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出生前診断ガイドブック - NIPT Japan株式会社

出生前診断ガイドブック

初心者の方向けに、メリットからデメリットまでをご紹介します。
また費用、問題点についても確認していきましょう。

そもそも出生前診断とは何か?という基本的なところからみていきます。
そこから見えてくる疑問を解消して、正しい知識を身に付けていきましょう。

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出生前診断とは?基本的な考え方について

出生前診断の間違われやすい「目的」とは?

近年では出生前診断という言葉が広く知られてきており、希望をする女性もそれに伴い増加傾向にあります。

出生前診断を一言で表すなら、「子どもが生まれてくる前検査」です。
前検査をする目的は、出産時(後)の母子の健康を保つためとなります。
つまりは出生前診断の本来の目的とは、あくまでも「治療」が目的なのです。

妊娠の診断から始まり、胎児の位置や流産の可能性の有無などを検査します。
この検査の段階で、何らかの異常が見つかればそれに対応できる設備を用意するのです。
また必要に応じて、転院などの手続きで設備を整えることもあります。

現在のところでは、出生前診断で判別できる胎児の病気の数はそう多くはありません。
ただそうした中でも、「先天性の異常」「奇形」などが見つかることもあります。
出生前診断をこうした判別に使うこともできるわけです。
本来の目的は「治療」であるものの、「先天性の異常」の検査に使う人が多いことも事実となります。

もし「先天性の異常」が見つかった場合には、中絶をするという選択肢が生まれます。
育てる自信がない親にとっては必要な判断ですが、日本ではこうした考え方を良いものとしない思想がありました。

そのため日本では諸外国での出生前診断の技術を、積極的には受け入れてこなかった背景があります。
しかしここ最近になって、出生前診断の認知度と需要が高まったことで一つの節目を迎えようとしているといえるのです。

この背景には女性の晩婚化と、ネット社会の普及が考えられるでしょう。
晩婚化により年齢を重ねてからの出産が増えたため、胎児の先天性の異常の危惧感が強くなりました。
またネット社会の普及により、出生前診断という技術があることが広く認知されたのです。

女性の社会進出やインフラの整備など、私たちのライフスタイルが大きく変わったことが出生前診断を広める大きな理由となっています。
いわば時代の変化に応じて、日本における出生前診断の考え方にも変化が生じてきているのです。

出生前診断はどのように行うのか?

出生前診断とは上記の通り、生まれる前の胎児の前検査を行うことです。
もっと言えば、胎児の染色体の異常などを検査することで診断をします。

用いられる方法にはエコー検査羊水の検査母体の血清マーカー値による検査、比較的新しい方法として血液採取による検査の4手法です。

これらの手法によって行われる出生前診断は、大きく以下の2つに分類することができます。

①胎児の発育の確認と共に病気の確認と、病気が見つかった際にお腹の中の状態から治療を始めるか否かの判断。

②染色体の検査により先天性の異常性の有無、そこから胎児を産むかどうかを両親に相談。

このように分類できる中で、特に②に関しては現在では99%以上とかなり高い確率において診断可能です。
この②の先天性の異常の確認の精度が高いために、上記のように多くの女性が出生前診断を望むようになりました。

ただし費用が多くかかることもあり、主に高齢出産と呼ばれる年代の人が中心となり出生前診断を望むという状況が生まれているのです。
リスクがあることを知っている人たちが、ネット社会の普及によって知識を得た結果が現代日本の出生前診断の普及を推している形となっています。

出生前診断を受ける前に知っておきたいこととは?

出生前診断とは、上述の通りに胎児の健康状態を「治療を目的として」調べるものでした。

それ故に出産リスクの高い高齢女性の出産で用いられることが多いわけでしたが、それ以外にも出生前診断が多く用いられるケースがあります。

それは妊婦自身やその親族に遺伝的な弊害を持つ場合や、妊娠中に何かしらの病気にかかった場合です。
さらには妊娠に気付いていない段階で、薬を使用してしまうなどの場合もあります。

高齢出産であったり、自身や親戚に遺伝的な病気を持つ人がいる場合、赤ちゃんが何かしらの病気や障害を持って生まれてくる可能性が高くなります。
また、妊娠中に大きな病気にかかってしまったり、妊娠に気づかずに薬を服用してしまったりして赤ちゃんの健康に不安を持つ人も多いでしょう。
出生前診断は、このように赤ちゃんの健康に何かしらの不安や懸念を持つ方が多く受診しています。

結論から言えば、この出生前診断には、メリットだけでなくデメリットも存在するのです。

例えばもっとも歴史が長い出生前診断の方法に、羊水検査があります。
こちらは母親の羊水を取るためにお腹に針を刺すのですが、0.3%程度の確率で流産を誘発することが分かっているのです。
ほぼ100%の割合で先天性異常の発見が可能なものの、流産を引き起こすデメリットもあるということになります。
そのためこちらでは検査可能期間が、妊娠期間中で15週から18週とかなり限られた期間でしか受けることができません。

このようなメリット、デメリットに関して詳しく見ていきましょう。

出生前診断におけるメリット・デメリットとは?

そもそも先天性異常を持って産まれる確率は3%から5%と言われており、この確率は全ての妊婦に当てはまります。
こうした確率がある中で、日本では出産に対して楽観的な見方が多くされている状況と言えます。
多くの方が元気な子が産まれてきて当たり前だと考えているのです。

その結果と言えるのが、障害を持った子どもが生まれてきた親への問いに対する答えにあります。
障害のある子どもを持つ親へ「事前に障害があることを知りたかったか?」と聞くと、多くの方が「知りたかった。そして治療や心の準備のための準備段階が欲しかった」と答えたのです。

こうした問いに対する答えから、やはり出産に対して楽観視をしている方が多いと言え、現状では出生前診断の大きなメリットと言えるでしょう。

さらに具体的な例としては、生まれた子どもに重度の疾患があった場合です。
この場合では生まれてすぐに、子どもは集中治療室へ移されるため一時的に母親からすぐに離されてしまいます。

そして集中治療室で治療を受けている間に、ダウン症が見つかることが多いのです。
そうなると母親は、我が子が隣に居ない中でダウン症の子どもという事実だけを突きつけられます。
この事実は親にとって大きな衝撃であり、自分がダウン症の子どもを育てられるのか?という強い不安とストレスを抱えることとなるのです。

中にはその後にダウン症の我が子と対面し、しっかりと愛せる方もいます。
しかしながら、「ダウン症と知っていれば産まなかった」と答える方もいることが現実なのです。

先天性異常があることを事前に知ることで準備が出来る点、あるいは出産自体をリタイアする選択が取れる点が出生前診断のメリットとなります。

産み分けに相当するとも捉えられるため、まだまだタブー視をする意見も根強くあります。
ただ間違った方法ではなく、そこに自分自身のしっかりとした考えが必要ということなのです。
それ故にあくまで「治療目的」という根本を間違えずに、自身や家族と共にしっかりと考えた上で出生前診断を利用する必要があると言えます。

道徳的な意見にも間違いは無いでしょうが、最終的には自分の家族のことなのです。
周りの意見だけに流されることなく、メリットについて自分に必要かどうかを考えましょう。

出生前診断では費用がデメリット

上記でも説明の通り、日本は女性の社会進出に伴い晩婚化の流れとなっています。
そして高齢出産では、子どもになんらかの先天性異常が起きる可能性が高いことが広く認知されています。
そのため出生前診断の受診を望む女性も、また増加傾向にあります。

出生前診断は当然のことながら、無料で受けられるものではありません。
当然そこには費用がかかります。
超音波検査や胎児の心音検査が一般的な検査ではありますが、上記で例に挙げたより精度の高い羊水検査も選択可能です。

この羊水検査では15万円前後と、決して安くはない費用がかかります。
また羊水検査は限られた期間でしか受けることができませんでしたが、そのほかでは初期スクリーニング検査という選択肢もあるのです。
こちらはスクリーニングですので奇形などしか分かりませんが、費用は3万円前後です。

それでは、出生前診断を受けるためにはどのくらいの費用がかかるのでしょう?
検査には超音波検査、胎児心音測定が一般的ですが、その他に初期スクリーニング検査と後期羊水検査をすることが出来ます。
初期スクリーニング検査が約3万円前後、羊水検査が15万円前後かかり、検査を受ける検査機関によっても金額に多少違いが出てきます。

近年ではこれらにプラスして、妊婦の血液検査も導入されてきました。
こちらで分かるものは、胎児のダウン症などとなっており染色体の異常を判断するものです。
日本では新型出生診断(NIPT)という名称で2012年の9月より採用され、費用はおおよそ20万円程度かかります。
ちなみにこの血液検査は当初特定の5施設でしか実施されませんでした。
現在は、日本医師会の認定医療機関以外にも、無認定の医療機関でもNIPTが実施されています。(2020年4月末現在)
ただし、NIPTの費用は全額自己負担となる点に注意が必要です。

現在、日本医師会の認定医療機関では、3つの遺伝子疾患(21,18,13番染色体)を検査しています。
一方、無認定の医療機関が提供するNIPTでの染色体異常のスクリーニング検査では、性染色体を含む全染色体検査(1-22番染色体+性染色体)、更により詳細な遺伝子疾患を発見できる微小欠失症の検査を提供しています。(2020年4月末現在)

羊水検査では上述の通り、妊娠期間中の15週から18週の期間のみ行えます。
母体血清マーカーでは、妊娠期間中の15週から21週です。
新型出生前診断(NIPT)では、妊娠期間中の10週から22週と他の診断よりも早期に受けられる点が特徴と言えるでしょう。

このように比較的高い費用が自己負担としてかかるほか、受けられる検査機関が限られていることが出生前診断のデメリットとなっています。

新型出生前診断とは?従来型との違いについて

新型出生前診断(NIPT)とは、2013年4月以降に行うことが可能となったものです。
上記でも説明をしていますが、ここではさらに詳しく見ていきましょう。

従来の出生前診断は超音波検査、母体血清マーカー、羊水検査でしたが、より早期から且つ超音波検査と母体血清マーカー検査の間の期間に行うことができるようになったものが新型出生前診断(NIPT)です。

こちらも上述の通りですが超音波検査が妊娠期間中の11週目から13週目、母体血清マーカー検査が15週目から18週目が対象期間でした。
これに対して新型出生前診断は、10週目から22週目に受けることができるため早期且つ従来の検査の間にかけて長い期間で受診可能な点が特徴となっています。

早期から受けられる点や、期間が長いことが新型出生前診断(NIPT)のメリットです。

しかしながら費用の高さというデメリットがあるため検査の検討には優先順位があると言えます。

しかし、高齢出産や不妊治療など、出産リスクの高い方には新型出生前診断(NIPT)を検討するべきでしょう。

出生前診断の結果に対する正しい理解

出生前診断が近年になって注目を集めているのは、新型出生前診断(NIPT)が採用されたからに違いありません。
血液採取だけで胎児の異常が判別できるということから多くの注目を集めていますが、費用や受診可能な機関に限りがあることまではあまり知られていないのです。

さらに診断結果に対して、正しい理解が無いまま出生前診断を希望する方を増やしているようにも見えます。

先天性異常に関して、特定可能な遺伝子異常は元より50%のみです。
残りの50%は特定不能の多因子遺伝であり、しかも出生前診断で確定できるものはこの中の一部に過ぎません。
(※ 遺伝子解析の世界は日進月歩であり、2020年4月現在で1000を超える疾患を高確率で特定できるまで進歩していますが、日本での商用利用には少し時間がかかるかもしれません)

検査の種類によって特定できる異常や病気はそれぞれ異なり、しかも全ての検査が確定検査ではないのです。
あくまで可能性の高い、疑いの強いといった結果の不確定検査であるものが多くなっています。

そのため確定では無いものの、疑いの強い結果が出た際にどうするのかを事前に決めておく必要があるのです。
確定とは限らない検査結果で、悪い結果が出た時にどう判断するのかを事前に話し合っておく必要があります。

特に産むか、産まないかといった結論に関しては検査以前に正しい理解のもとで答えを用意すべきでしょう。

新型出生前診断(NIPT)で分かる染色体の異常とは?

確定検査とは限らない各種検査の中で、注目されている新型出生前診断(NIPT)では染色体の異常がかなり高い確率で判別できます。

この染色体異常から分かるものとは一体なんでしょうか?

新型出生前診断(NIPT)では、本来であれば一対となっているはずの染色体の数を調べます。
この中で対にならない染色体がある異常が、ダウン症(21番染色体異常)などといった染色体疾患という症状なのです。

つまりは新型出生前診断(NIPT)は、かなり高い確率でダウン症などの染色体異常の疾患を発見できる診断となっています。

新型出生前診断(NIPT)を受けられる年齢がある?

新型出生前診断(NIPT)は、日本医師会の指針では受けることが出来る年齢が決まっています。
この診断自体が、35歳以上のいわゆる高齢出産の妊婦を対象とした診断なのです。

特に初産で30代後半で妊娠をした場合、若い妊婦に比べて遥かに高いリスクを背負うことになります。
加齢によってホルモン分泌や卵巣の機能の低下が顕著となり染色体異常などの先天性異常の子どもが生まれる確率が高くなるからです。
またそもそも出産に対してのリスクも跳ね上がっており、流産や早産の可能性も高いものとなります。

こうした理由により、新型出生前診断はそもそもが35歳以上の妊婦に向けた診断となっているのです。

近年、日本医師会の指針と関係なく、年齢制限無しで検査ができるクリニックもありますので、35歳未満の方は、日本医師会の認定医療機関ではなく、これらの無認定のクリニックで検査を受けることが出来ます。

ダウン症の確率はどれくらい?高齢出産でのリスクの割合とは

高齢出産によるダウン症のリスクが高いことは、すでに広く知られた事実です。
このことによって出生前診断の認知度が上がったとも言え、また高齢出産となる理由の晩婚化の流れ自体を多くの人が理解しています。

日本では4人に1人が高齢妊娠であり、高齢出産はリスクの高いものであることに間違いありません。
そのためこれらの認識は、まったくもって正しいものと言えるでしょう。

ではなぜ高齢出産では、このようにダウン症のリスクが高まるのでしょうか?

そもそも若い女性ですら受精卵の、約40%に異常があるためそう簡単には妊娠をしません。
通常だと染色体に異常がある段階で、うまく妊娠できないか早期に流産するようにできているのです。

このような理由で、人はそう簡単には妊娠しないように出来ています。
しかしこの染色体異常の中で、特定の21番と18番と13番においては結果が異なるのです。
この特定の3箇所の染色体では、異常があったとしても妊娠から出産に至ることがあります。(その他の染色体でもまれに出産の可能性はあります。)
この時に発生するものにダウン症(21番染色体異常)があります。

このようにそもそも妊娠がそう簡単にするように出来ていない中で、40代になると卵子は老化しさらに染色体異常の割合が増えます。
若い女性で40%だったものが、80%まで跳ね上がるのです。

つまり高齢になるほど妊娠する確率自体が低くなり、流産をする可能性も高くなるのです。
妊娠確定後の12週までの流産の確率は若い女性で10%程度ですが、高齢妊娠では20%となります。
さらにダウン症に関しても若い女性であれば0.1%程度ですが、高齢出産では1.0%です。

若い方と比べて遥かに出産リスクが高く、高齢出産の方が出生前診断というワードに辿り着くことは必然なのでしょう。
そしてそのワードを知ってしまうことでさらに悩み、妊娠期間中の更なる不安に苛まれている方が多くなっているのです。

それゆえに上記までで説明をした、出生前診断の正しい目的やメリットとデメリットを理解する必要があります。

染色体異常のリスクは高齢出産に限らず?

高齢出産では染色体異常の確率が、若い方に比較して格段に跳ね上がることが分かりました。
しかし染色体異常を引き起こす理由は、加齢だけが原因では無いようです。

実際に新型出生前診断を受けた方にとったアンケートから、高齢出産以外のリスクが見えてきたのです。

新型出生前診断を受診した方のうち、90%以上の方が「高齢出産だから出生前診断を受けた」と答えました。
さらにこの90%のうちで、実に40%以上の方が「不妊治療を受けている」と答えたのです。

もっとも高齢で妊娠しにくいため、不妊治療を受けている可能性が高くあります。
しかし元より、染色体異常が多いために妊娠しにくい体質の可能性もあるのです。
アンケート結果より「高齢出産且つ不妊治療をしている方」は特に注意が必要ですし、不妊の原因がもともと染色体異常が強い体質の可能性があることを頭に入れておきましょう。

これらに当てはまる方は、出生前診断を検討すべきとも言えるのです。

出生前診断のアンケート結果を紹介

出生前診断という診断が広く認知されてきていますが、実際にはどの程度の妊婦の方が受けているのでしょうか?
それはアンケートによって答えが出ています。

新型出生診断が施行される前では35歳以上の高齢妊婦の中で、実際に出生前診断を受けたという方は14%でした。
新型出生前診断(NIPT)の施行後では、こちらの数字が15%とわずかに上がっています。

こちらの数字はあくまで実際に受けた方、あるいは明確に「受ける」と答えた方のパーセンテージです。
さらに「受けることを検討している」という方まで含めると、39%の方が何かしらの検討をしていることが分かりました。
反対に「受けない」と答えた方は38%で、「イエス」と「ノー」で半分に分かれる結果となったのです。

出生前診断を受けると答えた方では「高齢出産だから」、「障害があることを危惧している」という意見が圧倒的に多くなっています。
反対に受けないと答えた方では「自然に任せる」、「どんな子でも育てる」という意見が多く出ているのです。

中には「分からない」と決めかねる方もいますが、大抵の方は自分のスタンスをしっかりと持っているように見えます。
出産リスクが高いことを承知している妊婦にとっては、やはり出生前診断は必要なものとなっているのです。

出生前診断の不妊治療との深い関係とは?

上記までで説明した通り、高齢で妊娠を望む場合には不妊治療を伴うことが多くなります。
加齢による卵子の老化で、妊娠自体しにくくなるためです。

その結果、不妊治療をする方では胎児に先天性異常が起こる可能性も高くなっています。
そのことから最近では、不妊治療専門のクリニックで遺伝カウンセリングを受けられるところが多くなってきているのです。

あらかじめ不妊治療を行う場合では、妊娠前から出生前診断の正しい知識を妊婦が身に付けておくためとなっています。
このカウンセリングによって、妊娠を目指す段階から出生前診断の受診の有無を決断することが可能です。
より早い段階から、妊婦は準備ができることとなり大きなメリットとなっているのです。

またさらなる新しい出生前診断として、「着床前スクリーニング」という技術も誕生しました。
これは体外受精の際に受精卵から細胞を取り出し、その時点で染色体異常を調査するものです。
その後は正常だったもののみを子宮に戻すことで、先天性異常のある子どもが生まれるリスクを減らします。

海外では先駆けて進められている技術であり、胚着床前スクリーニングとして研究が進められている技術です。
日本でも今後は普及していくと考えられており、今後の主要な出生前診断の一つとなっていくことでしょう。

望んでいない出生前診断というケースもある?

日本では妊娠後に、誰もが受ける妊婦検診の中に超音波検査があります。
海外と比較すると日本ではこちらの検査回数が多く、検診の度に実施されることがほとんどです。

海外では回数が少ない代わりに、細かなチェック項目に沿って入念に行われます。
このチェック項目の中には、ダウン症の可能性の確認の項目もあるのです。
胎児の首後方の厚みによって判断可能なため、海外では超音波検査にこのチェック項目を入れていることが多くあります。

日本においては特に超音波検査ではこうした項目は定められていないものの、超音波検査の目視で医師が気付く場合があるのです。
そのため妊婦検診中に突然、医師から染色体異常の可能性が高いことを告げられるケースがいくつもあります。

例えば以下のような体験談があるので、確認しておきましょう。

不妊治療の末にようやく妊娠となったAさん(37歳)は、通常の妊婦検診の超音波検査中に胎児がダウン症の可能性が高いことを告げられました。

Aさんが妊婦検診中の医師の様子が、いつもとは違うことに気付いたのです。
Aさん自身高齢妊婦であり、リスクを承知していたため自分で色々な情報を調べていました。
その中に、胎児の首後方の厚みを測る検査(NT)の知識もあったのです。

超音波検査中に医師が、胎児の首の後ろの部分を測っていたため不安を覚えます。
そして意を決して医師へ質問をしたところ、医師から「ダウン症の可能性が高い」と言われたのです。

医師からは「羊水検査による確定検査をした方が良い」と勧められました。
しかしAさんは、すぐには確定検査を受ける決意ができません。

不安の中で自分でひたすらNTについて調べ、なんとか良い情報は無いかと必死になる日々を過ごします。
親族に「障害があるなら産まないほうがいい」と言われる一方、お腹が大きくなるほどに子どもを堕したくは無いという気持ちが強くなっていきました。

そんな不安と葛藤に挟まれたAさんを見たかかりつけ医が、臨床遺伝専門医を紹介してくれたのです。
紹介状をもとに専門医の元へと行き、詳しい説明を聞きます。
そしてAさんは自分自身が前に進むために、羊水検査を受けることを決意したのです。

羊水検査では検査によって、僅かながら流産の可能性があることも承知の上での決断でした。
そして検査の結果は陰性となり、Aさんはその後無事に出産を終えています。

このように本人の希望に限らず、出生前診断が聞かされるパターンもあるのです。
そもそもの受診希望の有無によらず、知識としては誰しもが持っていた方が良いと言えるケースではないでしょうか。

切り離すことが出来ない道徳的観点という問題

出生前診断について考えるために

ここでは出生前診断について、道徳的観点などによる問題点を探っていきます。
その前に一度、上記までで見てきた出生前診断のメリットデメリットをまとめておきましょう。
道徳的観点以外の問題点を、あらかじめ整理しておくためです。

●出生前診断とは

胎児に先天船の異常や病気が無いかを、治療目的で検査することを出生前診断と呼びました。
新型出生前診断(NIPT)を加え、超音波スクリーニング検査、母体血清マーカー検査、絨毛検査があり妊婦検診で異常の確認された妊婦やそのパートナーの希望により受けられます。

より精度の高い羊水検査(確定的診断検査)などでは、1%近い確率で流産を誘発する可能性がありました。
そのため本人などからの強い希望がない限り、行われることのない検査です。

これに対して新型出生前診断(NIPT)は、流産の危険性はゼロの検査です。
よって近年では、非確定的な検査では有るものの検査の精度が高い新型出生前診断(NIPT)を受けて、NIPTの検査結果をもとに確定的な診断検査を受けるという選択肢ができたため、今後も新型出生前診断(NIPT)は普及していくことが見込まれているのです。

時代背景や技術の進歩などによって、出生前診断というものが新たなステージに移行しようとしているのが現在の日本の状況でした。

●メリット

出生前診断を行うメリットには、出産をする前段階から様々な準備が行えることにありました。
生まれてくる子どもに病気があるのであれば、それに備えた設備をあらかじめ用意することができます。
また胎児に異常があることを事前に知れれば、妊婦や親族の心の準備も可能です。

治療などのための設備から、生まれた子どもを受け入れる家族側の精神的な面の準備を整えられることが最大のメリットでした。
また検査の結果が陰性であれば、妊婦の大きな不安を取り除くこととなります。
そのため元より出産リスクの高い妊婦にとっては、必要な検査と考えられ得られるメリットも必要なものと言えるでしょう。

●デメリット

出生前診断には費用と、検査によっては受診期間が限られてくるといったデメリットがありました。
それぞれ検査の種類によって異なりますが、一概的に言えることは妊娠後に決断することのハードルは高いと言えることです。

決して安くはない費用のため経済的負担が掛かり、しかも妊娠期間中で受けられる期間が限定的でした。
そのため妊娠が発覚した後に、0からの知識で受診の有無を決断することが難しいものとなっています。

また検査の精度がかなり高いものとはいえ、100%ではない点もデメリットとなります。
時に産むか産まないかという、重大な決断を迫られることのある検査です。
しかしながら100%の診断結果とはならず、最終的な決断を鈍らせてしまう可能性があります。
しかも検査で分かる病気や異常は、限られた一部のものです。
こうした点まで加味すれば、検査結果はさらに100%から遠のくでしょう。

そしてもう一つあるデメリットが、これまで日本での出生前診断の利用を制限してきたものです。
それが道徳的観点という、価値観の問題になります。
当然ながら出生前診断において陽性が出た場合、中絶という選択肢を取る夫婦も多々います。
しかしその選択が時に「命の選択」、「産み分け」などと道徳的な考えに反するとされることがあるのです。

賛否両論があって当然の話ですが、最終的に決めるのは当事者本人です。
中絶を選択したとしても、その事実自体を背負っていくのは本人たちとなります。
そのため周りの意見を気にする必要は特にありませんが、こうした反対意見が根強くあるということだけは認知しておきましょう。

出生前診断を受ける前に考えておくべきこと

出生前診断を受けて、その結果によって産むか産まないかを決めるということは、言い換えればお腹の中で育まれた命の運命を決めることとなります。

胎児の出生前診断の結果によって、単純に産むか産まないかの二択となるようなものではありません。
染色体検査が陽性(異常あり)であっても、それでどのような病状となるのかは一概ではないからです。

育てられるかどうかという、生活環境によって本来は左右されるべきでしょう。
そのため出生前診断が陽性であっても、その後の社会のサポート体制など多くのことを加味して決めなければならないのです。
楽観的に考えることは大切ですが、社会環境や社会制度など現実を直視して「良い面」と「悪い面」を自分自身で見極め、自分たちの生活環境が現在どのようであるのか、またどこまでの変化なら対応できるかをあらかじめ診断を受ける前に把握しておく必要があります。

そもそも異常が見つかった場合の中絶は許されるもの?

新型出生前診断(NIPT)は、35歳以上の妊婦であれば、希望をすることで日本医師会の認定医療機関で受診が可能となっています。
また、35歳未満の妊婦でも無認定のクリニックなどで受診ができます。

しかも母体の血液の採血だけなので、身体への負担はこれまでの診断よりも遥かに軽く、高い精度で染色体異常の検知が可能です。

そのため高齢妊婦の多くの方が受診を希望し、出産リスクの有無の確認の希望を望んでいます。
検査の結果が陰性であれば、もちろん元より不安の大きい高齢妊婦にとっては何よりの朗報となるでしょう。

しかし陽性だった場合はどうでしょう?
産みたいけど産まれてきて欲しくないという、大きな矛盾に葛藤するかもしれません。
そしてやはり産みたくないとなった場合、中絶は可能なのでしょうか?

その答えは新型出生前診断(NIPT)においては、その結果によって中絶することは現在法的には認められていません。

※母体保護法第14条の「妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのあるもの」という理由で中絶が行われているのが実態でしょう。

母体保護法

第14条 都道府県の区域を単位として設立された社団法人たる医師会の指定する医師(以下「指定医師」という。)は、次の各号の一に該当する者に対して、本人及び配偶者の同意を得て、人工妊娠中絶を行うことができる。

一 妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのあるもの

二 暴行若しくは脅迫によって又は抵抗若しくは拒絶することができない間に姦淫されて妊娠したもの

2 暴行若しくは脅迫によって又は抵抗若しくは拒絶することができない間に姦淫されて妊娠したもの


つまり診断の結果によっては、安心を得るどころかより深い葛藤の闇に入ってしまう可能性もあるのです。
こうした点もあらかじめ知っておき、その上で新型出生前診断の受診を希望する必要があると言えます。

診断をすることは差別なのか?

新型出生前診断(NIPT)が日本でもできるようになったことで、出生前診断の利用は今後もより活発になっていくと思われます。
新型出生前診断(NIPT)では主に高齢妊婦が対象であり、高齢妊婦の染色体異常の可能性が高いがために作られたシステムとも言えるでしょう。

「高齢出産では染色体異常の子どもが増える」、「だから出生前診断を行う」というのはある種差別的にも聞こえるものです。
また、そうした声が根強く残っていることも事実となっています。

しかし出生前診断は、受ける受けないを妊婦自身が決められます。
つまり需要に対して、単に供給が増えただけなのです。
需要が増えた理由には、晩婚化などの時代の流れがありました。
出生前診断による判別が必須の状態へ時代が近づいており、いずれ差別的のような考え方は無くなることでしょう。

上記の通り単に産む・産まないという、浅はかな決断のみの話ではないのです。
自分で診断の受診を決め、その結果に関して全てを受け止める必要のあるものが出生前診断となっています。

お腹の中で子どもが、必死に成長をしていることは妊婦が一番分かっているわけです。
「差別的」「道徳的」ではなく、より「現実的」な考えや手段がこの出生前診断なのです。

出生前診断で何がわかるのか?

出生前診断(NIPT)で判別できるもの

新型出生前診断(NIPT)では染色体異常の判別が可能と説明しましたが、具体的には何が分かるのでしょうか?

上の項目で少し触れましたが、染色体の中で13番・18番・21番の異常の有無が分かります。
病名で言えばパトー症候群(13番)・エドワーズ症候群(18番)、そしてもっとも多いダウン症(21番)の可能性が判別できるのです。

具体的な症状名まで書くと分かりやすいかもしれませんが、このように判別できるものはごく一部に過ぎません。
しかも精度が高いとは言えど、確定検査では無いのです。
確定診断をするには、別途で羊水検査が必要となります。

新型出生前診断(NIPT)は従来のものに比べて画期的に思えるかもしれませんが、それでも万能ではないのです。
新型出生前診断(NIPT)の陽性と、その後の確定検査である羊水検査は1セットとして考えるのが良い組み合わせと言えます。
もちろん、羊水検査をしないという選択肢もあります。

エドワーズ症候群とは

エドワーズ症候群とは、染色体異常18番のことを指しています。
こちらに関しては、新型出生前診断(NIPT)の血液検査で可能性の判別ができます。

エドワーズ症候群は女児に多い症状で、男児では産まれてくることなく流産することがほとんどとなっています。
割合では3,000人から8,000人に1人と言われており、重度の知的障害や奇形など、さらには先天性の心疾患といった症状が特徴です。

エドワーズ症候群で生まれた子どもの、生後1年での生存率は10%を満たしません。
仮にも生存しても先天性の心疾患が必ずあることから、通常の社会生活を送れる可能性はほとんどありません。

パト―症候群とは

出生前診断で判別可能でもある、染色体異常13番を通称パトー症候群と呼んでいます。
高齢出産になるほどリスクが高まっていくことが特徴で、割合は5,000人に1人程度です。

症状には主に身体的な奇形、異常箇所が報告されています。
子宮内では正常に育つものの、超音波検査やスクリーニング検査でも判別が可能です。

検査結果でこちらが陽性であれば、医療的・社会的なサポートの準備を考える必要があるでしょう。

ダウン症とは

もっともよく知られた疾患であり、多くの方が危惧しているのがダウン症です。
染色体異常21番のことを指しており、新型出生前診断(NIPT)の血液検査で可能性の判別ができます。
高齢出産で生まれてくることが多く、割合は1,000人に1人です。

ダウン症は独特の顔つきがもっとも特徴的な症状でしょう。
また小指の関節が1つ足りない、筋肉の緊張力の不足、知能発達の障害などの症状もあります。
症状には個人差が出やすい点も特徴です。

さらに心臓病や白血病やてんかん、肺臓系の奇形や視覚・聴覚障害、抵抗力の低さなどが合併症として生じやすくなっています。
医療的、社会的なサポートの準備が必要です。

ダウン症の1,000人に1人の内訳

ダウン症の子どもが生まれてくる確率は1,000人に1人と、上記の項目で説明した通りです。
この1,000人に1人とは、全世代の平均値となっています。

妊婦の年代によって発症率が変わり、その内訳は以下です。
20代妊婦では1667分の1、30代妊婦では952分の1、35歳妊婦から確率が上がり378分の1、40歳で106分の1、45歳で30分の1となります。

これは統計であり、結果は一目瞭然です。
新型出生前診断(NIPT)がダウン症を主にした診断であり、日本医師会の認定医療機関では、35歳以上の妊婦が対象なことも肯けるでしょう。
間違いなく35歳以上の高齢妊婦は、高いリスクを背負っているのです。

ターナー症候群について

新型出生前診断(NIPT)では、上記の3つの異常が判断できました。
しかし上記以外にも先天性異常の症状として、性染色体異常が引き起こすターナー症候群という症状が多く見られます。

症状は手足のむくみ、低身長、生殖器異常などです。
知的障害に関しては一切ないまま成長します。

ただ、このターナー症候群はダウン症と同じように首が腫れているということでエコー検査でもわかる病気です。

ターナー症候群の症状は、幼児期に足がむくんでいたり、背が低い、生殖器に異常がみられますが、知的障害などが全くないまま成長していきます。
問題なのは将来的に妊娠、出産をしにくいという点です。

日本医師会の認定医療機関で行われている新型出生前診断(NIPT)では分からないため、超音波検査などで首の厚みから判別しています。
(無認定のクリニックで行っている一部の新型出生前診断(NIPT)では判別できますが、非確定検査です。)

超音波検査では目視の確認となるため、確定検査として羊水検査が必要となります。

また新型出生前診断(NIPT)では、血液検査のみで、性染色体異常に関して主な疾患の一例ですが、次のような疾患が高確率で判別できるようになってきました。

  • ターナー症候群(モノソミーX)
  • トリプルX症候群(トリソミーX)
  • クラインフェルター症候群(XXY)
  • ヤコブ症候群(XYY)

新型出生前診断(NIPT)の実際の精度

新型出生前診断では、あくまで血液検査により染色体異常の可能性を判断するものでした。
99%という高い確率で異常の可能性を検知できるものの、必ずしもダウン症などが同じ確率で検知できるわけではありません。
医療関係者らによると、ダウン症などの検査精度は75%程度とのことです。

そのため陽性の場合、確定検査がセットで必要となってきます。
そして確定検査には羊水検査が利用されるわけですが、新型出生前診断(NIPT)で陽性が確認された後に確定かどうか分かるまで1ヶ月程度の時間を要すことになるのです。

万一、確定の場合に産まないと決意している方はより早期から診断を受けましょう。
なぜなら法律では、22週までが堕胎時期として認められているからです。
かなりスピード感のある検査や決断が必要となるので、やはり妊娠前からどうするかを決めておく必要があります。

受診基準はあくまで基準?

新型出生前診断(NIPT)の受診基準は、35歳以上の高齢妊婦だと説明しました。
またこの理由が、ダウン症の子どもが生まれる確率が高いためということも上記までの説明の通りです。

しかしこれは、あくまで受診基準となります。
基準であるだけで、これが検査目的ではないことを改めて認識しておきましょう。

新型出生前診断(NIPT)はダウン症の発見を1番の目的としているわけではなく、染色体の異常の早期発見を目的としています。
染色体異常があるのであれば、その他の異常もある可能性が高いのです。

例えば内臓疾患などが見つかった胎児は、発育段階から治療開始が可能となります。
ただ治療を開始するには、設備の揃った病院へ転院する必要がある場合もあるでしょう。
治療の準備をするため、こうした目的も出生前診断には含まれていることを忘れてはいけません。

もちろん近年の晩婚化の流れを受け、以前よりも精神的不安を抱える妊婦の不安解消のために用いられることもあるでしょう。
いずれにせよダウン症の発見という、単に産む・産まないの基準づくりのために存在している診断でないということは確かなのです。

出生前診断における具体的な診断方法

出生前診断の具体的な方法

出生前診断では、超音波検査がもっともよく知られた方法でしょう。
別名としてエコー検査とも呼ばれることがあります。
妊娠10週から14週にかけて、胎児の浮腫を調べることで染色体異常の可能性を探る診断方法です。
超音波検査は年々技術の向上もあり、精度が向上しています。

超音波検査では、通常3段階の検査方法が設定されています。
1段階目は、羊水量と胎児の発育を確認する一般検査です。
2段階目は、病気などのリスクを確認するスクリーニング検査となります。
最後の3段階目は、心臓や頭部の病気を確認する精密検査です。
どの段階まで検査を受けるかで意味が大きく異なるため、よく医師などと相談すると良いでしょう。

これ以外では羊水検査、絨毛検査、そしてトリプルマーカーテストがあります。
トリプルマーカーテストというのは、妊婦の血液の成分を調べる検査で身体への負担が軽いことが特徴となっています。
しかしその分、正確性に劣るという難点がある検査方法です。

羊水検査は度々こちらでも登場していますが、精度が高く確定検査としても用いられる方法となっています。
妊婦のお腹に針を刺し、僅かではあるものの流産の可能性もあるというリスクも持ち合わせた方法です。
そのため他の検査で陽性が出た場合などに用いられることから、確定検査としての意味合いが強くなっています。

絨毛検査は羊水検査と同様にお腹に針を指して検査をする確定的診断検査です。
羊水検査が日本では多く行われています。

混同されやすい血清マーカーとの違い

確定検査ではなく疑いを見つける検査に、母体血清マーカーという診断があります。
こちらは母体の血液を採取して行われる検査なのですが、新型出生前診断とは異なるものです。
同じように血液採取による検査のため、混同されやすいため違いをしっかりと確認していきましょう。

母体血清マーカーで分かるものは、18番と21番の染色体異常及び開放性二分脊椎となる確率です。
そのため結果は確率で示されます。

それに対して日本医師会の認定医療機関で行われている新型出生前診断(NIPT)では、上記の通り13番と18番と21番の染色体異常が分かる検査です。
また結果の提示は確率ではなく、陽性か陰性かのいずれかとなります。
これは例えば結果が陰性の場合、99.9%以上の確率でダウン症ではないという高精度の結果を示すことができるためなのです。

このように陰性の結果であれば、ダウン症の可能性がほとんどないため特に心配なく産むことができます。
しかし陽性の場合では、母体血清マーカーやNIPTは非確定検査であるため、羊水検査を受けて確定させる必要があるのです。

このように、同じ血液採取による検査であっても、対象の染色体や結果の示し方に違いがあるため注意をしておきましょう。

母体血清マーカーの詳細

母体血清マーカーは、新型出生前診断(NIPT)よりも前からある従来型の検査に分類されます。
この母体血清マーカーについて、詳細に見ていきましょう。

検査は血液採取により行われ、血液の中のαフェトプロテインというタンパク質を調べることで検査をします。
このαフェトプロテインの値が高いと、先天性異常の確率が高くなるのです。
また値が低い場合では合併症、妊娠中毒症の可能性が高くなるためどちらも注意が必要な結果となっています。

またかかる費用は3万円前後なので、新型出生前診断(NIPT)よりは経済的負担が少なく済みます。
上記でも説明しましたが、新型出生前診断(NIPT)では20万円程度の費用がかかるためです。

超音波検査では「NT」という用語を覚える必要がある

超音波検査では、胎児の首後方の浮腫の厚みを測る検査が行われます。
この厚みのことを専門用語で「NT」と呼ぶため、覚えておきましょう。

近年では技術の進化により、かなり鮮明な画像にてこのNTを確認することができるようになりました。
しかしダウン症である可能性を知るためには、医師の高い技術が必要であることに変わりはありません。
なぜなら目視による確認だからです。

超音波検査の技術が高い、あるいは経験豊富な医師のもとであればかなりの精度でダウン症の確率を測ることができる検査と言えるでしょう。

羊水検査の詳細について

ここでの出生前診断の説明でも、何度も登場しているのがこちらの羊水検査です。
新型出生前診断(NIPT)でも、陽性が出た場合には最終的にこの羊水検査が確定検査として必要になります。

羊水検査は妊娠期間中の14週から16週に羊水を採取します。
その羊水の細胞を培養したのちに、分析をしDNA診断や特定の物質を測ることで検査をする方法です。
染色体分析において、ほとんどがこちらの分析が用いられています。

羊水検査は精度が高いために確定検査として使われると説明しましたが、本来であれば判別の難しいモザイク型と呼ばれるダウン症ですら100%判別出来ることが理由となっています。
染色体のごく僅かな欠損も確認することができるため、ほぼ確実に出産前にダウン症の有無を判断できるのです。

しかしデメリットとして、僅かに流産の可能性があります。
そのため実情としては、35歳以上の高齢妊婦のうちの10%程度にとどまっています。

絨毛検査について

上記で名前だけを挙げている、従来型の出生前診断についても詳しく知っておきましょう。
説明の通りですが流産の可能性が高いため、日本で実施されることはあまりありません。
知識の一つととして確認しておいてください。

絨毛検査は妊娠期間中の9週目から11週目という、ごく限られている期間内でのみ実施ができる検査です。
具体的な実施方法は、妊婦の膣を通じて胎児の絨毛という組織を採取することで行われます。
ここで採れた組織を培養することで、DNA検査が可能となるのです。

膣から採取するためには超音波検査を行いながら、カテーテルを通す必要があります。
そのため母体への負担が大きい他、胎児の奇形を誘発する可能性があることも分かっているのです。
こうしたことから、こちらの検査が行われることはほとんどありません。

羊水検査同様で確定検査であり、羊水検査以上に早く結果が分かるメリットがあります。
しかしながら流産や奇形の誘発など、メリット以上に大きいデメリットがあることを知っておきましょう。

男性に原因があることもある?

高齢妊婦には染色体異常を起こす可能性が高く、それ故にそもそも妊娠自体をしにくいというのは上述の通りです。
そのため35歳以上の妊婦を対象とした検査が、今回紹介している新型出生前診断となっていました。

卵子が加齢とともに老化することで、染色体異常を引き起こす可能性を引き上げています。
しかしこれは、女性のみに当てはまるものではありません。

女性の卵子は常に新しいものが作られるというわけではなく、生まれた時に持ったものを一個一個排出しています。
それに比べて男性の精子は、常に新しいものが作られているので女性の卵子の老化という現象が染色体異常を誘発することに大きく起因しているのです。

しかし近年では男性の加齢によっても、染色体異常を起こす可能性が高まることが分かってきました。

男性においても20代と比較すると、50代では約3.2倍の確率で染色体異常が見られるのです。
つまり女性の卵子の老化のみならず、男性の老化によっても染色体異常が起こる可能性があるということになります。
パートナーの男性が高齢の場合でも、妊婦は出生前診断の受診を検討すべきと言えるでしょう。

確定検査の必要性について

新型出生前診断(NIPT)が採用されたことで、今後は出生前診断を受診する妊婦が増えていくことが予想されます。
また晩婚化の流れは変わりなく続く見込みですので、そうした観点からも出生前診断の受診者は増え続けることでしょう。

さらに新型出生前診断(NIPT)では、妊婦の血液採取のみという実施手順が簡易な点も大きなメリットです。
しかしそのことで、正しい知識を付けることなく出生前診断を受診する方も増えるかもしれません。
特に出生前診断で知っておきたいことは、結果が陽性であっても必ず先天性異常のある子どもが生まれてくるわけではないということです。

出生前診断で陽性であった場合でも、その後の羊水検査では陰性となるケースが報告されています。
つまり新型出生前診断(NIPT)はあくまで可能性の有無を示し、最終的には羊水検査による確定検査が必要になるということなのです。

不妊治療などを行なっている方は、カウンセリング時にこうした説明もあるかと思われます。
この点に関して、しっかりと説明を聞き理解をするようにしましょう。

もちろん検査数が増える分だけ費用は増えて行きますが、お腹の子どもの運命を左右する検査です。
必ず確定検査まで受けることをお勧めします。

新型出生前診断はNIPTと呼ばれている

覚えておきたい略語表記について

ここまで新型出生前診断について紹介をしてきました。
日本では2013年に始まったものですが、海外ではもっと早くから取り入れられていた技術となっています。

そのため英語表記の「Non-Invasive Prenatal genetic Testing」の略である、「NIPT」と表記されることも多くなっているのです。
新型出生前診断とイコールのものですので、「NIPT」という表記も併せて覚えておきましょう。

またこちらの日本語の直訳としては「無侵襲的出生遺伝学的検査」となり、「母体血セルフリー胎児DNA検査」などとも呼ばれます。

すべてがこちらで紹介してきた新型出生前診断(NIPT)を指しており、情報源によって表記が異なる可能性があるのでそれぞれを知っておいてください。

使われる技術は新型シーケンサー

新型出生前診断(NIPT)で使われる技術は新型シーケンサーというものです。
これは1990年頃にスタートした「ヒトゲノム計画」の際に10年かかっていたDNA解析を、たったの2日間でやり遂げてしまうという驚異の技術がもとになっています。

DNAというのは、通常ではヒモ状で核を漂った状態です。
しかしこれが細胞分裂をする時になると、23本の棒状に形を変えるのです。
この際にDNAが対になっていないもの、それが先天性異常の原因となります。
今回の新型出生前診断(NIPT)であれば、このうちの13番・18番・21番の染色体異常を確認出来る検査となっているのです。
最新の新型出生前診断(NIPT)では、1番から22番の常染色体異常、23番の性染色体異常、微小欠失症といったより多くの疾患をスクリーニングできるものがあります。

新型出生前診断(NIPT)以外にもある注目の診断方法

新型出生前診断(NIPT)は、日本で承認された際には大きな注目を集めました。
当時のテレビや新聞各社などの多くが、ニュースとして取り上げたのです。
そのため妊婦や、妊娠を望む女性の間では広く認知された技術となりました。

新しい画期的な技術として、多くの人に注目をされたわけです。
しかし海外ではより早くから取り入れていた技術であり、日本での承認はむしろ遅いと言えるでしょう。
現在はようやく受けられる施設が増えてきましたが、それでも受診可能な施設が無い地域が未だに存在しているのです。

そして海外では、さらに他の技術も発展しています。
このような技術も近い将来、日本に入ってくる可能性があるのでチェックをしておきましょう。

日本医師会の認定医療機関では、NIPTで性染色体、微小欠失についての検査は行われておりませんが、日本国内でも一部の医療機関でこれらの検査を提供しています。
そして米国ではNIPTの開発が盛んで、競合社同士ではコンマ以下というレベルでの開発競争がなされており、検査可能な疾患数もどんどん増えているのです。

そのような中で、NIPT以外の技術というのも登場してきています。
それは「保因者スクリーニング検査」というものです。
これは判明している1300種の劣性遺伝子のうち、特に遺伝しやすい遺伝子を夫婦で妊娠する前段階で検査をするという技術となります。
保因者から子どもへは50%の確率で遺伝しますが、通常は劣性遺伝子なので保因者となるだけで健康上の問題は起きません。
しかし同じ遺伝子エラーを持つ両親から生まれる子どもは、約25%の確率で遺伝子疾患となることが分かっています。

こうした可能性を、妊娠よりも前に検査するという技術が海外にはあるのです。
妊娠前から知ることができれば、選択肢が増えることとなるのは間違いありません。
日本ではまだ未承認ですが、NIPTなどの需要が高まっていけばこうした他の技術も入ってくる可能性があります。
こうした技術が海外にはあるということも、頭の片隅に入れておきましょう。

多くの情報を知りたければ超音波検査を選択すべき

「妊娠初期超音波検査」という検査を、専門のクリニックでは受診することができます。
通称健康ドックにちなんで、「胎児ドック」などと呼ばれることが多いようです。
こちらは精密な超音波検査を行うことで、より多くの胎児の情報を得られるメリットのある検査となっています。

NIPTでは妊婦への負担が少ない状態で、ダウン症など一部の先天性異常の可能性を測定出来るという検査でした。
先天性異常による疾患のうち、約25%が一般的なNIPTで判別できる範囲の染色体異常が原因です。
つまり残りのパーセンテージの部分において、一般的なNIPTだけでは拾いきれない部分が多くあるということになります。

例えば胎児の心疾患や消化管の閉鎖などや、臍帯ヘルニアや横隔膜ヘルニアなどが挙げられるでしょう。
こうした疾患に関してはNIPTでは分からないものの、超音波検査では見分けることが可能なのです。
先天性異常や疾患に関して、より多くの情報を調べるという点においては超音波検査に分があります。
様々な疾患の可能性を知りたい場合には、超音波検査「胎児ドック」がもっとも適しているのです。

出生前診断の注意点

保険適用ではなく自己負担

新型出生前診断(NIPT)では、その費用が全額自己負担となります。
新型出生前診断(NIPT)は保険適用外となっており、どの施設で受けても新型出生前診断(NIPT)であれば20万円程度の費用がかかるのです。
さらに確定検査である羊水検査には、約10万円程度の費用がかかります。
この検査セットで、30万円以上がかかる計算です。

新型出生前診断(NIPT)では保険適用されませんが、万一生まれてきた子どもに障害が有ればそちらは様々なフォローが受けられます。

療育手帳というものを貰うところから始まるのですが、こちらは児童相談所にて支給がされます。
特別児童扶養手当、障害者扶養手当、運賃割引、優先入居などといった様々な社会的なサポートを受けることが可能です。
この手帳で受けられるもの以外にも、様々なサービスが用意されています。

新型出生前診断(NIPT)の実施には基準がある?

新型出生前診断(NIPT)を受けられる施設には限りがあると、上記で何度か紹介をしてきました。
これはそもそも、日本医師会の指針により、新型出生前診断(NIPT)を実施できる条件が日本医師会の認定医療機関設だけとされていることが理由でした。

日本医師会の指針では、遺伝カウンセリングを受けることが必須となっており、妊婦に対して必要な情報提供ができるかどうかとなっています。
胎児の運命を左右する診断ともなり得るため、カウンセリングがしっかりと受けられるかの優先順位が高いのです。

それ以外では当然、専門医の資格や産婦人科・小児科の医師及び施設があることなども条件となっています。
ちなみにこちらの遺伝カウンセリングも、保険対象外となり5,000円から10,000円程度の費用がかかります。
さらにカウンセラーの数はまだまだ少ないこともあり、カウンセリングレベルに差があることも予想されるのです。

この様に、日本医師会の認定医療機関は限定されており、NIPTを受診したくても出来ない妊婦の需要に答える形で、日本医師会が認定していない医療機関が新型出生前診断(NIPT)を開始しました。
現在のところ、無認定の医療機関でのNIPTの受診は、法律的には問題有りません。

新型出生前診断(NIPT)についての指針とは?

新型出生前診断(NIPT)は治療を目的としているものの、命の選択という側面を完全に排除できるものではありません。
そのため出生前診断に関して、日本では明確な指針が出ています。

出生前診断に対する指針は、日本産婦人科学会がだしており、以下のような内容です。

  • 血液検査のみという簡易検査のため、胎児の未来を消す可能性がある
  • 検査対象は高齢妊婦、あるいは先天性異常のある子どもの経験のある妊婦
  • 診断の実施に関して、安易な実施は勧めていない

となっています。

このように比較的、指針に関しても厳しいものとなっているのです。
また検査の結果、子どもに異常の可能性がある場合ではカウンセリング可能な認定機関で実施することとも定められています。

検査や診断が簡易になるほど、安易な判断をしないようにと注意喚起の方向になっていくのです。
新型出生前診断(NIPT)に関しても、同じことが言えるでしょう。

新型出生前診断(NIPT)ではカウンセリングを

日本医師会の指針では、新型出生前診断(NIPT)の受診においては、遺伝子カウンセリングを受診することが必須となっています。
カウンセリングを受診後に採血となり、その後に検査が行われるのです。
そしてここで陽性反応が出た場合、羊水検査という確定検査へと進みます。

無認定の医療機関でも新型出生前診断(NIPT)が行われていますが、新型出生前診断(NIPT)を受ける前に遺伝カウンセラーによるカウンセリングを受けるようにしましょう。

このカウンセリングは診断を受ける前だけではなく、検査後の結果に関しても相談に乗ってくれるのです。
結果が陽性であった場合など、病気・福祉の情報提供からメンタルケアまでと幅広くサポートが役割となっています。

カウンセラーからはどのような病気・異常なのか、またそれらの症状はどんなものか詳しく説明がされます。
基本的にはカウンセラーは診断を受けることを勧め、受けた後はメンタルケアまでを担うというスタンスです。

新型出生前診断(NIPT)の結果が出るまで

新型出生前診断(NIPT)では、血液採取後に結果が出るまでの約2週間の待機期間が発生します。
先天性異常の可能性の有無が分かるまでの約2週間となり、当人たちにとっては非常に長い時間となることでしょう。

この約2週間は妊婦自身が悩む時間であり、また家族と話し合いをする時間ともなります。
またダウン症などの疾患のある子どもが生まれた際に、育てられるのかどうかなど具体的なことまで考えるのに十分な時間と言えるでしょう。

結果が出るまでに必然的に約2週間という時間がかかるので、こちらの期間を有効に活用することをお勧めします。
また様々なことを調べたり考えたりするために、やはり事前のカウンセリングはしっかりと受診しておくことが必要です。
病気についてを正面から見届ける時間としてみてください。

新型出生前診断(NIPT)と体外受精の関係

体外受精経験者は、特に健康な子どもを産みたいという気持ちが強くなることが分かっています。
これは不妊治療の中でも、特に多くの手間やコストがかかる治療の末にようやくの思いで子どもを授かるためです。

そのため体外受精を経験した人ほど、新型出生前診断(NIPT)を望む場合が多くこれらは切っても切れない関係となっています。
新型出生前診断(NIPT)に限らず出生前診断は命の選択だという意見が根強くありますが、体外受精ではこれを受精卵の段階からやっているわけです。
受精卵をグレード分けしているため、これも言わば命の選択と言えます。
こうした経験をしているがために、より新型出生前診断(NIPT)受診までのハードル自体が他の妊婦よりも低くなっていることは間違いないでしょう。

労力も費用もかけて妊娠したわけですから、他の方以上に妊娠期間中は不安によるストレスを感じることもまた間違いありません。
こうしたストレスは妊婦に良い影響を与えるはずもありませんので、こうしたストレス軽減のためにも出生前診断を受けることが望ましいと言えます。
体外受精を含む不妊治療と、出生前診断はこのように切っても切り離せない関係となっているのです。

中絶について

出生前診断による中絶について

診断を受けるタイミングによっては、妊娠中期になってから出生前診断によって先天性異常が発覚することがあります。
出生前診断によって中絶の選択を取ることもあり、これが道徳的に命の選択であると言われる点です。

妊娠中期以降の中絶手術では、手術という言葉のイメージとは異なる方法となっています。
手術となっていますが、実際のところは早過ぎる段階で胎児を産み落としてしまうのです。
強制的にこの段階で陣痛を起こし、無理矢理に産み落とすことで中絶します。

中絶の方法によるところが多いのですが、母体への負担が大きく特に子宮への負担は大きくなっています。
中絶の際にリスクがあることはもちろん、今後の妊娠に対しても影響が出ることが多いのです。
そうした先のことまで含めて、中絶手術に関しては考える必要があると言えます。

新型出生前診断(NIPT)の普及で中絶も増える?

新型出生前診断(NIPT)の普及でもっとも懸念されていることが、こちらの中絶希望者も増加する可能性があることではないでしょうか。

特に新型出生前診断(NIPT)が簡易になればなるほど、安易に検査を受けて安易に中絶を希望する人が増えることが懸念されているのです。
こうした懸念に対する日本医師会の対策が、上記の新型出生前診断(NIPT)への指針や遺伝カウンセリングの必須などに繋がっているといえます。

しかし、こうした基盤はしっかりと用意されてはいるものの、最終的には診断を受ける本人の理解度が重要となります。
様々な情報をしっかりと、自主的に吸収していくことが必要と言えるのです。
専門知識を持ったカウンセラーからのカウンセリングは大変有益ですが、自分自身で考えることは必ずするようにしましょう。
また家族で話し合う時間も作るとベストです。

中絶と不妊症の関係

出生前診断の結果によって、中絶手術を決断する方も少なからずいます。
そもそも中絶を決断する前に、いろいろなリスクがあることが分かった上で、出生前診断を受けているはずです。

ほとんどの方は悩みに悩んで、その上での中絶の決断となることでしょう。
しかし出生前診断の段階で、正しい知識を付けずに診断を受ける方が出てきたら必ずしもそうなるとは限らなくなることも予想されます。

そしてそうした方は、恐らく中絶手術に対するリスクの認識も不足しているかもしれません。
中絶手術にもリスクがあり、母体への負担もかなり大きいものとなっているのです。
現在の医学の技術では、不妊症とまでなることはほとんどありません。

しかし中には雑な手術をされることがあり、そうした際には子宮の炎症や卵管の詰まりなどが起きてしまうことがあるのです。
今後の妊娠が叶わなくなることもありますし、母体自体の健康を侵す可能性だってあります。

出生前診断に関する知識と同じくらい、中絶手術に関する知識も身につけておく必要があるのです。

出生前診断による身体的リスク

出生前診断と中絶手術の可能性に関しては、絶対的に切り離せない関係です。
そこで、ここでは中絶手術によるリスクについて、少し詳しく見ておきましょう。
総合的なリスクから見て、どの決断が正しいかを判断する必要があるからです。

中期以降の中絶に関しては、上記で説明をした通りとなります。
強制的な陣痛によって、本来産まれるタイミングでないときに産み落とすという方法が取られるのです。
強制的な陣痛による身体的負担の他に、産み落とす行為自体が精神的な負担になることが多くなります。
中絶のために子どもを「産む」行為をするため、罪悪感に潰される方も少なくないのです。

そして初期の頃の中絶の方法は、胎児を掻きだすという単純な方法が取られます。
掻きだすという簡易的な方法ではあるものの、こちらは身体的なリスクが高くなるのです。

胎児を掻きだすために金属の棒を子宮に入れるのですが、妊娠中は子宮壁が柔らかく傷が付きやすくなっています。
子宮内に傷が付くのは当然なのですが、ここで炎症を伴ってしまうと「アッシャーマン症候群」という病気になることがあるのです。
この病気になると不妊症となり、子どもを望むことは難しい身体となります。

中絶手術に関しては、初期でも中期でも大きなリスクが伴うことをしっかりと認識しておきましょう。

出生前診断による精神的なリスク

上記では出生前診断の結果によって、中絶手術を選択した時の身体的なリスクを主に紹介してきました。
ここからは精神的なリスクに関しても見ていきましょう。

中絶手術をすることで精神的ダメージを受けることは紹介しましたが、より具体的にはそれ自体がPTSDとなることもあります。
それは中絶手術の決断が苦渋の選択であれ、安易な選択であれPTSD化する可能性があるのです。

PTSDとはいわゆるトラウマのことですが、中絶手術を原因とするものを特に「中絶後遺症症候群(PAS)」と区分けされています。
中絶手術によって子どもを殺したという罪悪感から、パートナーとの関係が壊れるという弊害が主なものです。

さらにはその他のPTSD同様、フラッシュバックによる生理的な過剰反応なども挙げられます。
うつ状態になることもありますし、逆にそうした状況を避けるために無意識に感情を麻痺させる抑圧状態に陥ることもあるのです。

精神的なダメージは誰にでも起こりうるものですが、PTSDとなってしまうと長期間苦しめられることとなります。
こうした長期的なリスクがあることも視野に入れることを忘れないようにしましょう。

身体的なダメージ以上に深刻なことが多く、場合によっては薬に頼って日常生活を送ることとなるかもしれません。
精神的ダメージへの考慮は、より慎重にした方が良い項目と言えるでしょう。

出生前診断による初期中絶の費用

新型出生前診断(NIPT)では、説明の通り妊娠の比較的初期の段階から受けることができます。
新型出生前診断(NIPT)を早期に受け、陽性が出た段階で中絶を選択する場合では妊娠中の初期中絶をすることとなります。

具体的には妊娠11週6日までに行う中絶手術を指しており、上記の通り子宮から胎児を掻きだすことで行われる手術です。
機械的に掻きだすだけとはなりますが、場合によっては子宮頸管の拡張が必要であったりと負担に関しても個人差がややあります。

そしてこちらの手術にかかる費用は、施設によって差があるものの概ね8万円から12万円です。
中期以降に比べて費用は安く、掻きだす手術なので「産む」という感覚はありません。
中期以降の中絶手術と比較すれば、確実に精神的負担や陣痛を経験しなくていいことから身体的負担も少ないと言えます。
それゆえにこの段階で早めに決断する方も中にはいますが、やはり新型出生前診断(NIPT)のみでの決断はお勧めしません。

中絶した子どもが、確定検査では陰性だったかもしれません。
また初期の中絶手術の方が負担が軽いとは言え、想像以上に心にダメージを受けることもあります。
また中絶手術を繰り返すことで、不妊症になったり重篤なアレルギーを引き起こし生命の危険となることもあるのです。

初期中絶手術が比較的負担が少ないというのは間違いありませんが、それは所詮、点の話となります。
リスクが無いわけではなく、何度も繰り返せる選択では無いことまで考慮する必要があるのです。

最後に

出生前診断について、メリットからデメリットまでを紹介してきました。

そして最後に、多数の出生前診断経験者の方々にアンケートにご協力いただいて、本音と建前を聞かせて頂ける機会を得ることができたことに感謝しております。
そのアンケートで分かった「本音」をご紹介して、終わりにしたいと思います。

  • 胎児に疾患があったら中絶をすると決めている方は、積極的に出生前診断を受けたいと思っています。
  • 胎児に疾患があったとしても出産をすると決めている人は、出生前診断を受けたいとは思っていません。

新型出生前診断(NIPT)の価値は、死産や流産といったリスクが有る羊水検査を受けること無く、胎児の疾患の可能性が限りなくゼロに近いという事がわかることです。

もちろん、NIPTの検査で全ての疾患を特定できるわけでは有りません。
しかし、それでもNIPTの検査を希望する人が増えている理由は、不安を抱えたままで妊娠生活を送ることを避けたいと思っている人が多いことにあります。

「不安を抱えたままで妊娠生活を送ること」
このことがどれほど大変なことなのかを関係者の方にも理解していただければ幸いです。


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100人体験談」 ダウンロード

先輩ママ100人の「出生前診断」で体験談を小冊子にしました。
可能な限り手を加えずに編集したので、少しショッキングな内容かもしれません。
この小冊子が、出生前診断を受けるかどうかの参考になれば幸いです。
(A4サイズ、53ページ)

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