普段は生理周期が順調な女性でも、なぜか今回は予定日になっても生理がこなくて心配。。。ということもあります。
生理が遅れたりこなかったりする原因としては、ストレスなど一時的な体からのSOSのほか何らかの病気が隠れていることもあります。
ここでは生理周期を整えるポイントや、どれくらい生理がこなければ妊娠の可能性があるのかなどを含めて生理にまつわる疑問についてご紹介しています。
生理周期
生理周期(月経周期)には個人差はありますが、25~38日であれば正常範囲とされています。
出血の期間も個人差がありますが、通常は3~7日間程度です。
毎回一定のリズムで生理がくることが理想的ですが、生理予定日が前後に1週間ほどずれることはわりと見られることです。
エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2種類の女性ホルモンによって生理は起こり、それぞれのホルモンのはたらきにより女性の体は毎月妊娠の準備をし、妊娠しなければ生理という形で子宮内をリセットして次の妊娠の機会に備えます。
妊娠のために起こる生理ですが女性の体はホルモンバランスの変化により、生理前は甘いものが無性に食べたくなったり眠たくなったりと心身共にさまざまな影響を受けます。
生理周期を確認しよう!
生理が始まった日やその日数を記録している方は多いと思いますが、排卵がおこっているかなどより詳しくご自身の体の変化を知るために役立つのが基礎体温表です。
基礎体温とは、生命を維持するために必要な最小限のエネルギーしか使っていない時の体温のことをいいます。
妊娠する可能性のある排卵日あたりで基礎体温は一度カクッと下がってその後体温が高い状態が約2週間続き、生理が始まると体温は下がります。
女性の体の周期を把握するうえで基礎体温表には重要な情報が詰まっています。
生理日の予測以外にも、無排卵月経や黄体機能不全の可能性なども知ることができます。
妊娠を望んでいる方はもちろん、生理周期が一定でない方も受診する際により正確な診断が行なえますので、記録をつけてみるとよいでしょう。
基礎体温については、「コラム:妊娠したかも?基礎体温の変化」もご参考にしてください。
生理がこない・遅れる原因
「いつも一定のリズムで生理がきていたのに最近いつも予定日よりズレるのはどうしてだろう。。。」と不安に思った経験は誰しも一度はあるのではないかと思います。
妊娠以外で生理が遅れる原因としては身体に何らかの負担がかかっていることが考えられます。
生理周期の乱れを感じたら、まずはその原因に心当たりがないか確認してみましょう。
【生理がこない・遅れる原因】
- 過度なダイエット
- 過度なストレス
- 過度なスポーツ
- 生理不順
- 無月経
- 早期閉経
- 子宮の病気
- 甲状腺の病気
過度なダイエット
生理がこない、遅れる理由として多いのが過度なダイエットによるものです。
食事制限などによって必要な栄養が十分にとれていない状態が続くと、生命を維持するために重要な脳や心臓などの器官を優先させるため、子宮や卵巣などの生殖機能への栄養は後回しになってしまいます。
その結果、卵子が正常に発育しなかったり女性ホルモンが十分に分泌されなくなるなどの弊害がおこります。
過度なストレス
過度なストレスがあると女性ホルモンのバランスが乱れて生理が遅れたりこなくなる原因となります。
環境の変化によってストレスは感じやすく、本人がストレスと自覚していないこともあり特に受験や就職、転職や引っ越しなどは注意が必要です。
過度なスポーツ
適度な運動は体の調子を整えるためにもおすすめですが、激しすぎるスポーツは生理が遅れたり無月経になる原因にもなります。
過度なスポーツによって体脂肪や体重の減少、体への負担があるとダイエットの場合と同じように生命維持のために生殖機能への栄養が後回しになってしまいます。
女性アスリートの中でもマラソン選手などがよく無月経になることが知られていますが、プロのスポーツ選手でなくても激しい部活などで生理がこなくなることがあります。
生理不順
正常な生理周期は25~38日とされており、これに当てはまらない状態を生理不順といいます。
生理不順では排卵が正常に行なわれていない可能性や子宮などに何らかのトラブルがある可能性があります。
無月経
妊娠していないのにもかかわらず3ヵ月以上生理がこない状態のことを無月経といいます。
無月経になる原因は上記のダイエットやストレス、運動などがあります。
女性ホルモンのバランスの乱れやその他病気が隠れている可能性もありますので、生理が3ヵ月以上こない場合は受診して調べてもらった方がよいでしょう。
早期閉経
閉経の平均年齢は50歳前後ですが、中には40歳未満で「早期閉経」を迎える人もいます。
早期閉経の原因としては自己免疫疾患や糖尿病などさまざまな要因が考えられますが多くは原因不明です。
子宮の病気
子宮におこる病気としては、子宮頸がんや子宮体がん、子宮筋腫や子宮頸管ポリープなどがあり、生理不順につながります。
子宮のトラブルは初期は自覚症状がないことが多く悪化すると不妊の原因となることもありますので、早期発見のために定期的に検診を受けることが大切です。
子宮の病気については、「コラム:妊娠に重要な子宮のはたらきとおこりやすい病気について」もご参考にしてください。
甲状腺の病気
甲状腺とは喉ぼとけの下にあるホルモンを分泌する器官のことで、新陳代謝を促したり交感神経を刺激したりします。
甲状腺の病気は男性より女性に多く、甲状腺ホルモンの分泌量が多くても少なくても月経不順や生理がこない原因となります。
バセドウ病や橋本病などが甲状腺の病気として知られており、特に20~40歳の女性に多く見られます。
生理周期を整えるポイント!
生理の遅れや乱れを整えるためにできることは何でしょうか?
過度なストレスや生活リズムの乱れがあると女性ホルモンのバランスが崩れて生理の遅れにつながります。
まずは原因となりやすいストレスや生活習慣を見直してみましょう。
【生理周期を整えるポイント】
- ストレスの解消
- 生活のリズムを整える
- 過度なダイエットをしない
- 栄養バランスを整える
- 睡眠をしっかりとる
- 激しすぎる運動は控える
最近引っ越しや転職をしたなど環境の変化があった方は特にストレスを感じやすく生理周期も乱れがちですが、しばらくして順応できれば自然と生理周期も戻ります。
慣れない環境の中でも生活のリズムを整えることを意識しましょう。
ホルモンバランスを整えるためには、睡眠のリズムも大切です。
就寝と起床の時間を出来る限り毎日一定にして、6~8時間は睡眠時間を確保できると理想的です。
極端なダイエットや運動による栄養不足は生理がとまる原因となります。
食事からのエネルギー量もある程度必要ですが、バランスの良い食事を心がけましょう。
バランスの良い食事とは、ごはんやパンなどの主食をメインとして、肉や魚などのタンパク質のおかず、野菜や海藻などのおかずがそろった食事のことです。
毎食は難しくても、少なくとも1日2食はこれらのそろった食事が摂れると良いですね。
生理がどれくらいこないと受診した方がいいの?
生理中は外出がおっくうになったり腹痛や気持ち悪さに悩まされたりと何かと不便なため、生理がこなくても体調に異変を感じてなければ別に問題ないのでは?と思われるかもしれませんね。
しかし生理がこない、もしくは極端に生理周期が長かったり短かったりすることは、たとえ自覚する異変がなかったとしても隠れた病気の可能性もあります。
長い期間生理がこない状態を放っておくとホルモンバランスを戻すのに時間がかかったり妊娠を希望するときに妊娠しづらくなります。
正常な生理周期は25~38日ほどのため、3ヵ月以上生理がこない場合や半年以上周期の乱れが続いている場合は受診してきちんと調べてもらいましょう。
生理が何日遅れたら妊娠の可能性があるのか
生理周期が毎月一定の人は、生理予定日から1週間以上過ぎてもこない場合は妊娠の可能性が高いといえます。
病院で妊娠しているかの診断ができるのは生理予定日のおよそ2週間後ですので、まずは妊娠検査薬で調べてみましょう。
また避妊したのに生理が予定日から1週間以上経ってもこないけどいきなり病院へ行くのは。。。という場合もまずは妊娠検査薬で確認してみるとよいでしょう。
妊娠検査薬については、「コラム:妊娠検査薬はいつから反応するの?陰性でも妊娠している可能性は?」もご参考にしてください。
いつも通り生理がきたのに妊娠していた
「生理がきたのにそのあと妊娠が分かった」という話を聞くことがあります。
しかし妊娠していれば生理はきません。
生理予定日頃におこる出血として「着床出血」があります。
着床出血とは受精卵が着床するときにおこる出血のことをいい、生理予定日とタイミングが似ているため混同されやすいですが、こちらは妊娠のサインの一つといえます。
生理との違いは出血量が少ない、出血期間が1~2日程度と短いことです。
妊娠初期におこる出血で一番多い原因ですが、妊娠すると必ずしも起こるわけではなく4人に1人以下の割合だといわれています。
着床出血については「コラム:妊娠のサインの着床出血はいつおこるのか?生理の出血との違い」もご参考にしてください。
ピルと生理
ピル(経口避妊薬)とは2種類の女性ホルモンを人工的に合成した薬のことで、生理周期をコントロールし排卵を抑えることで妊娠を防ぐことができます。
高い避妊効果を安全に得られるだけではなく、女性ホルモンの急激な増減がなくなりますので生理による不快な症状である月経困難症(生理痛)、生理不順や月経過多などさまざまな改善効果も期待できます。
ピルを服用している期間は排卵はおこりませんが、生理がなくなるわけではなく予定した日程通りに軽い出血があります。
また排卵がおこらないのはピルを服用している期間だけですので、飲むのをやめるとまた妊娠するようになります。
茶色のおりものがある原因とは?
茶色のおりものがあると「何かの病気なのかも。。。」と心配になりますね。
おりものに血が混ざると茶色く見え、いくつかの原因が考えられます。
【おりものが茶色になる原因】
- 生理前後
- ホルモンバランスの影響
- 排卵出血
- 着床出血
- 子宮の病気
- 感染症
生理が本格的に始まっていないのに、予定日の数日前からおりものに少量の血が混ざって茶色になることがあります。
「もうすぐ生理かな?」と思っていてもこないという場合、妊娠の可能性もしくはホルモンバランスの乱れなどが考えられます。
過度なストレスや疲労、ダイエットなどによってホルモンバランスが乱れると出血がおこることがあります。
排卵出血は排卵日の前後に見られることがある少量の出血のことで、タイミングとしては生理と生理の間くらいの時期です。
通常は1~2日程度でおさまります。
着床出血もおりものに混ざると茶色やピンク色になることがあります。
そのほか子宮の病気や感染症による出血がおりものに混ざることも考えられます。
排卵出血や着床出血は生理周期を把握しているとある程度予測することができます。
共通して言えることは茶色いおりものが1週間以上続く、血の量が増えている感じがする、下腹部痛などの痛みがあるといった場合は早めに受診してください。
おりものについては、「コラム:排卵日や妊娠によって変化するおりものの特徴!」もご参考にしてください。
まとめ
女性の体はデリケートで、生理の遅れは日常のストレスやダイエットなどちょっとした原因で起こることがあります。
元から生理不順がある人は少しくらい生理がこなくても「またか。。。」と思われるかもしれませんが、長期間生理がこない状態を放置しておくと不妊にもつながります。
妊娠以外で生理が3ヵ月以上こない場合は病院で相談してみてください。
また生理周期が乱れたときに原因を探るためにも、普段から基礎体温を記録しておけるとよいですね。