18トリソミーとは?身体的特徴や原因について

18トリソミーの赤ちゃん

18トリソミーはエドワーズ症候群ともいわれており、18番目の染色体を通常よりも1本多く持って生まれてくる病気です。

18トリソミーはどのような病気なのか?
18トリソミーの特徴と原因、検査方法、治療方法と併せて、18トリソミーの赤ちゃんの予後や遺伝カウンセリングについてお伝えします。

18トリソミー(エドワーズ症候群)とは

18トリソミー(エドワーズ症候群)は、2本であるはずの18番目の染色体が1本多く、計3本で生まれてくる染色体に関する病気です。
生まれてくる赤ちゃんは3,500~8,500人に1人の頻度でみられ、男女比では1対3の割合で女児に多い特徴があります。

現時点では18トリソミーの根本的な治療法はなく、生まれてくる赤ちゃんの半数以上は生後1週間以内に死亡し、生後1年まで生存する割合は10%未満です。
多くの合併症を持って生まれてくるため、出生直後より治療が必要になります。

染色体についてはコラム「染色体とは?基本から解説!」をご覧ください。

18トリソミーの特徴

18トリソミーで生まれてくる赤ちゃんは多くの身体的特徴を持っています。

【身体的特徴】

  • 手指の重なり
  • 短い胸骨
  • 揺り椅子状の足 など
揺り椅子状足底

【先天性心疾患】

  • 心室中隔欠損(VSD)
  • 心房中隔欠損(ASD)
  • 動脈管狭窄
  • 両大血管右室起始 など

【肺疾患および呼吸器系合併症】

  • 肺高血圧(PH)
  • 横隔膜弛緩症
  • 上気道閉塞
  • 無呼吸発作 など

【消化器系合併症】

  • 食道閉鎖
  • 鎖肛、胃食道逆流 など

このほかに泌尿器系合併症(馬蹄腎、水腎症、そけいヘルニアなど)や、筋骨格系合併症(多指症、合指症、橈側欠損、関節拘縮、側弯症など)、難聴悪性腫瘍(Wilms腫瘍、肝芽腫)など、数多くの合併症を抱えて生まれてきます。

特に、先天性心疾患や上気道・下気道に起こる病変は呼吸不全を引き起こしやすく、生命予後にも大きく影響することがわかっています。

18トリソミーの原因

18トリソミーの遺伝子

18トリソミーの原因は、18番目の染色体が2本ではなく3本であるために起こります。
このような染色体の異常はほぼ全例で母親由来であり、35歳以上の高齢出産ではそのリスクはさらに高まります。

高齢出産については「母親の年齢とその子供の染色体異常の頻度」のコラムもご参考にしてください。

このように染色体が1本増えてしまう原因は、減数分裂の失敗や体細胞分裂の失敗などが挙げられます。
減数分裂とは、受精卵をつくるために精子や卵子が持つ染色体を減らす工程のことです。
通常は2本から1本へ減らす細胞分裂が失敗したことで、受精卵となったときに18番目の染色体が計3本ある状態になるのです。

18トリソミーにはいくつかのタイプがあります。
減数分裂が正しく行われなかったために発生したものを「標準型」、正常な細胞と異常がある細胞の両方が混ざったために発生したものを「モザイク型」と呼びます。
このうちモザイク型は症状や身体的特徴が軽度になる傾向があります。
ただし、18トミソリ―患者の95%は標準型です。

18トリソミーの検査方法

18トリソミーの検査方法(出生前診断)は大きく分けると「非確定的検査」と「確定的検査」の2つに分けられます。
非確定的検査を実施した後、染色体異常の可能性があった場合は、確定的検査を実施します。

非確定的検査には、主に以下の4つがあります。

  • 母体血清マーカー検査
  • コンバインド検査
  • 新型出生前診断(NIPT)
  • 超音波(エコー)検査

検査費用は検査をする施設によって異なりますが、最も安い超音波(エコー)検査が2万円程度、最も高い新型出生前診断(NIPT)が20万円程度と、幅があります。

それぞれの検査の特徴については、「出生前診断とは」のページをご覧ください。

18トリソミーの治療法

18トリソミーは現在のところ根本的に治療することはできず、染色体異常そのものに対する治療法はありません。
多くの合併症を持つため、医療設備の整った病院で分娩し、すぐに合併症の治療を開始する必要があります。
18トリソミーは出生後の命に係わる疾患のため、超音波検査やスクリーニング検査により18トリソミーの指摘を受けた際は、医師に相談しながら家族でよく話し合うことが大切です。

また昨今では標準的新生児集中治療、心臓手術、食道閉鎖手術などの手厚い医療により、生命予後が改善するとされるエビデンスが蓄積されてきています。
また、ゆっくりですが発達していくこともわかっています。

赤ちゃんの予後については、医療者と家族が共有していかなくてはなりません。
赤ちゃんにとって必要な医療的ケアや療育的支援、家族への支援を考えていくことが大切です。

18トリソミーと診断された赤ちゃんの予後

18トリソミーと診断された場合は、自然流産になることが多くあります。
流産に見られる染色体異常ではトリソミーが全体の52%を占めており、18トリソミーも高頻度での流産を認めます。

また先ほどもお伝えしたように、18トリソミーで生まれてくる赤ちゃんの半数以上は生後1週間以内に死亡し、生後1年まで生存する割合は10%未満です。
多くの合併症を持って生まれてきますが、根本的な治療法はありません。
そのため、それぞれの症状に合わせた治療が必要です。

18トリソミー(エドワーズ症候群)と向き合うために

遺伝カウンセリング

遺伝カウンセリングを受けることは、難しい決断を迫られたときの一助になります。

遺伝子カウンセリングは、臨床遺伝専門医や遺伝カウンセラーなどのプロによって行われます。
遺伝子カウンセリングでは、正確な遺伝学的情報を知れる事に加えて「社会的にどのような支援体制があるのか?」「どのような倫理的問題があるのか?」など、自らが意思決定できるように援助してもらえます。

今後どのような検査や治療を選択すべきか、あるいは検査を受けるべきか否か悩んでいる方は、遺伝カウンセラーに相談してみるのがよいでしょう。

遠隔での遺伝子カウンセリングを行っている施設も少数ながらあります。
18トリソミーだけでなく染色体異常について不安がある場合には、専門家への相談を検討されてはいかがでしょうか。

遺伝カウンセリングについてはこちらもご参考にしてください。

まとめ

18トリソミーは18番目の染色体を1本多く持って生まれてくる染色体異常です。
現在のところ根本的な治療法はなく、検査で把握し、出産後のそれぞれの症状への治療に備えるしかありません。
18トリソミーと向き合うには遺伝カウンセリングで専門カウンセラーに相談することもできます。
納得のいく選択のためにも検討してみてはいかがでしょうか。

参考書籍:

18トリソミーの子どもたち (日本語) 単行本(ソフトカバー)– 2018/3/18
Team18 (著)

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