切迫流産とはどんな状態?流産や切迫早産との違い、原因や症状など徹底解説!

流産のイメージ

妊娠が判明し喜びいっぱいの矢先、「切迫流産」だと診断されたら、流産してしまうのかと恐怖でいっぱいになりますね。

多くの妊婦さんが感じる流産への不安ですが、家事や仕事、上の子の子育てが影響するのか?何がきっかけで流産になってしまうのか、正しい情報を知らなければより不安は募ってしまいます。

ここでは、流産の原因や防ぐ方法はあるのか、流産と切迫流産は何が違うのか?といった疑問について徹底解説いたします。

切迫流産とは

切迫流産とは、まだ流産してはいませんが「流産になりかけている」状態のことをいいます。

流産との決定的な違いは、切迫流産は赤ちゃんの心拍があり、生きているということです。

「切迫」とは、さしせまること、緊張した状態になることをいいます。

妊娠22週未満で出血や腹痛がある場合、正常妊娠であっても「切迫流産」と診断されることがあります。

これは、出血や腹痛が何によるものなのか判断が難しく、またそれらの症状があれば切迫流産といえるからです。

切迫流産と診断されても、70%くらいは無事に出産しています。

安心はできませんが、必ずしも流産するわけではありません。

治療薬はなく、できる対処法としては「安静にする」ことです。

流産とは

では流産とは具体的にはどのような状態でしょうか?

流産とは、妊娠22週未満になんらかの原因でお腹の赤ちゃんが亡くなることを言います。

「流産」という言葉の響きから、赤ちゃんが亡くなって出てくることをすべてそう呼ぶように感じますが、「妊娠22週未満に妊娠が終わる」ことはすべて流産と呼びます。

流産は、人為的に行う人工流産と自然早産に分けられます。

人工流産とは?

流産のうち、母体保護の目的で手術によって妊娠を終わらせることをいい、いわゆる「中絶(人工妊娠中絶)」のことです。

さまざまな理由により妊娠を継続することが難しい場合に行なわれる手術で、人工的に胎児を体外に排出させます。

母体への影響も少なからずあり、何度も中絶手術を受けた場合や、手術後の感染などにより、その後の妊娠がしにくくなる可能性があります。

自然流産とは?

自然流産とは、流産のうち、人工流産でないものをすべていいます。

何らかの原因で赤ちゃんが子宮内で成長せず、心拍も止まってしまう状態です。

自然流産の多くは、亡くなった赤ちゃんは自然に体外へ排出されます。

流産のほとんどは、「早期流産」と呼ばれる妊娠12週未満に起こります。

流産と死産の違い

流産と死産の違いは、両方とも胎児が亡くなることを言いますが、妊娠22週未満の場合は「流産」、妊娠22週以降は「死産」といいます。

これは、妊娠22週未満での生存例がなく、赤ちゃんがお腹の外に出ても生きていける可能性がないためです。

一方、厚生労働省では、次のように定義しています。

死産(死産)

胎児が子宮外で生存できる時期に達してから、死んだ胎児が娩出された場合のこと。
子宮外で生存できる時期に達した胎児が、死んで娩出された場合のことを指しています。
厚生労働省は、妊娠12週以降に死亡した胎児を出産することを死産と定義し、市区町村への届け出を義務付けています。
死産を引き起こす原因は赤ちゃん自身の先天性異常や母体側の要因などさまざまです。

引用元:e-ヘルスネット(厚生労働省)

これは、妊娠12週以降にお腹の赤ちゃんが亡くなった場合、法令で死亡届が必要になるからです。

流産の原因

DNA

流産はほとんどの場合、赤ちゃん側に原因があります。

流産の多くは妊娠初期である妊娠12週までに起こっています。

妊娠初期の流産は染色体異常や遺伝子の病気など、多くは赤ちゃん側の問題が原因であり、残念ながら防ぐことはできません。

これらの問題は受精の過程で偶然起こり、赤ちゃんに成長していく力がないため妊娠初期の段階で流産となってしまいます。

お母さんが妊娠に気づくのが遅れて、ハードな運動や仕事、飲酒をしていたから流産になるということはほとんどありませんので、もしそうなったとしてもご自身を責めないでください。

一方、お母さん側の原因としては、子宮の異常(奇形、子宮筋腫、絨毛膜下血種)や感染症、内分泌代謝異常、自己免疫異常、血液凝固異常などが考えられます。

切迫流産・流産の兆候と症状

妊婦 下腹部痛

切迫流産・流産の主な症状は、出血、腹部の張りや下腹部痛、腰が痛くてだるいなどです。

どちらも症状は同じです。

妊娠初期に、少量の出血や腹痛が起こることはよくあります。

すべての妊婦さんのうち、3~5人に1人はこのような出血がみられます。

また、正常な妊娠経過でも、流産とは関係なく「着床出血」や「妊娠月経」と呼ばれる出血がみられることがあります。

通常、妊娠中にはホルモンのバランスが変化するため、腰痛や軽い腹痛が起こりやすい状態になっています。

生理痛のような鈍い痛みからピリピリとする腹痛まで様々ですが、症状を感じたとしても流産とは限りません。

必要以上に不安を感じることはありませんが、症状が続いたり痛みが強い、真っ赤な血が出る場合などはかかりつけの産婦人科で相談しましょう。

出血量が多く痛みが強いほど、流産の可能性が高くなります。

流産・切迫流産を予防するには?

妊娠初期の流産の多くは残念ながら防ぐことができないため、過度に神経質にならずストレスを抱えないようにしましょう。

早期流産の原因のほとんどは赤ちゃん側の問題ですが、お母さん側の原因を減らすために以下のことに注意しましょう。

感染症予防に努める

妊娠初期に風疹などの感染症にかかると流産になる可能性がありますので、人混みを避ける、手洗いうがいをしっかりするなど予防に努めましょう。

妊娠前に風疹抗体検査を受けておくとよいでしょう。

妊娠前に子宮の検査をする

妊娠前に出来ることとしては、子宮の異常が流産の原因となり得ますので、超音波による子宮奇形や子宮筋腫、子宮内膜症などの検査をしておくとよいでしょう。

切迫流産の対処法と治療

切迫流産の対処法は「安静にする」ことです。

流産を防ぐ効果が立証されている薬はありませんが、医師の判断で薬を処方されることもあります。

妊娠初期に出血や腹痛があり切迫流産と診断されたとしても正常妊娠であることも多く、赤ちゃんが元気で子宮頸管が閉じていれば自宅で安静にし経過観察となります。

自宅安静は常にベッドで横になっている必要はなく、家事などの日常生活は可能です。

重いものを持ったりせず、動くときは休憩をはさみながら身体に負担がかからないようにしましょう。

流産後の手術

初期の流産であれば経過観察とする場合もありますが、状況に応じて手術を行ないます。

完全流産」で、胎児や胎盤など子宮の内容物がすべて出ている場合は手術は必要ありません。

一方「不全流産」で、子宮内に組織が残っている場合は放置すると感染症などの危険がありますので、手術で取り出します。

手術は全身麻酔で、10分程度で終わります。

一般的に一泊の入院となることが多いようですが、日帰りが可能な場合もあります。

流産後に気をつけることとは?

シャワーを浴びる女性

流産直後は、子宮内膜が傷つき荒れた状態ですので、1週間程度は安静にする必要があります。

出血がありますが、1~2週間程度で治まります。

シャワーは基本的に退院した翌日からOKですが、入浴はしばらく控えましょう。

セックスは次の月経が来る、1ヶ月後くらいまでは控えましょう。

心配なのは次の妊娠ですが、月経が来れば子宮が順調に回復していると言っていいでしょう。

次の妊娠を望む場合は、月経が2~3回くるまでは待ちましょう。

流産後は心も身体も不安定ですので、パートナーのサポートも得ながらストレスのないように過ごしてください。

流産と早産の違い

流産と早産は全く違います。

流産は妊娠22週未満におなかの赤ちゃんが亡くなることをいいますが、早産は妊娠22週~36週までに赤ちゃんが生まれることをいいます。

妊娠22週未満では、赤ちゃんはお母さんのお腹から出て生きていくことが出来ませんが、妊娠22週を過ぎると身体の各器官は未熟ではありますが、生きられる可能性があります。

早産については、こちらのコラムもご参考にしてください。

流産が起こる確率・割合は?

流産する確率は、妊娠したすべての人のうち15%前後だといわれており、けっして珍しいことではありません。

6~7人に1人は流産していることになります。

この流産する確率は、女性の年齢と関係しています。

流産と妊婦さんの年齢は関係するのか?

自然流産する確率は、お母さんの年齢が上がるほど高くなるというデータがあります。

年齢区分妊娠例数自然流産例数自然流産率(%)
24歳以下901516.7
25~29歳6737411.0
30~34歳6516510.0
35~39歳2615420.7*
40歳以上923841.3*
合計1,76724613.9
*25~29、30~34歳の群と比較して有意差あり(p<0.01)
資料:虎ノ門病院産婦人科 1989.1.~1991.7.データ
母体年齢と流産 周産期医学 vol.21 no.12, 1991-12

高齢出産では胎児の染色体異常が増えるため、流産の確率も高くなります。

40歳以上での自然流産率が40%以上というのは、かなり高いと驚かれた人も多いのではないでしょうか。

流産は繰り返すのか?

流産の多くは偶然起こるため、誰しもその可能性があります。

一度流産したからといって、次も流産する確率が高くなるわけではありません。

しかし、流産を2回以上繰り返す場合を反復流産、3回以上繰り返す場合を習慣流産といいます。

流産を繰り返す場合は、胎児側以外の原因(両親)が考えられますので、不育症の検査を受けてみた方がよいでしょう。

不育症とは、妊娠しても流産や死産を繰り返す状態です。

不育症のリスク因子としては、次のものがあります。

両親の染色体異常

夫婦どちらかに染色体の構造異常があると、胎児の染色体異常も起こりやすくなります

子宮の異常

子宮の奇形などの異常

内分泌異常

甲状腺の異常や糖尿病など

血液凝固異常

血液を固める因子に異常があると、血栓が出来やすくなり胎児にうまく栄養が行き届かなくなります

流産の状態による分類

ここまでに、「完全流産」「不全流産」がでてきましたが、流産の状態によって「稽留流産(けいりゅうりゅうざん)」「進行流産」という分類もあります。

稽留流産

お母さんに自覚症状はないが、すでに赤ちゃんが亡くなってしまい、お腹の中にとどまっている状態です。

超音波検査で分かります。

経過観察をして胎児が出てこないようであれば、手術が必要になります。

進行流産

出血や強い下腹部痛があり、子宮が収縮を開始している状態です。

流産が進行中であり、残念ながら進行流産だと分かっても途中で止める手だてはありません。

その他に、妊娠が確定する前に流産してしまう「化学流産」というものもあります。

精子と卵子が出合い受精をしたから妊娠成立というわけではありません。

受精卵が子宮内膜に着床し、赤ちゃんを包み込む胎嚢(たいのう)が確認できて妊娠が確定します。

化学流産とは、着床から胎嚢が確認されるまでに流産することをいいます。

妊娠検査薬では陽性だったのに、妊娠していない?という場合は化学流産かもしれません。

まとめ

草原でピクニックをするカップルの後ろ姿

流産の多くは妊娠初期に起こり、残念ながら防ぐ手立てはありません。

せっかく自分のところへ来てくれた赤ちゃんに申し訳ないことをした。。。と思うかもしれませんが、その大半はたまたま起こることで、誰のせいでもありませんので、ご自身を責めないでください。

心配し過ぎて、普通の日常生活が送れずストレスを抱えるとかえって身体によくありませんので、不安なことがあれば助産師さんやかかりつけ医に相談しましょう。

必要以上に恐れず、穏やかに妊娠期間をお過ごしください。


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