妊娠検査薬で妊娠を調べられる時期や陰性なのに妊娠している可能性など妊娠検査薬に関するさまざまなケースについてご紹介しています。
妊娠検査薬の使い方
多くの妊娠検査薬はスティック状で使い方はとても簡単です。
検査薬の先端に2秒ほど尿をかけて、1分~数分程度待つだけで結果がでますのでお手軽ですね。
判定結果の表示のされ方はメーカーによって異なりますが、多くは結果が表示される窓内の線の出方によって「陽性(妊娠反応あり)」「陰性(妊娠反応なし)」と判定されます。
使用する時間帯は基本的にいつでも大丈夫ですが、尿が極端に薄いと正確に検査できない(偽陰性になる)可能性がありますので、起床時の検査を推奨しているメーカーもあります。
検査をする際には、付属の説明書をよく確認し使用してくださいね。
いつから使える?
妊娠検査薬はいつから反応するようになるのでしょうか?
多くの妊娠検査薬のメーカーでは、「次の生理予定日の1週間後」から使用できるとしています。
妊娠ホルモンであるhCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)は受精卵が着床してから3~4日程度で尿中に出始めるため、早ければ次の生理予定日の数日前から妊娠検査薬が陽性反応を示す可能性もあります。
ただし、次の生理予定日前後ではまだhCGホルモンの分泌量が少なく正しく判定できないこともありますので、「次の生理予定日の1週間後」を目安にお使いくださいね。
「前回の生理開始日から約5週間後」から検査可能になります。
もしくは、「セックスした日から約3週間後」から検査可能になります。
妊娠検査薬が使えるのは。。。
- 生理開始日から約5週間後
- セックスした日から約3週間後
妊娠週数は直近の最後にあった生理開始日を「妊娠0週0日」として数えます。
つまり、妊娠検査薬の使用が推奨されるのは妊娠5週頃になります。
妊娠週数については、「コラム:意外と間違いやすい!妊娠週数の数え方と出産予定日の計算」もご参考にしてください。
尿をかけ過ぎるとどうなる?
尿をかけ過ぎると、想定した尿の量と試薬の量に相違が生じて正しい結果がでない場合があります。
正しく検査ができたかは妊娠検査薬の「確認サイン」でお知らせしてくれることが多いので、「長くかけすぎたかな?」と不安に思う場合でも安心です。
かける尿の量は商品によって違いがありますので、使用前にしっかり説明書を読むようにしましょう。
フライングで使った場合
妊娠検査薬メーカーの推奨時期よりフライングして早く使った場合、実際は妊娠していても陰性となることがあります。
これは、妊娠初期で尿に含まれるhCG濃度がまだ十分でなかったためです。
推奨は生理開始日から約5週間後ですが、約4週間後でも反応することが多いようです。
とはいっても何度も検査するのはお金がかかってもったいないですし、人によってはまれに推奨時期になってもhCGが少なく正しく結果が出ないこともありますので、推奨時期を守って使用するようにしましょう。
なお、フライングで使って陽性だった場合は、妊娠している可能性が高いと考えられます。
生理不順がある場合
生理周期が不規則な方の場合、推奨時期に検査をしても排卵日が思っていた時期よりズレていてhCG分泌量がまだ十分でなく、本当は妊娠しているのに陰性や不明瞭な結果となる可能性があります。
もし陰性の結果が出てから1週間程度たっても生理が始まらない場合は、再度検査をしてみるか医師にご相談ください。
薬や飲酒の影響
かぜ薬やピルを服用していても、妊娠検査薬の判定に影響はありません。
ただし、一部の不妊治療薬はhCGを含むものがありますので、不妊治療を受けている人は妊娠検査薬を使用する前に医師に相談しましょう。
飲酒によって判定に影響がでることはありませんが、妊活をしている方や妊娠の疑いがある方は控えた方がよいでしょう。
陽性は本当に妊娠している?
妊娠反応がある=陽性だった場合、本当に妊娠しているといえるのでしょうか?
信じられず何度も検査したという話を何度か聞いたことがあります(笑)
妊娠検査薬はあくまで「妊娠の可能性を知る」ためのものですが、正しく使用すれば99%の精度で判定できます。
ただし、妊娠していないのに陽性となるケースや、陽性でも妊娠が継続できないケースもありますので注意が必要です。
陽性だった場合は妊娠している可能性が高いですが、それでも正常妊娠かどうかは分かりませんので、早めに婦人科を受診してくださいね。
妊娠ではなかったが陽性となるケース
【妊娠していないのに陽性となるケース】
- 不妊治療などで性腺刺激ホルモン剤の投与を受けている
- hCG産生腫瘍(絨毛上皮腫など)
- 閉経期である
- 流産後である
不妊治療や黄体機能不全の治療のために性腺刺激ホルモン剤の投与を受けている方や、絨毛上皮腫などのhCG産生腫瘍がある方は妊娠していなくても陽性の結果が出ることがあります。
ご本人が気づかない間に流産してしまっていた場合も陽性となることがあります。
そのほか、閉経期の方は妊娠と無関係にhCGが微量に分泌されているため正しく判定できないことがあります。
陽性だけど妊娠が継続できないケース
妊娠検査薬では陽性と出ても、残念ながら次のケースでは妊娠を継続することができません。
【陽性だが妊娠が継続できないケース】
- 子宮外妊娠
- 胞状奇胎
- 流産していた
子宮外妊娠(異所性妊娠)
受精卵が子宮内の正しい場所以外に着床してしまった場合を子宮外妊娠(異所性妊娠)といい、残念ながら妊娠を継続することはできず、着床した場所によっては自然排出されます。
しかし子宮外妊娠の状態で胎児が成長した場合、もともと赤ちゃんが成長できる環境ではありませんので、妊娠7週頃になると胎児を含む構造が破裂し、出血やショック症状でママの命に危険が及ぶこともあります。
胞状奇胎(ほうじょうきたい)
胞状奇胎とは、受精がうまくいかなかったことにより胎盤を作る絨毛組織の一部がブドウの粒のようになって増殖してしまう状態で、妊娠の継続はできません。
流産していた
妊娠検査薬を使ったときにはすでに流産しているのにもかかわらず、子宮内に胎盤などの組織が残っていて陽性の判定が出ることがあります。
線がうっすらとしか出ない。。。陽性でいいの?
「検査薬に尿をかけて少し待つと陽性判定の線がうっすらと出てきたが、説明書にあるイラストのようにはっきりはしていない。これはどっちなの?」と判断に悩むことがあります。
たとえ薄くても線の濃さに関係なく、判定部分にラインが出ていれば陽性(妊娠の可能性あり)と判定できます。
線がうっすらとしか出ない原因としては、まだ検査をする時期が早すぎてhCGの分泌量が少なかったことや、尿の量が十分でなかった可能性などがあります。
いずれにしても、婦人科で妊娠の確定診断を受けましょう。
陰性は本当に妊娠していない?
妊娠した予感がして妊娠検査薬を使ってみたが陰性だった場合、本当に妊娠していないと言えるのでしょうか?
陰性=今回の検査では妊娠反応は認められませんでしたが、それでも妊娠している可能性はあります。
妊娠検査薬が陰性でも妊娠している場合がある?
妊娠検査薬で「陰性」と出たとしても、妊娠している可能性があります。
生理予定日の1週間後より前に妊娠検査薬を使用した場合は、妊娠しているにもかかわらずホルモンの分泌量が少ないため正しい判定が出ないこともあります。
hCGホルモンの分泌量には個人差があるため、妊娠の可能性が高いと考えられる場合は、もう数日~1週間程度たってから妊娠検査薬を再度試してください。
【妊娠しているのに陰性となるケース】
- フライングでの使用
- 生理不順
- 生理日を思い違いしていた
- 尿が極端に薄かった
生理日を思い違いしていた
「前回の生理開始日から約5週間後」から検査可能になりますが、最後にあった生理日や次の生理予定日を思い違いしていて検査時期が適切でなく、陰性となることがあります。
尿が極端に薄かった
大量に飲み物を飲んで尿が極端に薄まっていると正しく検査ができない可能性があります。
心配な場合は、朝起きて一番の尿で検査をするとよいでしょう。
陰性なのに生理がこないケース
陰性の結果が出てから1週間程度たっても生理がこない場合、次のようなことが考えられます。
【予定した生理がないのに陰性となるケース】
- 異常妊娠(子宮外妊娠)
- 胎児異常(胎児死亡、稽留流産)
- 胞状奇胎
これらの異常は陰性にも陽性にもなる可能性があります。
陰性だったにもかかわらず生理がこないときは、数日待ってから再検査をしてみるか、もしくは医師に相談してみてください。
陽性なのに生理がきた
妊娠検査薬で陽性反応がでた妊娠5週ごろは何らかの理由で不正出血がおこることがあり、それを生理と勘違いすることがあります。
【妊娠初期におこる可能性のある不正出血】
- 着床出血
- 子宮外妊娠
- 胞状奇胎
- 子宮膣部びらん
- 子宮頸がん
- 子宮頚管ポリープ
- 子宮筋腫
妊娠初期におこる可能性のある不正出血にはあまり心配のないものと妊娠に影響するものとあります。
強い痛みがある場合や出血の量が多い場合はすぐに受診することをおすすめしますが、いずれにしても妊娠検査薬が陽性であれば早めに受診するようにしましょう。
着床出血や妊娠初期におこる不正出血については、「コラム:妊娠のサインの着床出血はいつおこるのか?生理の出血との違い」もご参考にしてください。
妊娠検査薬でなぜ妊娠がわかるのか
妊娠検査薬は、妊娠すると分泌される「hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)」というホルモンを感知することで妊娠した可能性を調べています。
卵子と精子が卵管で出会い受精すると、受精卵となり約1週間かけて細胞分裂を繰り返しながら子宮へと移動します。
受精卵が子宮内に着床すると胎盤のもとになる絨毛(じゅうもう)がつくられ、そこからhCGが分泌されます。
hCGは「エストロゲン」や「プロゲステロン」という女性ホルモンの分泌を保ち胎盤の成長を促進させています。
このhCGは妊娠すると尿中にでてくるため、妊娠検査薬に尿をかけることによって妊娠しているかを調べることができます。
妊娠初期症状はいつからわかる?
妊娠検査薬が使えるようになるのは妊娠5週頃からですが、妊娠初期の症状を自覚するのはいつ頃なのでしょうか?
多くの方が「だるい、眠気が強い、下腹部が痛い」などの妊娠初期症状を感じるようになるのは妊娠4~5週頃からで、つわりが始まるのもこの頃になります。
一方で、妊娠3週頃で「妊娠超初期症状」としておりものの変化や着床出血などで何らかの変化を感じる方もいます。
妊娠超初期については、「コラム:妊娠したかも?妊娠超初期の症状チェック!」もご参考にしてください。
早く知りたい!早期妊娠検査薬
「一刻も早く妊娠しているか知りたい!」という場合、一般の妊娠検査薬よりも1週間早く使える「早期妊娠検査薬」というものがあります。
一般の妊娠検査薬はhCGの量が50IU/Lで反応するように検出感度が設定されていますが、早期妊娠検査薬はその半分の25IU/Lで反応するように設定されています。
少ない量のhCGでも反応するため次の生理予定日から使うことができます。
早くから使えるのがメリットですが、よほどの事情がない限りは一般の妊娠検査薬でよいでしょう。
というのも、早期妊娠検査薬が陽性だったとしてもこのタイミングではまだ婦人科で妊娠を確定診断することができません。
病院で正常妊娠を診断するためには、超音波検査(エコー検査)で胎児が入る「胎嚢(たいのう)」と「心拍」を確認する必要があります。
胎嚢(たいのう)が確認できるのは妊娠4~5週頃で、心拍を確認できるのは妊娠6週頃になります。
一方で早期妊娠検査薬は妊娠4週頃から使えますので、陽性の反応が出ても病院で正常妊娠を確認できるようになるまで1~2週間は待つ必要があります。
さらに、早い段階で検査をすることによって、本来なら知ることのなかった「化学流産」を知ってしまうかもしれません。
化学流産とは、妊娠検査薬では陽性だったが超音波検査では妊娠が確認できない(胎嚢や心拍が確認できない)状態のことをいい、すでに流産してしまっています。
このように早期妊娠検査薬にはメリットもデメリットもありますので、状況に合わせて使い分けられるといいですね。
値段と購入場所
妊娠検査薬はドラッグストアやネットショップなどで購入することができます。
値段は500~1,000円程度のものが多く、2回分がセットになって割安なものもあります。
ドラッグストアでは商品を見比べながら購入することができますし、通販サイトやアプリでは、口コミや評価を参考に購入して自宅に届く便利さがあります。
早期妊娠検査薬も同じくドラッグストアやネットショップなどで販売されていますが、日本製の早期妊娠検査薬は第1類医薬品に分類されているため、薬剤師のいる薬局で購入する必要があり値段も割高になります。
妊娠検査薬使用後の対応
妊娠検査薬は検査精度が高い一方で、使うタイミングや使い方などで正しい結果がでないケースがあります。
「陽性」の場合は早めに産婦人科の受診を、「陰性」の場合は生理の有無によって再検査か受診をするようにしましょう。
陽性だった場合の対応
判定が陽性であれば妊娠している可能性が高いですが100%ではありませんし、正常な妊娠かどうかまでは判別できません。
妊娠検査薬で陽性の判定が出たら早めに産婦人科を受診するようにしましょう。
病院では血液検査や超音波検査などを行い、妊娠の有無や妊娠週数を確認します。
なお陽性の反応が出たら受診する前であっても飲酒や喫煙はやめるとともに、感染症予防に努めましょう。
陰性だった場合の対応
妊娠していると思われるのに結果が陰性だった場合、1週間ほど待って再検査をしてみましょう。
それでも陰性で、しかも生理も始まらない場合は何らかのトラブルが考えられますので、早めに受診してくださいね。
まとめ
妊娠検査薬は性行為した日から約3週間後から使えるようになります。
もしくは次の生理予定日の1週間後から検査ができますので、妊娠する可能性のある女性は生理周期や基礎体温などは記録しておくとよいでしょう。
妊娠検査薬では陰性なのに実際は妊娠していたケース、妊娠検査薬では陽性なのに実際は妊娠していなかった、または妊娠していたけれども妊娠を継続できないケースなどもありますので、生理が遅れていたり体に何らかの違和感を感じる場合は、早めに病院でご相談くださいね。