妊娠中に子宮筋腫が見つかったら?子宮筋腫の原因や治療法も合わせて解説!

子宮筋腫

子宮筋腫は、月経のある女性の4人に1人がなる良性の腫瘍ですが、実は妊娠に影響を及ぼす可能性があることをご存じでしょうか。

身近な病気ではあるものの、悪性腫瘍に変化することはほとんどないため、今は大丈夫だと思われている方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、近年の晩婚化の影響により、不妊の原因を調べるための検査で発覚したり、妊娠中に発覚し手術したりする患者も増えてきています。

そこで今回は、子宮筋腫の症状や治療法、妊娠への影響についてご紹介します。

子宮筋腫とは

子宮筋腫とは、子宮の壁(筋層)の中に発生する良性の腫瘍であり、月経のある女性の4人に1人がなる身近な病気です。

腫瘍と聞くと、命にかかわるような怖い印象を持たれるかもしれませんが、良性の腫瘍は、がん(悪性腫瘍)のように身体のあちこちに転移して悪さをしたりはせず、直接命にかかわるようなことはありません。

しかし、子宮筋腫に似た命にかかわる病気(卵巣腫瘍や子宮肉腫など)もあるため、鑑別検査が重要です。

また、子宮筋腫が身体の中で大きくなりすぎると、日常生活に支障をきたす症状が出たり、妊娠や出産に悪影響を及ぼしたりすることもあります。

筋腫の大きさは、一様に増大するのではなく、筋腫によっては増大しないものや、ある程度の大きさまでしか増大しないものなど様々です。

つまり、子宮筋腫の状態は、患者個々で異なっており、症状や治療法も同様に異なります。

患者個々といっても、筋腫の発生する場所で、筋層内筋腫・漿膜下筋腫・粘膜下筋腫の大きく3種類に分けられ、それぞれ症状が異なります。

筋層内筋腫

筋層内筋腫

筋層内筋腫とは、子宮の壁の中(子宮筋層内)に発生する筋腫であり、子宮筋腫患者の約70%が該当します。

筋層内の筋腫が大きくなると、子宮自体が大きくなり、変形していきます。

子宮の変形により、子宮筋の収縮が妨げられやすくなり、月経血の排出障害・子宮の過剰収縮による月経痛・過長月経などの症状がみられます。

漿膜下(しょうまくか)筋腫

漿膜下筋腫

漿膜下筋腫とは、子宮の外側の膜(子宮漿膜)に発生する筋腫であり、子宮筋腫患者の10~20%が該当します。

漿膜下の筋腫が大きくなり、周りの臓器を圧迫すると、便秘や頻尿などの圧迫症状がみられます。

また筋腫が、まるで茎があるように子宮から離れて膨らんだ状態(有茎性漿膜下筋腫)になると、腫瘍のつけねが捻じれて(茎捻転)しまい、激しい腹痛(急性腹症)やショックを起こすこともあります。

粘膜下筋腫

粘膜下筋腫

粘膜下筋腫とは、子宮の内側の膜(子宮粘膜)の直下に発生し、子宮の内側(子宮腔内)に向けて大きくなっていく筋腫であり、子宮筋腫患者の5~10%が該当します。

粘膜下の筋腫が大きくなると、子宮内膜が薄く引き延ばされて出血しやすい状態になり、過多月経につながります。

また、筋腫が、さらにまわりの子宮内膜を圧迫すると、壊死・感染・過多月経・鉄欠乏性貧血などを起こします。

他にも、子宮が筋腫を異物として認識し、排除しようと子宮収縮が過剰になることで、月経痛や過長月経がみられます。

子宮筋腫ができる原因

子宮筋腫ができる原因は、実ははっきりと分かってはいません。

ただし筋腫は、性成熟期に大きくなり、閉経後は小さくなる特徴から、女性ホルモン(エストロゲン)が関与していると考えられています。

子宮筋腫の症状

子宮筋腫の症状

子宮筋腫患者の約半数は、無症状だといわれており、婦人科検診でたまたま発覚することも多いです。

一方、症状がある場合は、

  • 過多月経(月経の出血量が多い)
  • 過長月経(月経期間が8日以上続く)
  • 月経困難症(月経にともなって起きる下腹部痛や腰痛、頭痛、吐き気、いらいらなどのさまざまな症状)
  • 貧血(過多月経や過長月経に伴う)
  • 下腹部痛
  • 下腹部腫瘤感

などが代表的にみられます。

さらに子宮筋腫が大きくなり、まわりの臓器を圧迫してしまうと、

  • 頻尿
  • 排尿困難
  • 便秘
  • 腰痛

などもみられます。

また、時には不妊や流産、早産の原因にもなります。

これら症状の種類や強さは、筋腫のある場所や大きさ、個数などによっても異なります。

過多月経

1回の月経の出血量が150ml以上の状態をいい、レバー状の血の塊が混じることもあります。

出血量は目安として、1時間ごとにナプキンを取り替えないといけないような場合をさします。

過多月経が続くと、貧血を起こしやすくなるので注意が必要です。

貧血

過多月経や過長月経の程度が強くなると、鉄欠乏性貧血を起こします。

不正性器出血

月経とは無関係の性器からの出血をいいます。

粘膜下筋腫(子宮の内側の膜下の腫瘍)では、不正性器出血を認めることが多く、過多月経の症状も強いと、ひどい貧血にもつながります。

下腹部痛

筋腫が大きくなったり増えたりすることで、血行障害が起きたり、子宮収縮が過剰になったりなど、いろいろな原因により下腹部痛を生じます。

圧迫症状

子宮筋腫が大きくなり、まわりの臓器を圧迫することで、次のような症状が現れます。

  • 膀胱や尿道の圧迫よる、排尿困難や尿閉
  • 尿管の圧迫による、腎盂腎炎
  • 直腸の圧迫による、便秘や排便通
  • 骨盤の圧迫による、腰痛

漿膜下筋腫(子宮の外側の膜下の腫瘍)で、特にみられる症状です。

子宮筋腫の検査方法

子宮筋腫の診断は、一般的に問診、内診、超音波検査により行われます。

これらの検査は、今後の治療法の検討、妊娠・出産を計画する上でも重要な情報となります。

また、他の悪性腫瘍(卵巣腫瘍や子宮肉腫など)の可能性も考慮し、鑑別する必要があります。

問診

過多月経や月経痛、圧迫症状など、既述した症状がないかを確認します。

内診

子宮筋腫の内診は、視診、触診および双合診というもので行われます。

内診台に座り、膣鏡という器具を用いて、膣内に異常がないかを観察します(視診)。

次に医療用手袋をつけた指を膣内に入れ、実際に触れて確認します(触診)。

最後に、膣に入れた指と、おなかの上において手で子宮をはさむようにして、子宮の形状に異常がないかを確認します(双合診)。

子宮筋腫が存在する場合は、子宮の形がボコボコしており、硬く膨らんでいることを確認できます。

超音波検査

woman getting ultrasound diagnostic from doctor

超音波検査は、プローブ(超音波発信機)を用いて、子宮に超音波をあてて、リアルタイムで子宮の状態を画像化します。

おなかの上にあてる経腹法と、膣に挿入する経腟法があり、両方とも実施することが望ましいとされています。

経腹法は、おなか側にある筋腫(筋層内筋腫や漿膜下筋腫)をみるために用いられ、経腟法は子宮口の近くにある筋腫(粘膜下筋腫や筋層内筋腫)をみるために用いられます。

超音波検査で十分な所見がみられなかった場合には、MRIやCTによる画像検査を行います。

MRI

MRIは、筋腫を診断する上で、最も有効な画像検査です。

電磁気の力を利用したMRI(磁気共鳴画像撮影)装置を用いて撮影し、筋腫の大きさや数、位置、種類を正確に画像化します。

特に悪性腫瘍(卵巣腫瘍や子宮肉腫)との鑑別をする際には、MRIの結果が必要となります。

子宮筋腫の治療法

症状がない、または軽症の場合は、経過観察となります。

3~6ヵ月ごとに定期的な検診をおこない、筋腫の状態や症状を確認します。

経過観察中に、筋腫が増大する方もいる一方で、全く大きさが変わらなかったり、閉経後で縮小したりする方もいるため、必ずしも治療が必要になるわけではありません。

ただし、次の場合は、手術療法または薬物療法による治療がおこなわれます。

  • 症状が強い
  • 筋腫が大きい
  • 筋腫が大きくなる速度が速い

症状が軽度であっても、悪性腫瘍の可能性がでてきた場合には、手術が必要です。

悪性腫瘍の可能性は、「腫瘍の大きさ≧8cm」または「MRIで悪性の所見があった」の場合に疑われます。

子宮筋腫の治療:手術療法

手術療法には、筋腫のみを切除する「子宮筋腫核出術」と、子宮全体を摘出する「子宮全摘術」があります。

子宮筋腫核出術は、子宮を残すことができ、今後も妊娠を希望する方に向いています。

子宮筋腫核出術の方法には「開腹手術・腹腔鏡下手術・子宮鏡下手術」があり、また子宮全摘術の方法には「開腹手術・腹腔鏡下手術・膣式手術」があります。

開腹手術は、文字通りおなかを切って筋腫を切除する方法です。

手術中はおなかの中を広く見渡せることから、すべての筋腫に適用できますが、デメリットとして、入院期間が長いことや、おなかに傷跡が残ってしまうことがあげられます。

腹腔鏡下手術は、おなかに小さな穴をあけ、そこから腹腔鏡(カメラ)やメスなどを入れて、筋腫を切除する方法です。

体に残る傷跡が小さいことや、入院期間が短いことがメリットです。

しかしデメリットとして、子宮の内側にある筋腫(粘膜下筋腫)の場合には適用ない点や、筋腫が大きすぎると実施が難しい点があげられます。

子宮鏡下手術は、子宮鏡を膣から子宮内に挿入し、筋腫を切除する術式です。

おなかに傷がつかず、手術時間が短く、回復が早いことがメリットです。

しかしデメリットとして、粘膜下筋腫の核出術のみにしか適用できない点や、筋腫が大きすぎると実施が難しい点があげられます。

膣式手術は、膣の奥を切開して子宮を取り出す術式であり、すべて膣を通した手技でおこなわれます。

おなかに傷がつかず、痛みも少なく、回復が早いのがメリットですが、デメリットとして筋腫が大きい場合や膣が狭い人では実施が難しいことがあげられます。

子宮筋腫の治療:薬物療法

GnRHアナログ製剤という薬による治療(ホルモン療法)が、おもに行われます。

子宮筋腫は、女性ホルモンの分泌によって大きくなるため、ホルモン療法をおこなうことで、その女性ホルモンの分泌を抑えて子宮筋腫を縮小させます。

GnRHアナログ製剤には、点鼻薬と皮下注射剤、経口剤があります。

いろいろな投与方法があるので、自分にあった方法はどれか医師と相談して決めましょう。

副作用は、不正性器出血や更年期様症状、骨量の減少が報告されています。

子宮筋腫は妊娠に影響するの?

幸せそうにお腹を眺める妊婦

すべての子宮筋腫が、妊娠に影響するわけではありません。

しかし、子宮筋腫が原因で不妊や流産、早産になることがあります。

不妊症の原因が、子宮筋腫といえるのは全体の2~3%に過ぎないとされています。

とくに粘膜下筋腫では、子宮内膜の変形が起きやすく、着床障害により不妊になることがあります。

妊婦さんで子宮筋腫のある方は、多くが問題なく無事に出産されます。

しかし稀に、妊娠中の女性ホルモンが増える時期に筋腫が増大し、問題になることがあります。

症状としては、子宮筋腫の増大により、妊娠で大きくなった子宮がさらに大きくなり、痛みや血栓症がみられることがあります。

また、胎児への影響として、流産や早産、胎位異常のリスクが高まる場合があり、出産時では、帝王切開になる可能性が高まります。

これらの影響は、子宮筋腫の妊婦さんすべてに該当するわけではありません。

あくまで、子宮筋腫がない方と比べて、妊娠に伴うリスクが少なからずあるということですので、不安な方は医師に相談してみましょう。

妊娠中に子宮筋腫が見つかったらどうすればよいのか?

妊娠と子宮筋腫

多くの妊婦さんで、症状をコントロールする程度の対症療法がおこなわれます。

ただし、筋腫の部位や大きさ、個数、年齢などを考慮して、流産や早産のリスクが高いと判断された場合には、薬物療法や手術療法がおこなわれます。

子宮筋腫が妊娠や出産に与える影響は、人それぞれ異なります。

また対処療法、薬物療法、手術療法は、それぞれメリット・デメリットがありますので、あなたに合った対処法を医師と相談して決めていきましょう。

まとめ

今回は、婦人科では身近な病気といえる子宮筋腫について、その特徴から、治療法、妊娠への影響についてまとめました。

子宮筋腫の症状が自分にもあると気になった方、不妊で悩んでいる方、妊娠中で不安になった方は、婦人科医師に相談してみましょう。


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