妊娠のサインの着床出血はいつおこるのか?生理の出血との違い

受精

着床出血とは受精卵が着床する際におこる現象のことで、妊娠超初期と呼ばれる時期にみられることがあります。

生理予定日と着床出血がある時期は重なるため混同しやすく、「生理がきたのに妊娠していた?」ということがあるかもしれません。

ここでは着床出血とはなんなのか、生理との見分け方のポイントや妊娠超初期におこる不正出血などについてご紹介しています。

着床出血とは

着床出血とは受精卵が着床するときにおこる出血のことをいい、妊娠初期におこる出血で一番多い原因です。

精子と卵子が受精してできた受精卵は、子宮内膜にくっつくときに絨毛という組織を伸ばして根を張ることで着床し妊娠が成立しますが、その際に子宮内膜の血管が傷つき出血することがあります。

妊娠が成立するときにおこると聞くと、妊娠を心待ちにしている女性にとってはいつ着床出血があるのか待ち遠しく思うかもしれませんが、必ずしもおこるわけではなく、4人に1人以下だといわれています。

着床出血はいつおこる?

着床出血の時期

着床出血がおこるタイミングは妊娠3週頃で次の生理予定日に近いため、「生理が普通にきたと思ったら妊娠していた?」ということが起こり得ます。

妊娠期間は、最後に生理が始まった日を「妊娠0週0日」としてカウントします。

卵子が排卵されるのは「妊娠2週」頃にあたり、このタイミングで精子と出会い受精できると、1週間ほどかけて子宮へ移動します。

着床するのは「妊娠3週」頃にあたるため、着床出血がおこるのは妊娠3週をすぎたあたりから次の生理予定日ごろになります。

もし妊娠が成立しておらず次の生理がくるとすると「妊娠4週」頃にあたります。

つまり、着床出血は次の生理予定日の1週間前から生理予定日の前後ごろにおこります。

妊娠何週目かの計算方法については、「コラム:意外と間違いやすい!妊娠週数の数え方と出産予定日の計算」もご参考にしてください。

着床出血と生理の違い

着床出血がある

着床出血と生理がおこるタイミングは近いため間違いやすいですが、区別するポイントはなんでしょうか?

【着床出血と生理を見分けるポイント】

  • 出血の期間
  • 出血の色
  • 出血の量
  • 症状
  • 基礎体温

出血の期間や色、量などの違いがあげられます。

生理にも個人差や個人の中でもバラつきがありますのですべての人に当てはまるわけではなく、もともと生理不順の人は間違いやすいかもしれません。

ですが、そのときは生理だと思っていても後から考えたら「あれは着床出血だったな」と思う方も多いようです。

出血の期間

着床出血は生理より日数が短めで時期が早めです。

生理は出血が5~7日間ほど続きますが、着床出血は1~2日程度と短く、長くても4日ほどで出血が止まります

「少し出血したと思ったらすぐに止まった」という人がいれば、「3日間くらい少量の出血が続いた」という人もいます。

着床出血がおこる時期は生理よりも1週間から数日程度早いタイミングになります。

出血の色

着床出血では次のような色の特徴があります。

【着床出血の色の特徴】

  • 薄いピンク色
  • 真っ赤な鮮血
  • 茶色っぽい

体内に留まっている時間が長いほど茶色っぽい色になります。

おりものに血が混ざった程度の薄いピンク色であったり、鮮やかな赤であったりとさまざまです。

一方で生理の場合は暗赤色であることが多いのが特徴です。

また、生理ではドロッとした血の塊が出ることがありますが、着床出血の場合はサラサラしています。

出血の量

着床出血は生理より出血量が少なめです。

ナプキンが必要なくらいという人もいますが、ショーツが少し汚れる程度の量だったという人もいます。

生理の場合は出血が始まってからその後量が増えていきますが、着床出血の場合はナプキンが必要だったとしても少量で終わります。

着床出血の症状

着床出血ではお腹の奥がチクチクと痛むような、腹痛がおこることがあります。

生理痛のように重い痛みではなく、軽い痛みであることがほとんどのようです。

また着床出血とは異なりますがこの時期は妊娠超初期症状がおこる時期と重なるため、腰痛やだるさ、眠気や熱っぽさなどを感じたら妊娠の可能性を考えてもよいかもしれません。

妊娠超初期の症状については、「コラム:妊娠したかも?妊娠超初期の症状チェック!」もご参考にしてください。

基礎体温の変化

妊娠している着床出血と、妊娠していない生理では基礎体温の変化の仕方が違います。

妊娠していない場合は出血があると(生理がくる)基礎体温は下がります。

一方で、妊娠した場合は出血したあとも基礎体温は下がらず高い状態をキープします。

生理周期や基礎体温については、「コラム:妊娠したかも?基礎体温の変化」もご参考にしてください。

妊娠超初期におこる不正出血

妊娠超初期におこる可能性のある不正出血にはあまり心配のないものと妊娠に影響するものとあります。

【妊娠超初期におこる可能性のある不正出血】

  • 絨毛膜下血腫
  • 子宮外妊娠
  • 胞状奇胎
  • 子宮膣部びらん
  • 子宮頸がん
  • 子宮頚管ポリープ
  • 子宮筋腫

着床出血や生理と関係なくおこる出血は、子宮になんらかの異常があるケースや異常妊娠であるケースなどが主に考えられます。

絨毛膜下血腫

絨毛膜下血腫とは、胎嚢(たいのう)の周りに血液がたまり血腫になった状態をいい、妊娠初期に出血がみられることがあります。

ほとんどは妊娠中期までに自然に治まるため経過観察となりますが、血腫が大きい場合は大量出血のリスクがあるため入院が必要になることもあります。

子宮外妊娠

子宮外妊娠(異所性妊娠)とは、子宮内膜の正しい場所以外に受精卵が着床してしまうことをいいます。

受精卵が卵管や卵巣、腹膜などに着床すると正常に育てないため妊娠を継続することはできません。

子宮外妊娠は妊婦さんの100人におよそ2人の割合でおこります。

子宮外妊娠では腹痛や出血が見られることがありますが、まったく自覚症状がないことも少なくありません。

胞状奇胎

胞状奇胎(ほうじょうきたい)とは、受精がうまくいかなかったことにより胎盤を作る絨毛組織の一部がブドウの粒のようになって異常に増殖してしまう状態のことをいいます。

異常妊娠の一種で、残念ながら妊娠を継続することはできません。

妊娠7週頃になっても胎児心拍が確認できず、妊娠8週頃に少量で茶色の出血が見られることが多いですが自覚症状はほとんどありません。

妊娠検査薬が陽性で婦人科を受診した際に発覚します。

子宮膣部びらん

子宮膣部びらん(しきゅうちつぶ)とは、子宮の出口付近が炎症して赤くなったようにみえる状態のことをいいます。

多くは女性ホルモンの影響を受けておこる生理現象のため心配はいりませんが、性交や内診などのちょっとした刺激で出血することがあります。

出血は少量の場合が多く、細胞診で異常がなければ経過観察となります。

子宮頸がん

子宮頸がんとは子宮頚部(しきゅうけいぶ)に生じるがんのことで、20~30歳代の若い女性にも増えています。

早期にはほとんど自覚症状はありませんが、進行すると不正出血や下腹部痛などがあらわれてきます。

妊娠初期の健診で発見されやすく、病状によっては経過観察をしながら妊娠を継続することも可能です。

子宮頚管ポリープ

子宮頚管ポリープとは子宮頚部に生じるポリープのことで、少量の出血がみられることがあります。

ポリープとはいぼのように盛り上がったもののことを呼び、妊娠中は切除せず経過観察となることがほとんどです。

子宮筋腫

子宮筋腫とは、子宮の壁の中に発生する良性の腫瘍のことで、月経のある女性の4人に1人がなる身近な病気です。

不正出血することがあり、子宮筋腫が原因で不妊や流産、早産になる可能性があります。

妊娠中に子宮筋腫が見つかることがありますが、多くは症状をコントロールして問題なく無事に出産することができます。

いつも通り生理がきたと思ったら妊娠していた?

「いつも通り生理がきたと思っていたのに、実は妊娠していた。生理がきたのになぜ?」という話を聞くことがあります。

これは着床出血を生理と勘違いしたものと思われます。

妊娠を待ち望んでいる女性にとっては、「また生理がきたか。。。」と少し落胆するかもしれませんが、出血の様子や基礎体温の変化などを観察してサインを逃さないようにしましょう。

着床出血だと思ったが妊娠検査薬は陰性だった

「生理と違う感じの、着床出血と思われる出血があった」と喜んで妊娠検査薬で調べてみたら陰性(妊娠反応なし)だったというケースもあります。

着床出血は早ければ妊娠3週頃に見られますが、妊娠検査薬は妊娠4~5週頃から反応するように作られていますので、妊娠超初期にあたる妊娠3週頃にはまだ陽性反応が出ないことがほとんどです。

はやる気持ちは分かりますが、着床出血と思われる出血があったとしても、妊娠検査薬が使えるようになる時期まで待ちましょう。

妊娠検査薬については、「コラム:妊娠検査薬はいつから反応するの?陰性でも妊娠している可能性は?」もご参考にしてください。

着床出血と思われる出血があったら

着床出血と思われる出血があったら、生理周期を確認しながら適切な時期に妊娠検査薬で検査をしてみましょう。

妊娠検査薬は次の生理予定日のおよそ1週間後から使用できます。

陽性だった場合は病院で正常妊娠かどうかの診断をしてもらいますが、陰性だった場合でも生理ではなさそうな出血だったり強い痛みを伴う場合はすぐに受診してください。

着床出血か不正出血かの判断は難しいため、「いつもと違うかも?」と思ったらまずはお医者さまにご相談くださいね。

まとめ

ママと赤ちゃんのシルエット

着床出血はすべての人におこるわけではなく4人に1人以下の頻度だといわれており、またその有無は妊娠に影響しませんので着床出血があっても無くても心配する必要はありません。

生理との違いは、着床出血の方が時期が早い、量が少ない、期間が短い、サラサラしているという点です。

生理ではなさそうな出血があった場合、着床出血なのか別の理由によるものか分からず人にも相談できなくて悩んでしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、ダラダラと出血が続いたり痛みがあるようでしたら早めに受診してくださいね。


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