吐き気などのつわりの症状によって「ひょっとして。。。」と妊娠に気づく方もいますが、いつからつわりは始まるのでしょうか?
妊娠を喜ぶ一方で、気持ち悪さなど不快な体調の変化は少しでも軽くしたいですよね。
ここでは、つわりの症状や食べ方のコツなどについてご紹介いたします!
つわり
つわりとは妊娠初期に起こる吐き気や気持ち悪さなどの症状のことをいいます。
妊娠するとつわりが必ずあるわけではなく、妊婦さんのうち50~80%がつわりを経験するとされています。
つわりの症状の種類や程度、時期については個人差があり、同じ女性でも第一子と第二子では様子が異なる場合もあります。
またずっと同じ症状ではなく日によって変わることもあります。
症状を感じなかったという人がいれば、入院が必要なほど重症化する人もいます。
つわりはいつから始まる?
つわりは早い人では次の生理予定日頃に始まります。
次の生理予定日は妊娠週数でいうと妊娠4週頃にあたり、生理がこないことや吐き気などの症状から「これってもしかして妊娠?」と気づくかもしれませんね。
一般的には生理予定日を1週間ほど過ぎた、妊娠5週頃からつわりが始まります。
妊娠週数の数え方については、「コラム:意外と間違いやすい!妊娠週数の数え方と出産予定日の計算」もご参考にしてください。
つわりのピークはいつ?
つわりのツラさや時期は人それぞれですが、妊娠8週~9週頃が一番辛かったという人が多いようです。
妊娠8週は妊娠3ヶ月にあたり、つわりがひどくてトイレに駆け込む。。。というイメージがなんとなく妊娠3ヶ月という言葉にあるのではないでしょうか?
(自分だけでしょうか?)
症状が重いと1日に何度も吐いてしまったり、ほとんど食べられないというケースもあります。
つわりはいつまで続く?
いつまでこのつわりのツラさは続くのでしょうか?
早いと妊娠10週くらいですっと終わる人もいますが、多くは妊娠15週ごろまで続きます。
いつまで続くんだろうと不安になるかもしれませんが、つわりには必ず終わりがありますので工夫をしながらなんとか乗り切っていきましょう。
つわりの原因
なぜ妊娠するとつわりが起こるのでしょうか?
その原因は諸説あり、妊娠すると増えるホルモンの影響によって脳の嘔吐中枢が刺激されるためだとか、環境の変化にストレスを感じ自律神経が乱れるためだなどといわれていますが、はっきりとしたメカニズムは分かっていません。
そのため、症状に対する対処法はあってもつわりを無くす根本的な解決法は見つかっていません。
つわりの症状チェック!
つわりの症状としては吐いてしまうことや食べ物の好みが変化することなどがイメージとしてあると思いますが、代表的なよくある症状について次のような表現をすることもあります。
【代表的なつわりの症状分類】
- 吐きづわり:食べると吐いてしまう
- 食べづわり:食べてないと気持ち悪くなる
- 眠りづわり:眠い、だるい
- よだれづわり:よだれが大量に出る
食べると気持ち悪くて吐いてしまう方や、逆にずっと口になにかを入れていないと気持ちが悪くなる方もいて、つわりの症状は人によってさまざまです。
【つわりのよくある症状チェック!】
- 吐き気・嘔吐
- 胃や胸のむかつき
- げっぷが出る
- 朝起きると気持ち悪い
- 食欲がなくなる
- 食べていないと具合が悪い
- 食の好みが変わる・偏食
- 倦怠感、だるい
- とにかく眠い
- においに敏感になる
- イライラ・頭痛
- 唾液が大量に出る
とくに消化器系のトラブルのほか、味覚や嗅覚の変化、眠気やだるさがよく見られます。
吐き気・嘔吐
胃や胸がむかむかして吐き気を感じることがあります。
食べるとすぐに吐いてしまったり、胃の中が空っぽでも胃液を吐いてしまったりします。
おなかの赤ちゃんのために栄養を取らないとと焦って無理やり食べようとしてしまうかもしれませんが、妊娠初期はまだおなかの赤ちゃんは小さくそれほど多くの栄養を必要としませんので、栄養よりも食べれるものを優先して口にするようにしてくださいね。
朝起きるとムカムカする
朝起きてすぐは血糖値が下がっているためむかつきや気持ち悪さを感じやすくなっています。
さらに空腹だと気持ち悪くなりやすいため、起きたらすぐに口に入れられるキャンディなどを枕元に置いておくとよいでしょう。
とにかく眠い
ホルモンバランスの変化によって強い眠気や体のだるさを感じやすくなります。
いくら寝ても眠気が取れなかったり、日中や仕事中にも強い睡魔が襲ってくることもあります。
日中に時間が許すのなら軽く仮眠を取ったり、仕事中なら違う階のお手洗いへ行ったり少し外の空気を吸いに行くなど気分転換をして乗り切りましょう。
眠さやだるさは周囲に伝わりづらく怠けていると勘違いされることもありますので、つわりの一種だと伝えてご自身のストレスにならないようにしてくださいね。
イライラ・頭痛
つわりがある妊娠初期は特に精神が不安定になりやすい時期で、妊娠や出産に対しての不安や家事や仕事との両立、流産の心配などストレスになる要因を挙げるとキリがありません。
さらにホルモンバランスの変化により、生理の時のようなイライラや頭痛を感じやすくなります。
イライラは精神的なストレスが原因となることも多いため、散歩したり好きな音楽を聞いてリラックスしたり、楽しいことをして気分転換しましょう。
また旦那さんとハグなどのスキンシップをとることも大切で、愛情ホルモンが分泌されてストレスを軽減してくれます。
食べ物の好みが変わる
妊娠前はそれほど興味がなかった食べ物が急に食べたくなったりします。
酸っぱいものや辛いものが好まれる傾向があり、特にフライドポテトやポテトチップスなどのジャンキーなものが食べたくなる人が多いようです。
つわりの間の一時的な変化ですので、食欲がない場合は食べられるものを少しでも口にするようにしてくださいね。
唾液が大量に出る
とくに酸っぱいものを想像しているわけでもないのに唾液が大量に出てくることがあります。
飲み込むのがツラいほど大量に出る場合は、寝るときに空のコップを枕元に置いておくなどしてすぐに吐き出せるよう工夫してみましょう。
つわりの症状別食べ方のポイント!
よくあるつわりの症状の中でも食べることに関する症状が多くあります。
おなかの空き具合のほか血糖値が下がっているときなど、症状が出やすいタイミングがありますのでいかに避けるかがポイントになります。
つわりの間の偏食や食べ物の好みの変化はよくあることで一時的なものですので、まずは食べられるものを探してみましょう。
吐きづわり
吐きづわりは食べると吐いてしまったり、食べておらず胃の中が空っぽで吐くものがなくても吐き気に襲われたりします。
食べてもどうせ吐いてしまうからといって食べる量を最小限にしてしまうとママの体が持ちません。
吐いても当たり前と思って、食べては吐くを繰り返して少しずつでも食べられそうなものを口にすることが大切です。
空腹でも満腹でも気持ち悪くなりやすいため、食事は一度にたくさん食べるのではなく今まで1食で食べていた量を2~3回に分けるなどして食べるとよいでしょう。
むかつきがあるときには柑橘系の果物や、酸味のある酢や梅などを使ったさっぱりとした料理が食べやすいことが多いようです。
吐き気がひどくてどうしても食べられない場合、脱水が心配なので水分だけは意識してとるようにしましょう。
水分は水から以外でも、スープや汁気の多い食べ物、水分の多い果物などでも構いません。
ゼリータイプの栄養補給食だとミネラルなども入っているうえに喉を通りやすいのでおすすめです。
水を飲んでも吐き気があるときは、冷たくてさっぱりする氷を口に含んでおくのもよいでしょう。
食べづわり
食べづわりはおなかが空くと気持ち悪くなるためずっと何かを口に入れていたい状態です。
空腹の時間を作らないよう、食べづわりの場合も小分けにしてちょこちょこ食べるようにしましょう。
妊娠中の急激な体重増加はおなかの赤ちゃんが育ちすぎて巨大児になる可能性や、その影響で帝王切開になるリスクが高くなるため、体重のコントロールも大切です。
カロリーが気になるときはガムや硬いグミ、するめなど長く口の中に入れておけるものがおすすめです。
逆におなかがいっぱいでも気持ち悪くなりやすいためドカ食いには要注意です。
よく噛んで時間をかけてゆっくり食べることを心がけましょう。
においづわり
においづわりは食べ物や芳香剤など妊娠前は良い香りだと思っていたにおいで気持ち悪くなったり吐き気を感じたりします。
温かい食べ物は香りが立ちやすいため、炊きたてのご飯やスープ、煮物などの香りに気持ち悪さを覚える人が多いようです。
冷ましたり凍らせたりするとにおいが減って食べやすくなります。
冷たい食べ物では味気ないと思う場合は味付きおにぎりにしたり、冷製のスープにするなど工夫すると美味しく食べられます。
料理中の湯気がつらいかもしれませんね。
マスクをして調理をしたり家族にかわってもらうほか、レトルト食品やデリバリーを利用するなど、とにかく不快に感じるにおいから遠ざかるようにしてつわりを乗り切ってください。
悪阻(おそ)とは?
つわりは多くの妊婦さんが経験するもので吐くことを繰り返していても基本的に問題ありませんが、症状がひどい場合は入院が必要なケースもあります。
重症化したつわりを妊娠悪阻(にんしんおそ)といい、全妊婦さんの05%前後に起こっています。
妊娠悪阻は食事や水分補給ができないほどつわりが重症化した状態のことで、体重が5%以上減ったり脱水症状がある場合は点滴などで治療をする必要があります。
ひどいつわりを放っておくと内臓や脳神経などにも影響を及ぼし、後遺症や命に関わる可能性もあります。
【重症化した妊娠悪阻の症状】
- 意識障害
- 肝機能障害
- 腎機能障害
- 脳神経障害
妊娠悪阻を防ぐためには、水分補給と体重減少を防ぐためにちょっとずつでも食べることが大切です。
またストレスが多い妊婦さんに妊娠悪阻が多く発症するとされていますので、心身の休養と気分転換ができるとよいですね。
症状が軽い場合は通院で回復するケースもありますので、重症化するまで我慢せずに早めに医師へご相談するようにしてください。
妊娠悪阻については、「コラム:つわり(妊娠悪阻)を重症化させないために」もご参考にしてください。
まとめ
つわりの間は吐いてもいいので食べることと、水分補給をしっかりするということが大切です。
吐いているとおなかの赤ちゃんに悪影響はないのかと心配する妊婦さんもいらっしゃいますが、つわりの有無や程度は赤ちゃんの成長に関係ありません。
つわりが落ち着くときは必ずやってきますので、一人で頑張り過ぎず頼れる人に頼りながら、工夫して乗り越えていきましょうね。