受精から着床までの期間を妊娠超初期と呼ぶことがあります。
この時期はまだ妊娠検査薬でも反応しませんが、なんらかの体調の変化を感じる女性もいます。
ここでは妊娠のしくみと、着床のサインや妊娠超初期の体調の変化などについてご紹介しています。
妊娠のしくみ
女性の体はいつでも妊娠できるわけではありません。
妊娠のためには排卵のタイミングで卵子と精子が出会う必要があります。
排卵
排卵は生理周期に合わせておこります。
生理周期は人によって異なりますが、28日周期の女性では最後に生理が始まった日からおよそ14日後に排卵がおこります。
女性の卵巣の中には、卵子のもととなる原子卵胞が生まれたときからあって生涯新たに作られることはありません。
卵胞は生理周期に合わせて毎回数個が育ち、そのうちの成熟した一つが卵子として卵巣から放出されることを「排卵」といいます。
排卵された卵子は卵管へ取り込まれ、精子との出会いを待ちます。
性交
性行為によって女性の膣内に射精された精子は、子宮を通って卵管を目指します。
1回の射精で1億個以上もの精子が放出されますが、卵管までたどり着くには数十分から2時間ほどかかり、この間に精子の数は100~1,000個程度にまで減ってしまいます。
射精された精子の寿命は3日程度と言われており、排卵された卵子の寿命はおよそ24時間程度と言われています。
卵子と精子の寿命を考えると、排卵日の2~3日前から性行為をすると妊娠の可能性が高くなります。
排卵日は、生理が28日周期の女性では生理開始日の約14日後になります。
受精
排卵のタイミングで卵子と精子が出会い結びつくことができれば受精が成立します。
基本的に1回に排卵される卵子の数は1つです。
そして、結びつける精子の数もたった1つです。
卵管で受精した受精卵は、細胞分裂を繰り返しながら7日程度かけて子宮へと移動します。
着床
子宮へと移動した受精卵が子宮内膜に着床すると、妊娠の成立です。
妊娠に向けてふかふかのベッドのように厚くなっている子宮内膜が優しく受け止めて、ここで受精卵は胎児へと育っていきます。
着床するタイミングの目安としては、最後に生理が始まった日からおよそ3週間後です。
着床のサインとは?
着床が完了したことを知る方法はないのでしょうか?
受精卵が着床した際にごく少量の出血がおこることがあり、これを「着床出血」といい妊娠初期におこる出血で一番多い原因です。
子宮内膜に受精卵がくっつくときに絨毛という組織を伸ばして根を張ることで着床し妊娠が成立しますが、そのときに子宮内膜の血管が傷つくことで出血がおこります。
生理のときのようにたくさんの血が出るわけではなく、ごく少量の出血が1~2日程度おこります。
着床出血がおこるタイミングは妊娠していない場合の次の生理がくるタイミングとよく似ているため間違いやすいですが、量や出血の期間などが異なります。
ただし妊娠したら必ず着床出血があるわけではなく、その割合は4人に1人以下だといわれています。
着床出血については、「コラム:妊娠のサインの着床出血はいつおこるのか?生理の出血との違い」もご参考にしてください。
妊娠超初期の体調の変化
着床する頃までの極早い段階を「妊娠超初期」と呼ぶことがあります。
着床するのは妊娠3週目あたりですので、まだ妊娠検査薬も反応せず基本的にはご本人にも妊娠しているかどうかは分からない時期です。
ですが、中には女性ホルモンのバランスの変化などでなんらかの体調の変化を感じる人もいます。
【妊娠超初期の体調の変化】
- おなかが張る・腹痛
- 腰痛
- 胸の張りや痛み
- 乳首が敏感になり、こすれていたい
- 眠い・だるい
- イライラしやすい
- 便秘
- 胃や胸がムカムカする
- 食欲がない・食欲があり過ぎる
妊娠超初期の体調の変化については、「コラム:妊娠したかも?妊娠超初期の症状チェック!」もご参考にしてください。
妊娠の日数の数え方
ところで妊娠の日数の数え方をご存じでしょうか?
妊娠のスタートは「最後の生理が始まった日」を起点とします。
「えっ、受精とか着床した日じゃないの?」と思われるかもしれませんね。
受精や着床した日は予測することは出来ても特定ができませんので、わかりやすい最終月経の開始日をもとに計算しています。
つまり「妊娠0週0日」は「最後の生理が始まった日」です。
排卵があるのは最終月経の開始日からおよそ2週間後ですので、性行為をして受精した段階ですでに妊娠2週目頃だということに注意が必要です。
妊娠の日数の数え方については、「コラム:意外と間違いやすい!妊娠週数の数え方と出産予定日の計算」もご参考にしてください。
妊娠したと思ったら
前述の妊娠超初期の体調の変化のほか、次のような変化があると妊娠した可能性が高くなります。
【妊娠した可能性が高い変化】
- 生理がこない
- 基礎体温が高い
- おりものがいつもと違う
次の生理予定日になっても生理がこない場合や基礎体温が高いままであることのほか、いつもの生理前のおりものと違う場合も妊娠した可能性が考えられます。
妊娠すると、おりものは量が増えたりクリーム状になって粘り気がなくなることが多くなります。
これらの症状がある場合は妊娠検査薬で調べてみましょう。
おりものの変化については、「コラム:排卵日や妊娠によって変化するおりものの特徴!」もご参考にしてください。
妊娠検査薬
妊娠したかもと思ったら、妊娠検査薬で調べてみましょう。
使える時期については多くの妊娠検査薬のメーカーでは「次の生理予定日の1週間後」としています。
つまり「最後に生理があった日から約5週間後」で、「性行為の約3週間後」から検査ができることになります。
妊娠検査薬で陽性反応が出ればほぼ妊娠しているといえますが、確定ではありません。
陽性反応だったとしても子宮外妊娠などの妊娠を継続できないケースもありますので、早めに婦人科を受診するようにしてくださいね。
妊娠検査薬については、「コラム:妊娠検査薬はいつから反応するの?陰性でも妊娠している可能性は?」もご参考にしてください。
まとめ
受精から着床までの妊娠超初期ではなんらかの体調の変化がおこる可能性があります。
妊娠を待ち望んでいる方も、「そのうち。。。」と思っている方も、まずは妊娠前からご自身の体のリズムを知っておきましょう。