もうすぐ赤ちゃんが産まれる兆候の一つに「おしるし」がありますが、初めての妊娠・出産では聞きなれない人が多いのではないでしょうか。
妊娠後期の出産間近のタイミングで出血があると心配になるでしょうが、知っていればおしるしはいよいよ赤ちゃんに会えるサインの一つのため、むしろ待ち遠しく感じるかもしれませんね。
ここでは、おしるしから出産までの期間や気をつけるべき出血の特徴、おしるしから陣痛や破水までについてご紹介しています。
おしるしとは
おしるしとは出産間近に出るおりものに血が混ざったようなもののことを呼び、もうすぐ赤ちゃんが産まれる兆候の一つです。
お産のサインの一つではありますが、おしるしがあったからといってすぐに産まれるわけではないため、まだ慌てなくて大丈夫です。
【おしるしの特徴】
- 少量の出血
- 色はピンクや茶色、暗褐色など
- 粘り気がありドロッとしている
- 出血は長く続かない
- 複数回あることも
おしるしの量や色には個人差があります。
量は少し下着につく程度の人がいれば、生理に近いくらいの量の人もいます。
色はピンク色や暗褐色、茶色っぽいことが多くおりもののように粘り気がありドロッとしていることが一般的です。
出血はすぐにおさまりますが、複数回あることもあります。
ただし、おしるしは必ずあるわけではなく、おしるしがなくお産が始まる人もいますので、一つの目安として考えるとよいでしょう。
なぜ出血するの?
赤ちゃんが入っている袋である「卵膜」は子宮の壁にはりついています。
お産が近づくと子宮口が徐々に開いたり子宮が収縮することによって卵膜の一部が子宮壁からはがれ、このときに毛細血管が破れるために出血がおこります。
出血量は多くなく、少量で長くは続きません。
もし痛みがそれほどなく、生理二日目くらいの出血量が続く場合は破水している可能性があります。
ナプキンで足りないくらいの出血量がある場合やいつまでも続く場合はおしるし意外の理由で出血していると考えらえます。
おしるしから出産までの期間
おしるしがあるとその後いつ赤ちゃんが産まれるのでしょうか?
これは人によってまちまちで、おしるしがきてから1~2日以内に陣痛がきてお産が始まる可能性が高いですが、中には1週間以上陣痛がこないという人もいます。
「いつ産まれるのかな?」と気が気ではないでしょうが、ずっと緊張していると身体が持ちませんので、入院の準備や家族との打ち合わせを確認して心静かに待ちましょう。
ただし、おなかの張りがある場合や出血量が多く痛みをともなう場合はすぐに医師にご相談してください。
お産の始まりにはいくつかのパターンがあります。
「もうすぐお産が始まるよ」という兆候としては「おしるし」や「前駆陣痛」があります。
その後本格的なお産の始まりとして「陣痛」「破水」があります。
決まった順番というものはなくこれらが全部ある場合や、お産の兆候がなく陣痛と破水のみの場合もあります。
前駆陣痛
もうすぐお産が始まる!というサインにおしるしのほか「前駆陣痛」があります。
前駆陣痛(ぜんくじんつう)とは、まだ本格的な陣痛ではありませんが、弱い痛みやおなかの張りを不規則に感じます。
この痛みは、子宮が収縮しているためにおこります。
「痛いなぁ。。。」と思っていても20~30分たつと楽になったり痛みがおさまったりして、それが不規則に続きます。
どんどん痛みが強くなって間隔も短くなり、痛みと痛みの間隔が10分以内で規則的になったら本格的な陣痛です。
破水
破水とは赤ちゃんが入っている卵膜が破れて中の羊水が膣から流れ出てくることをいいます。
通常は陣痛がきて子宮口が開ききると破水しますが、陣痛前に破水がおこることを「前期破水」といいます。
妊娠37週を過ぎて正期産であれば前期破水でもそれほど心配する必要はありません。
ただし、前期破水では赤ちゃんを守っている卵膜が破れているため膣から細菌が入り赤ちゃんが細菌感染する危険性がありますので、早く病産院へ連絡をしてください。
破水は尿と違って自分の意思で止めることができません。
まずはナプキンか清潔な布を当てて応急処置をしましょう。
少量の場合は尿との見分けが難しいですが、尿ではなさそうならすぐに産院へ連絡をしてください。
臭いは個人差がありますが、全く臭いがしない場合から生臭い場合まであります。
気になって洗いたいと思いますが、シャワーやお風呂に入ると膣から赤ちゃんに細菌感染のおそれがありますのでNGです。
量が多いときは水がどんどん出てきますので、タクシーなどを使いできるだけ動かないようにして、慌てず病院へ向かいましょう。
病院へはいつ行けばいい?
おしるしがきてもまだ慌てて病院へ行く必要はありません。
早く病院へ行ってもできることはなく、おしるしから陣痛が始まるまでに人によっては1週間以上かかることもあります。
病院へいくタイミングはおしるしではなく、陣痛や破水を起点で考えましょう。
ただしあきらかにおかしいと思う出血がある場合や、おなかが張ったり強い痛みがある場合は切迫早産などの可能性もありますのですぐに病院へ連絡してください。
こんな出血は気をつけて!
妊娠後期でお産間近にみられる出血は、おしるし意外でもなんらかのトラブルによりおこる可能性もあります。
【おしるしではない出血の特徴】
- ナプキンで足りないくらいの出血量
- サラサラとした出血
- 血の塊が出る
- 強い腹痛がある
このような出血は常位胎盤早期剥離や前期破水などの可能性があります。
常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)とは、なんらかの理由でお産が始まる前に胎盤がはがれてしまうことをいいます。
胎盤が完全にはがれてしまうと胎児に酸素や栄養が供給されなくなってしまうため、すぐに赤ちゃんを取り出してあげる必要があります。
常位胎盤早期剥離については、「コラム:胎盤の重要な役割と前置胎盤などのトラブル」もご参考にしてください。
また、前期破水では羊水におしるしが混ざって大量に出血しているように見えることがあります。
これらの症状がある場合はすぐに対処する必要があります。
まとめ
出産間近に出血があっても、少量のおりもの状のものが下着につく程度ならそれはおしるしなので、心配したり慌てる必要はありません。
お産の入院準備を整えて、陣痛が始まるのを静かに待ちましょう。
元気いっぱいの赤ちゃんと対面できるのを楽しみに、健やかにお過ごしくださいね。