妊娠後期(妊娠8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月)の過ごし方のポイントと注意すること!

妊娠後期 妊婦

妊娠後期になると今まで以上におなかが張りやすくなり、眠れない・むくみ・腰痛がツラいといった症状が増えてきます。

出産が近づくにつれて不安が増してくると同時に、大きくなるおなかに赤ちゃんと対面できる期待がますます高まることでしょう。

出産を間近にひかえて妊娠後期はどのように過ごすのがよいのでしょうか?

今回は、妊娠後期の疑問点や注意点、過ごし方のポイントなどについてご紹介いたします!

妊娠後期とはいつからいつまで?

妊娠後期とは、妊娠28週~39週をさします。

妊娠8ヶ月から妊娠10ヶ月までの3ヶ月間にあたります。

妊娠後期になるとママのおなかはますます大きくなり、おなかは張りやすく体はむくみやすいなどの症状が増えてきます。

妊娠40週0日を出産予定日として計算しますが、出産予定日に生まれる確率は全体の2%程度しかありません。

妊娠37週から妊娠41週までの期間に出産することを「正期産」といい、母子ともにもっともリスクの少ない期間で、分娩の95%以上が正期産だと言われています。

反対に妊娠42週を過ぎて出産する場合は「過期産(かきさん)」といい、羊水が濁り機能が低下するなど母子ともに危険にさらされる可能性が高くなります。

そのため通常は妊娠41週目には陣痛を人工的に誘発して分娩します。

【妊娠週数一覧表】

妊娠週数一覧表

妊娠初期は妊娠0週から妊娠15週までをいいます。

妊娠0週0日は最後にあった生理の開始日をさしますので、まだ受精もしていません。

妊娠の成立は受精卵が着床する妊娠3週ころですので、妊娠1ヶ月ではほとんどの人は自覚症状はありません。

妊娠中期は妊娠16週から妊娠27週をいいます。

この時期は一般的に安定期とも呼ばれ、胎盤が完成し流産のリスクが低下するとともに、母子ともに安定した状態となります。

妊娠後期の特徴

妊娠後期になるとママのおなかはますます大きくなり、妊娠前と比べると体重は5kgから12kg程度増えます

推奨される体重増加量は、妊娠前の体格指数(BMI)によって異なります。

妊娠後期は赤ちゃんもどんどん成長するためママの体重も増えやすい時期です。

赤ちゃんが成長するために必要なエネルギーは摂らなくてはなりませんが、太り過ぎると妊娠高血圧症候群妊娠糖尿病などの妊娠合併症をおこしやすくなります。

体重の管理は引き続き行いましょう。

ママのおなかが大きくなることで、頻尿や便秘、むくみやすいなどの悩みはさらにあらわれやすくなります。

妊娠8ヶ月の特徴

胎児の成長(妊娠8ヶ月)のイラスト、妊婦のお腹

妊娠8ヶ月は妊娠28週~妊娠31週にあたります。

妊娠8ヶ月になるとおなかの赤ちゃんはますます成長し、身長は40cm程度、体重は1,500g程度で、1.5リットルのペットボトル飲料くらいの重さにまでなります。

羊水内の自由に動けるスペースが次第に狭くなり、これまでのようにクルクルと体の向きを変えることは減ってきますが、筋肉や神経が発達し手足は曲げ伸ばしをしますので胎動はますます強くなります。

ときにはママのおなかの上から手足や頭の位置や形がわかることもあります。

胎動が激しくて夜眠れないことや眠りが浅くなることもあるかもしれません。

おなかがさらに大きくなったことにより張りやすい、体が反りやすい、妊娠線ができやすいといった悩みはますます増えます。

特に動いたあとにおなかが張りやすいため、こまめにやすむようにしましょう。

妊娠9ヶ月の特徴

胎児の成長(妊娠9ヶ月)のイラスト、妊婦のお腹

妊娠9ヶ月は妊娠32週~妊娠35週にあたります。

この頃になると赤ちゃんの肺が機能するようになり、ママのおなかの外に出ても自力で呼吸ができるようになります。

とはいえ、まだ体の機能は完全ではありませんので、もう少しママのおなかの中で過ごす必要があります。

おなかの赤ちゃんは皮下脂肪が増えて顔や体がふっくらとし、顔立ちがわかるようになってきます。

赤ちゃんの体重は2,500g程度まで成長し、手足のつめも伸びてきます。

赤ちゃんが大きくなったことにより子宮がママのみぞおちあたりまで上がってくるため、胃や心臓などの内臓が圧迫されて胸やけや食欲減退、動悸や息切れなどがしやすくなります。

「妊娠後期でつわり?」と思ったら圧迫されることによる胸やけかもしれません。

膀胱も圧迫されるため頻尿や尿漏れのトラブルがさらにおこりやすくなります。

妊娠9ヶ月になると出産までいよいよ目前ですので、いつでもお産入院ができるように準備しておきましょう。

里帰り出産をするママは妊娠9ヶ月の間には帰るようにしましょう。

妊娠10ヶ月の特徴

胎児の成長(妊娠10ヶ月)のイラスト、妊婦のお腹

妊娠10ヶ月は妊娠36週~妊娠39週にあたります。

妊娠40週を出産予定日として計算しますが、妊娠37週から妊娠41週までの期間に出産することを「正期産」といい、母子ともにもっともリスクの少ない期間ですので、妊娠10ヶ月になるといつ生まれてもおかしくありません

おなかの赤ちゃんは体重2,500g~3,000g程度まで成長し、機能的にも新生児とほぼ変わらない、ママのおなかからいつでても大丈夫なくらいに育っています。

妊娠10ヶ月になるとおなかの赤ちゃんは頭を下にした状態で、子宮の出口へ下がり始め生まれる準備をします。

赤ちゃんが下がるのと同時に子宮も下がりますので、今まで圧迫されていた胃や心臓への負担が軽減されて胸やけや胃もたれは軽減されます。

一方で、膀胱はさらに圧迫されますので頻尿や尿漏れの症状は強くなります。

お産の始まるサインとしておしるしがあることがあります。

お産のはじまりは陣痛か破水です。

妊娠10ヶ月には、いつお産がはじまってもいいようにしっかりと準備をしておきましょう。

おしるしとは?

おしるし 妊婦

おしるしとは、血が混ざったようなピンク色や茶色っぽいおりもののようなもののことを呼びます。

まだお産の始まりではありませんが、お産が近い証拠です。

おしるしの量や色には個人差がありますが、おりもののように粘り気があり血が混ざっていることが一般的です。

おしるしがあると2~3日中にお産が始まる可能性が高いですが、1週間以上たってから陣痛がくる人もいますので、おしるしがあっても慌てず陣痛が始まるのを静かに待ちましょう。

ただし、出血の量が多いときや痛みがある場合、いつまでも続く場合はかかりつけ医にご相談してください。

また、おしるしは必ずあるわけではなく、おしるしがなくお産が始まる人もいますので、一つの目安として考えるとよいでしょう。

おしるしは、お産が近くなり子宮口が広くなってくることで、子宮の出口付近の卵膜と子宮壁がこすれて出血することによりおこります。

前駆陣痛とは?

陣痛を感じる妊婦

もうすぐお産が始まる!というサインに「前駆陣痛」があります。

前駆陣痛(ぜんくじんつう)とは、まだ本格的な陣痛ではありませんが、弱い痛みやおなかの張りを不規則に感じます。

この痛みは、子宮が収縮しているためにおこります。

痛みの間隔はバラバラですが20~30分ほどあり、「痛いなぁ。。。」と思っていても少し経つと楽になったり痛みが治まったります。

だんだん痛みが強く間隔も短くなり、痛みと痛みの間隔が10分以内で規則的になったら本格的な陣痛です。

産院に連絡をしましょう。

破水した!

破水

破水とは、赤ちゃんが入っている卵膜が破れて中の羊水が膣から流れ出てくることをいいます。

多くの場合、破水は分娩の途中におこりますが、陣痛前に破水がおこることを「前期破水」といい、膣から細菌が入ると赤ちゃんが細菌感染する危険が高くなります

破水は尿と違って自分の意思で止めることができません。

まずはナプキンか清潔な布を当てて応急処置をしましょう。

少量の場合は尿との見分けが難しいですが、尿ではなさそうならすぐに産院へ連絡をしてください。

お風呂に入ると膣から赤ちゃんに細菌感染のおそれがありますのでNGです。

量が多いときは水がどんどん出てきますので、タクシーなどを使いできるだけ動かないようにして、慌てず病院へ向かいましょう。

妊娠後期におこりやすい症状

妊娠中はホルモンバランスの変化や血流量の増加によりママの体にはさまざまな不快な症状があらわれやすくなりますが、特に妊娠後期はおなかの赤ちゃんがどんどん大きくなるためよりその症状が顕著になる傾向があります。

【妊娠後期に顕著になりやすい症状】

  • むくみ
  • 眠れない・寝不足
  • 動悸・めまい・立ちくらみ・息切れ
  • 腰痛
  • 頻尿・尿漏れ
  • 便秘・痔
  • 毛が濃くなる

むくみ

妊娠中はむくみやすくなるため、毎回の妊婦健診でも浮腫検査を行います。

特に足がむくみやすいため、着圧ソックスをはいたり、寝るときに足を高くするなど工夫するとよいでしょう。

眠れない

おなかが大きくなり仰向けで寝るのが苦しい、胎動で眠れないといった睡眠の悩みがおこりやすくなります。

仰向けで寝るのが苦しい場合は、抱き枕を利用して横向きで寝るなど姿勢を工夫してみましょう。

夜眠れなくて寝不足の場合は、日中に少しでも仮眠ができる環境を作れるとよいですね。

動悸・めまい・立ちくらみ・息切れ

妊娠後期は特に血流量が増えるため動悸やめまい、立ちくらみがおこりやすくなります。

また、大きくなった子宮に横隔膜が圧迫されることにより息切れもしやすくなります。

立ち上がるときはゆっくりとした動作を意識し、息切れや疲れを感じたらすぐに休めるようにしましょう。

腰痛

妊娠後期はどんどんおなかが大きくなるため、突き出たおなかを支えようとして反り腰になり腰に負担がかかりやすくなります。

できるだけ骨盤を立てて姿勢が反ってしまわないよう注意しましょう。

頻尿・尿漏れ

子宮が大きくなり膀胱が圧迫されることによりトイレが近くなったり尿漏れしやすくなります。

かといって水分を摂るのを我慢するのはよくありませんので、ナプキンなどで対策をしましょう。

便秘・痔

妊娠後期になると大きくなった子宮に腸が圧迫されて便秘になりやすくなります。

また、下半身の血流が悪くなっていることで痔にもなりやすく、便秘で強くいきむと危険です。

血流を良くするために体を温かく保ち、食生活にも気をつけましょう。

症状がひどい場合はお医者さまにご相談してください。

毛が濃くなる

妊娠中はホルモンバランスの変化によって毛が濃くなることがあります。

特に手足や背中の毛が濃くなりがちです。

出産後は徐々に元に戻りますので、気になるなら肌に負担をかけないよう優しく剃るようにしましょう。

トラブルによる性器出血

【妊娠後期のトラブルによる性器出血】

  • 前置胎盤
  • 常位胎盤早期剥離
  • 切迫早産

胎盤が子宮の出口付近に形成されてしまう「前置胎盤(ぜんちたいばん)」は性器出血が起こりやすく、時には自覚症状がなく大出血することもあります。

出産前に胎盤がはがれてしまい性器出血がおこる「常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)」は、お腹の張りや強い痛みを伴います。

切迫早産による性器出血は、おりものに血が混ざる程度の少量のものから、血の塊や真っ赤な血が大量に出る場合など、量も程度もさまざまです。

お腹の張りや痛みを伴うこともあります。

お腹の張りや痛みを伴った性器出血はもちろんすぐに病院へ連絡してしてほしいのですが、上記のように自覚症状がなく突然性器出血がおこるケースもありますので、自己判断せずに必ず医師の指示を仰いでください。

妊娠後期に注意することとは

妊娠中はさまざまなトラブルに悩まされますが、とくに妊娠後期におこりやすいトラブルや注意することはなんでしょうか。

【妊娠後期に注意すること】

  • おなかの張り
  • 妊娠線
  • 妊娠高血圧症候群
  • 切迫早産・早産

おなかの張り

妊娠後期になると、特におなかの張りや痛みを感じやすくなります。

おなかの張りを感じたら少し横になって休みましょう。

すぐに治まるようなら心配ありません。

ただし、おなかの張りや痛みにともなって出血があったり、横になって休んでも治まらない場合はお医者さまの指示をあおいでください。

妊娠線

おなかが大きくなってくる妊娠中期から妊娠線のケアは欠かせませんが、特に妊娠後期は妊娠線ができやすくなります。

しっかり保湿クリームを塗ってケアしましょう。

急激な体重増加は妊娠線ができやすいため、体重のコントロールも大切です。

妊娠高血圧症候群

妊娠高血圧症候群とは、妊娠をきっかけに高血圧が見られる状態をいいます。

高血圧にタンパク尿をともなう場合もあります。

特に妊娠後期になりやすいため、妊娠中は常に妊婦健診でチェックする必要があります。

切迫早産

切迫早産とは、「早産になりかけている状態」のことをいいます。

おなかの張りや痛みがしばらく経っても治まらない場合や、性器からの出血がある場合は切迫早産のサインかもしれません。

すぐに病院で対処すれば早産を防げる可能性がありますので、いつもと違う症状を見逃さないようにしましょう。

妊娠後期の過ごし方のポイント!

妊娠後期はますますおなかは大きく体は重くなり、日常の動作もつらくなってきます。

動悸や息切れを感じるときはすぐに休めるよう移動ルートなどにも気をつけましょう。

赤ちゃんを迎えられる環境を整えておきましょう。

ベビーグッズの用意に加えて、ベビースペースも確保しておきましょう。

お昼寝はここでして、夜はこっちで寝かして。。。と考えるとわくわくしますね!

いつ陣痛がきてもいいように、入院グッズをバッグに用意しておく、病院までの移動をシュミレーションしておく、旦那さんや家族との連携を相談しておくと慌てなくて安心です。

まとめ

幸せな家族

妊娠後期はますますおなかが大きくなり、おなかの張りなどの症状に悩まされることが増えますが、もうすぐ赤ちゃんと会えると思うとわくわくしますね!

お産の入院準備に加え、退院後に赤ちゃんを迎えられる環境を整え、いつお産が始まってもいいように準備しておきましょう。

お体に気をつけて、健やかにお過ごしくださいね。


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