NIPTの検査結果はいつ分かる?結果の意味と確定的検査を受ける上での注意点とは

NIPTの検査結果の意味について考える夫婦のイラスト

妊娠すると新しい命が芽生える嬉しさの反面、おなかの赤ちゃんに病気がないか心配になってしまうものです。

まだ生まれていない赤ちゃんに病気があるかどうかを調べるには「出生前診断」という検査があり、「NIPT(新型出生前診断)」によって染色体疾患の有無を調べることができます。

今回は、このNIPTの検査結果について、どのように受け止めれば良いのか、意味と注意点についてご紹介します。

NIPTの検査結果はいつ分かる?

NIPTは妊婦さんから採血した血液を検査します。

採血した検体を検査に出してから結果が出るまでに5~10日かかるので、検査をしてから結果を聞くまではおよそ1~2週間だと考えればよいでしょう。

(ただし、それぞれの施設によって輸送・検査体制に差があり、結果が出るまでの期間も異なります)

ほかの非確定的診断検査と比べて陽性・陰性の的中率が高く、検査結果の信頼性・信憑性が高いこともNIPT検査の特徴のひとつです。

確定診断の羊水検査を行うことができるのは妊娠15週からですが、羊水検査を受けるかどうか迷っている方にとっても、まずはNIPTで調べてみるという選択肢が増えたと言えます。

NIPTは、妊娠10週以降から受けることが可能で、確定診断の羊水検査や従来の非確定的検査より早く胎児の状態を知ることができます。

NIPTの検査結果の意味

前提として出生前診断には「非確定的検査」と「確定的検査」の2種類の検査があります。

NIPTは非確定的検査に分類され、結果が確率で表される検査です。

確定診断のためには、確定的検査の羊水検査を行う必要があります。

<出生前診断の種類>

  • 非確定的検査:NIPT(新型出生前診断)、コンバインド検査、母体血清マーカー検査
  • 確定的検査:羊水検査、絨毛検査

NIPTの検査結果は「陰性」と「陽性」で示され、採取した妊婦さんの血液から胎児DNAのかけらを拾えない場合には「保留」と表示されます。

注意点として、先に説明した通りNIPTは非確定的検査であるため、検査結果の「陰性」や「陽性」はあくまでも「低リスク」「高リスク」ということであり、胎児の異常の有無が確定されるわけではないということを覚えておきましょう

<NIPT結果判定の種類>

  • 陰性:胎児が21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーである可能性が低い
  • 陽性:胎児が21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーである可能性が高い
  • 保留:胎児DNAの不足、投薬の影響で検査結果を出せない

日本の一般的なNIPTで調べることのできる染色体疾患は、下記の3つのみです。

<NIPTで調べられる3つの染色体疾患>

  • 21トリソミー:ダウン症候群
  • 18トリソミー:エドワード症候群
  • 13トリソミー:パトー症候群

なお、3つのみ調べることが出来るのはいわゆる”認可施設”であり、その他の染色体疾患を調べたい場合は”認可外施設”で検査するという方法があります。
施設によって、調べられる疾患に違いがあることも知っておく必要があります。

結果が「陰性」

NIPTの結果が陰性であった場合、胎児が21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーである可能性が低いということになります。

NIPTで陰性と判断されて実際も異常がなかったという陰性の的中率は高く、妊婦の年齢が30歳以上の場合はどの年代でも99%以上の陰性的中率です。

しかし、稀に陰性の結果が出たにもかかわらず胎児が21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーを持つケースがあり、このようなケースを「偽陰性」といいます。

「偽陰性」は以下の理由によって、胎児の染色体が正常であっても、染色体に異常があるという検査結果が出てしまうことで発生します。

  • 母体の染色体異常
  • 胎児のモザイク
  • 胎盤のモザイク

NIPTで陰性だった場合は羊水検査を行わない場合がほとんどなので、出産して初めて赤ちゃんの染色体異常が分かり、NIPTの結果が偽陰性だったことが分かるのです。

NIPTの偽陰性が出てしまう原因は、妊婦さんの染色体異常や胎児や胎盤の染色体の数が異なっている状態であるモザイクにあると言われています。

胎児の染色体が正常であるのにもかかわらず、検査では染色体異常があるとされてしまうことなどにより、偽陰性になってしまうのです。

検結果が「陽性」

NIPTの結果が陽性であった場合には、胎児が21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーである可能性が高いということになります。(かならずそうであるとは言い切れません)

NIPTで陽性と判断された方の的中率は、妊婦の年齢や各トリソミーなどによっても大きく異なり、陰性の的中率よりも低くなります。

しかし、こちらも偽陰性と同様、陽性の結果が出たにもかかわらず胎児が21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーではない「偽陽性」であるケースもあります。

陽性が出た場合には偽陰性の場合と異なり、確定検査である羊水検査を行うので、その結果で実は陰性だったことが分かります。

偽陽性が出てしまう原因も、偽陰性と同様の妊婦さんの染色体異常や胎児や胎盤のモザイクにあると考えられています。

結果が「保留」

妊婦さんから採取した血液に含まれる胎児DNAのかけらが少なくて検査結果が出せない場合や、妊婦さんが服薬している薬の影響により、検査結果を出せないなどの理由でNIPTの判定が保留されることがあります。

判定が保留となった場合には、その要因を含めて遺伝カウンセリングで説明を受け、必要に応じて再検査または確定診断である羊水検査や絨毛検査を行います。

なぜ確定的検査を受ける必要があるのか

陽性的中率は35歳10週の妊婦さんで84.4%、40歳10週の妊婦さんで95.2%と、陰性的中率に比べると的中率は低く、NIPT で陽性結果を受けたとしても結果的に偽陽性だったという可能性は発生します。

そのため、陽性と判断された場合には羊水検査や絨毛検査によって診断を確定させる必要があります。

NIPTが陽性で妊娠の継続を希望する場合には「胎児が染色体異常である確率が高い」と考えて、準備を整えつつ「羊水検査を受検しない」という選択肢もあるのです。

しかし妊娠中絶を希望する場合には、必ず確定診断である羊水検査などを行わなければなりません。

【NIPT Japan】
陽性適中率につきましては「コラム:NIPTと統計学」を参照ください。
なお、当社が取り扱っているVerinataHealth社のVerifiというNIPT検査は、妊婦の年齢や週数、感度から、正の予測値(PPV)をレポートに表記しております。

遺伝カウンセリングとは

NIPTに限らず、出生前診断を受ける際には「遺伝カウンセリング」を受けることが推奨されています。

遺伝カウンセリングは以下の2種類です。

  • 検査前遺伝カウンセリング
  • 検査後遺伝カウンセリング

検査前遺伝カウンセリングでは、パートナーと一緒に検査に関する知識や受けることの意義、NIPTの正しい知識などの情報を得られます。

胎児に染色体異常があった場合にどう意思決定していくかについてまで踏み込んで話し合い、カウンセリング時の相談を踏まえて検査を受けるかどうか決定します。

検査後遺伝カウンセリングでは、判定された検査結果の理解の仕方や、さらに確定診断が必要かどうかについての説明を受けることができます。

この検査後遺伝カウンセリングは、結果報告とともに受けられる機関と、後日行う機関があります。

遺伝や生命というデリケートな事柄を取り扱う遺伝カウンセリングは、臨床遺伝専門医または遺伝に関する素養のある専門職がさらに研修を積んだ「認定遺伝カウンセラー」が行います。

【NIPT Japan】
遺伝カウンセリングについての当社の考えは次のとおりです。

NIPTに限らず、エコー検査や羊水検査などの出生前診断(検査)を行うということは、あなたとあなたのパートナーが難しい決断を迫られる場面に遭遇することが起きるかもしれません。まずは、出生前診断を受ける前に、次のことをあなたとあなたのパートナーとで一緒に整理した上で、出生前診断の検査を受けることをお勧めします。

なぜこの検査を受けようと思うのか?
その検査で何がわかるのか?
検査を受けるのか、あるいは検査を受けないか?
検査の結果がどのような意味を持つのか?
検査の結果を受けて、結果をどう判断し、その後の行動はどうしていくのか?

なお、出生前診断の検査を受ける際には、専門家である遺伝カウンセラーから遺伝カウンセリングを通じ、アドバイスを受けることは大変有益です。
認定施設では、遺伝カウンセリングを必須としていますが、必要としない人もいます。

重要なのは、「ご自身の意思で決定を下すことを尊重する」ことです。

検査前遺伝カウンセリング

NIPTを含む出生前診断で重要なのが「検査前遺伝カウンセリング」です。

検査結果が早く分かる場合の例で見てみると、妊娠10週でNIPTを受け、妊娠12週のころNIPTの結果が出て陽性と判断された場合、さらに羊水検査などの確定的検査を受けるまでに長い場合で3週間、羊水検査などの結果が出るまで2週間かかることもあります。

つまりNIPT陽性と知ってから約2か月近く、不安な気持ちで過ごさなければならないのです。

妊娠19週で羊水検査の結果が出て胎児に染色体異常が分かった場合、妊娠を継続して染色体異常の赤ちゃんを分娩し育てていく準備をしていくのであれば焦る必要はありません。

しかし胎児に染色体異常があり、中絶を検討する場合には、混乱した状態で決断を迫られてしまうでしょう。

母体保護法により人工妊娠中絶可能な時期は21週6日までとされており、母体への負担は妊娠週数が進むほど大きくなります。

羊水検査の結果が出てから妊娠中絶ができなくなるまでに2週間前後しかなく、実質的には数日の間に決断しなければならない状況になる可能性もあるのです。

このような状況を見越して、検査前遺伝カウンセリングでは問診や検査についての知識の説明だけでなく、陽性だった場合のタイムスケジュールも説明します。

その上で、検査前から「胎児に染色体異常があった場合にどのように意思決定をしていくか」をパートナーとともに話し合うことになります。

話し合いを踏まえて再度、検査そのものを受けるかどうかについても確認します。

遺伝カウンセラーは、NIPT検査や遺伝・疾患に関するさまざまな疑問に対して、科学的根拠に基づいた情報の提供を行います。

また、妊婦やパートナーの過度な不安や心配などに対して、心理面でもサポートをしてくれます。

検査後遺伝カウンセリング

検査後遺伝カウンセリングでは、さらに確定的検査を受ける必要があるかどうかについて説明を受けます。

検査前遺伝カウンセリングにおいて疑問や積み残しがあれば、再度説明や話し合いを行います。

検査前遺伝カウンセリングでしっかり方向性が決まっていれば、胎児に染色体異常があると診断されたとしても、パートナーと支え合いながら乗り越えて行けるでしょう。

なお検査後遺伝カウンセリングの実施については施設によって異なります。

確定的検査の注意点

確定的検査を受ける前に知っておきたいこと、準備しておくことには以下の4つがあります。

  • 羊水検査には流産・死産のリスクがある
  • 結果が分からないこともある
  • 陽性が出た場合に備えて気持ちを整理しておく必要がある
  • サポートを受ける医療機関の準備

羊水検査や絨毛検査といった直接子宮内に針を刺して検体を取る確定的検査には、0.1~0.3%ほどの流産の可能性があるとされており、胎児を危険にさらすリスクがあります。

また確定的検査では染色体疾患のリスクの有無ではなく確定された診断が示されます。

そのため非確定的診断検査のとき以上に、検査前から陽性の結果が出た場合にどうするのか、どの医療機関で出生前・出生後の医療やケアなどのサポートを受けるのかについても考えておく必要があります。

しかし注意点として確定的検査でも稀に検査結果がはっきりしない場合もあるということも覚えておきましょう。

まとめ

NIPTは非確定的出生前検査とはいえ、かなり精度の高い検査ですが、陽性と判定された場合には羊水検査などの確定的出生前検査を受ける必要があります。

NIPTに限らず出生前診断を受ける際には、検査前遺伝カウンセリングをパートナーと一緒に受けて、検査とその結果の意味について正しく理解することが大切です。

あらゆる可能性に対してどうしていきたいのか、検査を受ける必要があるのか、胎児に染色体異常があると分かった場合にどうするのかなどを再度確認し合いましょう。

NIPT JapanのNIPTについてはこちらをご参考にしてください。


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